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【終了】殺戮にいたる病から聞き出す力まで、リアル書店員が薦めるKindle『春のフェア』本

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こんにちは、リアル書店員のケス・ノングです。

さて、Kindle本のセールがまた始まりましたね。「春のフェア」というとてつもなく漠然としたフェアで、価格が下がっているものや、価格がそのままでポイント還元が大きいものなどが混在した、これまたざっくりとしたセールです。

このつかみどころのないセールから、ケス・ノング的おススメをピックアップしたのでよろしければご覧ください。単品のおススメと、後半は今回のセールに多い合本のおススメです。

殺戮にいたる病

綾辻行人の「十角館の殺人」で幕開けした新本格ミステリの時代。クラシカルな謎解きを、現代的な意匠でアップデートし、ライト層も取り込んで大ブームとなりました。我孫子武丸は、その綾辻行人の京大推理小説研究会における後輩。当初はコミカルタッチのミステリを書いていたが、この「殺戮にいたる病」でその本性を現しました。

なんと冒頭でネタバレします。犯人の名前は「蒲生稔」です。

さあ、真犯人の名前から始まる本格ミステリ。驚愕の展開が待ち受けています。なんとセールでたった378円。こんな値段でこの驚きが味わえるなんて…。今から読む人がうらやましすぎます!!


人狼城の恐怖 第一部ドイツ編

原稿用紙にして4000枚、「世界最長の本格ミステリ」を謳う四部作。紙だと超分厚い四冊ですが、Kindleだとかさばりません(当たり前か)

事件が起こる「ドイツ編」「フランス編」を経て、名探偵二階堂蘭子が三作目「探偵編」になってようやく登場し、なんと四作目「解決編」は文字通り一冊丸ごと解決編。

無数の伏線が仕込まれており、「そうだったのか!」「え、まじで!」と驚くこと多々ありますが、やはりメイントリックのあれがすごい。この大ボリュームにふさわしい大トリック炸裂です。四冊まとめて買ってもたった1620円。ああー、これまた今から初めて読む人がうらやましい!


続 聞き出す力

さて、打って変わって一気にサブカルです(笑)。

大ベストセラーになった阿川佐和子の「聞く力」。それに対抗すかのごとく、職業「プロインタビュアー」を名乗るライター・吉田豪の、グレイシー一族の如く一瞬のスキをついて対象の懐に入っていくその技術はまさに「聞き出す力」。聞き出すだけではなく、アントニオ猪木の風車の理論の如く、相手のすばらしさをこれでもかと引き出します。

それもこれも、事前準備がしっかりしているのと、付け焼刃にならないための普段からの刀の鍛え方が素晴らしいからです。その秘訣が書かれているだけでなく、純粋に読み物として非常に面白い。

これも安すぎます。続編もマストバイ!!


合本 11/22/63【文春e-Books】

合本もたくさん安くなっています(ポイント還元ですが)。

この本は以前にもおススメしたことがあるのですが、面白すぎるので何度でもおススメします。

ある教師が偶然見つけた「扉」からタイムスリップする。目的は、ケネディ暗殺の阻止。いや、これだけ書くと本当に陳腐な話なのですが、そこはキング。魔物のような筆力で、とにかく「今日はこの辺でやめよう」と思わせてくれない。ただひたすらに面白い。キャラクター造詣の深さと、登場人物の多さが、作品世界を立体的に形作り、出てくるエピソードの一つ一つにとにかく泣かされ、いつまでもいつまでも読んでいたいと思わせる名作です。

文庫本なら全三巻ですが、合本版は2800円の1400ポイントバック。絶対に面白いです!!

合本 悲しみのイレーヌ その女アレックス 傷だらけのカミーユ【文春e-Books】

おお、こんなシリーズまで合本になっていたのですね。日本ではまず「その女アレックス」が邦訳され、監禁された女性の脱出劇と思いきや、二転三転するストーリーの面白さに「このミステリーがすごい!」第一位、「週刊文春ミステリーベスト10」第一位、本屋大賞翻訳部門第一位と、これ以上ないほどの栄冠を手にしました。

しかし、作中語られるエピソードが、単純に主人公の過去の設定というよりは、妙に具体的で、もしかして…がーん、やはりなんとこれはシリーズ二作目であり、一作目に起こった話をしていたのでした。

その後一作目、「悲しみのイレーヌ」が邦訳され、おいおいこれまためっちゃおもしれーじゃねーか、なんでこれから出さないんだよ!とファンは怒り、すみませんとばかりに三作目「傷だらけのカミーユ」が出版されたわけです。
そんなわけでこの合本を買えば、シリーズを正しい順番で読むことができます。ああ、そんなあなたがうらやましい!! 2600円の、1300ポイントバックです。

平野啓一郎「分人」シリーズ合本版:『空白を満たしなさい』『ドーン』『私とは何か―「個人」から「分人」へ』

これは面白い合本の作り方。電子書籍ならではです。「ドーン」「私とは何か」「空白を満たしなさい」の三作が入っています。

「分人(ぶんじん)」とは、平野啓一郎の提唱する概念で、「個人」に対置されるものです。個性は一人に一つのものではなく、家族に対するもの、友人に対するものなどで別の個を人は分け合って持っている、という思想であり、これをテーマに書き上げた小説が「ドーン」です。まずはこれから読むのがいいでしょう。

そしてこの思想をよりわかりやすく解説したノンフィクション「私とは何か」をはさんで、再びこのテーマで挑んだ小説「空白を満たしなさい」を読みましょう。

京大在学中に芥川賞を受賞し、その著作も難解なイメージがありますが、この分人シリーズが面白いのは、「分人」という思想テーマを表現するにあたり、採用されているのが非常にエンタメなガジェットであるということです。
「ドーン」は火星探査が舞台であり、これはもうれっきとしたSF、そして「空白を満たしなさい」にいたっては、なんとゾンビものです(笑)。 テーマとしっかりリンクさせながらこういった設定を使いこなす技術が素晴らしい。2700円の1350ポイントバックです!


いかがでしたか? 今回のセールは幅広くて、少し脈絡のないセレクトになってしまいました。でもまだまだ紹介したい本があります。セールが終わるまでに何とかもう一度おススメを書きたいと思います。こうご期待! 

この記事を書いた人:ケス・ノング

某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。

Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。


Kindle本春のフェア(2017年4月2日まで)

前回の記事

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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これ読んどけ!という海外SF ハーラン・エリスン「死の鳥」

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こんにちは、リアル書店員のケス・ノングです。早川書房のSFセールも終わり、みなさん積読の消化にいそしんでいることと思いますが、ちょっとだけ待ってください。 今回のセールは日本人作家のみでしたが、やはりSFは海外ものが華と言えます。「翻訳される」というハードルを乗り越えた作品は、それだけである意味価値の高い作品の証であると言えるでしょう。

今回は単発で、海外SF、これ読んどけ!という一作を紹介します。珠玉、という言葉以外で表現できない短編集です。

死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)

ハーラン エリスン (著), 伊藤 典夫 (翻訳)
価格:1,166円
★★★★* 5件のレビュー

25万年の眠りののち、病み衰えた惑星〈地球〉によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語――「おれには口がない、それでも俺は叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。

エリスンといえば、アメリカSF界のレジェンド。1960年代頃から短編やドラマ脚本で頭角を現し、SF界のメジャー文学賞、ヒューゴ―賞、ネビュラ賞、ローカス賞の超常連となります。しかしその著名さのわりには、日本ではほとんど作品が出ていませんでした。

唯一にして有名な作品集が、「世界の中心で愛を叫んだけもの」(ハヤカワ文庫)。

「あ、聞いたことある!」と思った方、そう、TV版「エヴァンゲリオン」の最終話のサブタイトルですよね(「愛」が「アイ」になってましたが)。もっとも庵野監督はこれは未読で、「かっこいいから」という理由で使ったそうですが(笑)。そう、エリスンの短編はどれもタイトルが超かっこいいんですよね。

今回、1973年の「世界の中心で愛を叫んだけもの」以来の邦訳作品、「死の鳥」が出ましたが、その収録作品のタイトルも、どれもこれもかっこいいです。

「『悔い改めよ、ハーレクィン! 』とチクタクマンはいった
「竜討つものにまぼろしを」
「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」
「プリティ・マギー・マネーアイズ」
「世界の縁にたつ都市をさまよう者」
「死の鳥」
「鞭打たれた犬たちのうめき」
「北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」
「ジェフティは五つ」
「ソフト・モンキー」

どうです? どれもこれもぐっときませんか?

しかもこの収録作10編のほぼすべてが、先ほど挙げたヒューゴ―賞、ネビュラ賞、ローカス賞などの何らかの賞を受賞しています(一編で複数受賞しているものもある)。どれも発表は、最後の「ソフトモンキー」を除いては 1960年代から70年代で、古き良きアナログSFのイマジネーションが炸裂しています。

これは僕の持論ですが、「素晴らしいSFは、未来描写や登場するガジェットが古くなっても、思想は絶対に古くならない」のです。それが文学としてのSFの使命であり、価値であると思っています。

この作品も、この思いがぴたりと当てはまる、背筋がぞくぞくするような静かな興奮に満ちたものでした。一般的には、 25万年の眠りから覚めた男の旅を描く表題作「死の鳥」が人気でしょうが、僕はこの中では、何年経っても五つのままの隣人、ジェフティをめぐって、リリカルな郷愁を誘う「ジェフティは五つ」が特に素晴らしかったと思います。

この「死の鳥」、SF版の「このミステリーがすごい!」にあたる、昨年の「このSFが読みたい!」において、見事海外編第一位となりました。並み居る新作を押さえて、60年代がメインの作品集が一位とは! それも納得の面白さです。ぜひぜひ読んでみてください。

いかがでしたか? ハヤカワ半額セールでバタバタしましたが、じっくりとこの本も読んでほしいです。さて、ケス・ノングは次は何の本を読もうかな…。

この記事を書いた人:ケス・ノング

某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。

Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。

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これがホントに面白い!文藝春秋50%ポイント還元より、リアル書店員注目のノンフィクション

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こんにちは、リアル書店員のケス・ノングです。

本屋大賞が恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」に決まってから、「それはなかろう」と、ぶうたれて勝手に「一人本屋大賞」の記事を書いていたのですが、別のセールが始まったので、慌ててそっちに切り替えて参上しました。

いや、「蜜蜂と遠雷」がつまらないのではないですよ。あれは傑作です。ただ、既存の権威ある賞へのアンチテーゼから始まった本屋大賞が、なんで直木賞と同じ作品を選ばないといけないのか、ってことなんですよ!はあはあ。という思いを隠してお店では大きな本屋大賞コーナーを作っているわけですが、そのジレンマがストレスとなっているようですな。いや、すみません。

気を取り直して、おススメ記事を書きました。なんとGW中、文藝春秋の本が片っ端から50%ポイントバックです。いくらでもおすすめ本があってきりがないので、いつもは文学作品メインで紹介していますが、今回は「ノンフィクション」というくくりで書いてみました。文春の本はノンフィクションの傑作が多いんですよ。 ではでは、よろしくお願いします。

文藝春秋50%ポイント還元より、注目のノンフィクション

「プロレスなんて」と思っている方も是非読んで

完本 1976年のアントニオ猪木

柳澤 健 (著)
価格:880円 50%ポイント還元
★★★★* 29件のレビュー

1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。※電子版には文庫版に収録されているアントニオ猪木インタビューは収録されておりません。

1984年のUWF

柳澤 健 (著)
価格:1,500円 50%ポイント還元
★★★*☆ 38件のレビュー

現在のプロレスや格闘技にまで多大な影響を及ぼしているUWF。新日本プロレスのクーデターをきっかけに、復讐に燃えたアントニオ猪木のマネージャー新間寿が1984年に立ち上げた団体だ。(……)彼らは何を夢見て、何を目指したのか。果たしてUWFとは何だったのか。この作品にタブーはない。筆者の「覚悟」がこの作品を間違いなく骨太なものにしている。「Number」に連載され話題となったUWF物語が一冊に!

一時期の低迷を脱して新日本プロレスが今ブームのようです。世代交代が進んで新たなスターが登場し、「プ女子」なる女性ファンが大会場を沸かせているとか。

しかし、以前は、日本プロレス界はとにかく「アントニオ猪木」という呪縛にとらわれていました。「プロレスこそ最強の格闘技である」という猪木思想は多くの熱狂的ファンを生み出しましたが、本来的に八百長である(勝敗は決まっていて、大きなけがをしないような配慮をしながら技をかけあう)プロレスと、そこは見ないふりをして報道するプロレスマスコミの実態は大きなひずみが生じていました(そこがまたおもしろかったわけでもありますが)。

著者の柳澤健は、「1976年のアントニオ猪木」において、プロレスマスコミからは一線を画した視点で、「プロレスは基本的に結末の決まったショーである」前提から、「その上でアントニオ猪木がガチ(真剣勝負)をした1976年の三つの試合」にスポットを当て、猪木幻想への決着を試みます。

いやあ、面白い。これはまさに、「プロレスなんて」と思っている方にとっても面白いし、かつて猪木ファンだった方にも総括となる刺激的な内容です。

そして出たばかりの最新刊「1984年のUWF」も50パーセント還元。アントニオ猪木に背を向けながら、「プロレスこそ最強」という猪木テーゼを主張し続けた伝説の団体、UWFとは何だったのかを、これまた今まで語られ続けてきた「前田日明史観」をすべて取っ払って新しい視点から総括します。オープニングの視点人物はまさに意外なもので、一気に引き込まれました。

この二冊を続けて読むと、アントニオ猪木のプロレス最強思想→UWFによる最強表現→完全リアルファイトの総合格闘技の出現と隆盛というのが一つの線として見事に浮き出てきます。おすすめです!!

時代劇専門ライターが見た東映の隆盛と衰退の大河ドラマ

あかんやつら 東映京都撮影所血風録

春日太一 (著)
価格:1,099円 50%ポイント還元
★★★★* 27件のレビュー

ヤクザとチャンバラ。熱き映画馬鹿たちの群像――型破りな錦之介の時代劇から、警察もヤクザも巻き込んだ「仁義なき戦い」撮影まで。東映の伝説秘話を徹底取材したノンフィクション。(……)破天荒な映画人たちの歴史がある。破格のスター・中村錦之助、鬼と呼ばれた製作者・岡田茂、「緋牡丹博徒」藤純子の心意気、照明。殺陣師ら裏方の職人たち――。エロとヤクザとチャンバラと。熱き映画馬鹿たちを活写した決定版ノンフィクション。

鬼才 五社英雄の生涯

春日太一 (著)
価格:950円 50%ポイント還元
★★★★* 11件のレビュー

『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』『陽揮楼』『吉原炎上』『三匹の侍』『人斬り』……極彩色のエンターテイナー、映画監督・五社英雄。(……)稀代の“ホラッチョ”五社の証言は、背中の彫り物ひとつをとっても同じ人物のものとは思えないほどときにブレる。どこまでが真実でどこからが嘘なのか? これは、全身エンターテイナー──「人を喜ばせる」ことに生涯をかけた男の、ハッタリ上等、虚々実々の物語である。

著者は1977年生まれと若いのに、時代劇専門ライターとして素晴らしい働きをしています。すでに多数著作がありますが、この「あかんやつら」が特にすごい。熱すぎます。

「時代劇」という観点から少し俯瞰して、東映という映画会社の、それこそローマ帝国の歴史ものを読むような、隆盛と衰退の大河ドラマが語られます。

スタッフも、俳優も、そして社長も重役もとにかくトンパチ。今だったら超ブラックで完全アウトな企業の作り出す熱気は、作品にも異常な迫力を与え、それがまた会社にもフィードバックし、「熱気と狂気のあかんインフレ」と化します(笑)。「撮影で警官から本物の銃を借りた」とかあかんすぎます!!

そして独特の美意識と過剰な演出、それが私生活にまで入り込んでついには全身に入れ墨までしてしまい、銃刀法違反で逮捕されるなど、これまたあかんすぎる映画監督五社英雄のその壮絶な人生を描いた「鬼才 五社英雄の生涯」も50パーセントバックです! 

実はこの著者は「天才 勝新太郎」も最高に面白いのですが、そちらはKindle版がありません。紙の本でぜひ読んでください!

歴史に残る超絶傑作ノンフィクションジャーナリストが徹底した調査本

「南京事件」を調査せよ

清水潔 (著)
価格:1,300円
★★★*☆ 71件のレビュー

戦後70周年企画として、調査報道のプロに下されたミッションは、77年前に起きた「事件」取材だった。「知ろうとしないことは罪」――心の声に導かれ東へ西へと取材に走りまわるが、いつしか戦前・戦中の日本と、安保法制に揺れる「現在」がリンクし始める……。数々の賞を受賞してきた伝説の事件記者が挑んだ心境地。「本書は、戦争をほとんど知らなかった事件記者が、ひたすら調べ続けて書いたものだ。だからこそ、戦争を知らぬ人に読んで欲しいと願っている。(「まえがき」より)」

清水潔といえば、あの歴史に残る超絶傑作ノンフィクション「殺人犯はそこにいる」の著者。「桶川ストーカー事件 遺言」もそうでしたが、とにかく「一番小さな声を聴く」をモットーとした徹底した取材で警察の捜査をも凌駕する、調査報道の鬼です。

そのジャーナリストが、なんと南京事件に挑む。南京事件といえば、「虐殺はあった」「いやなかった」「あったけど被害は微々たるもの」「いや、三十万人死んだ」とか、イデオロギー的な側面もあって専門家の間でも結論の出ない歴史上の難物。

そこに清水潔が切り込みました。その方法は、これまでと同じ、シンプルにして骨太で、そして正しい手法。つまり、可能な限り多くの一次資料を読み漁り、まだ生きている証人に話を聞く。当然ながら、そこから導き出される結論は、説得力があり、邪魔な思想など入り込む余地がありません。というか、なぜ今の今までこういったまともな手法がとられなかったのか、不思議でなりません。

これはおススメ。「殺人犯はそこにいる」もぜひ読んでください!

今や世間からはすっかり忘れられている二大事件を読み解く

捏造の科学者 STAP細胞事件

須田桃子 (著)
価格:1,699円 50%ポイント還元
★★★☆☆ 187件のレビュー

第46回大宅壮一ノンフィクション賞 書籍部門 受賞! 誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか? このままの幕引きは科学ジャーナリズムの敗北だ。(……)若き女性科学者・小保方晴子氏。発見の興奮とフィーバーに酔っていた取材班に、疑問がひとつ、またひとつ増えていく。「科学史に残るスキャンダルになる」――STAP細胞報道をリードし続けた毎日新聞科学環境部。その中心となった女性科学記者が事件の深層を書き下ろした!

ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

神山典士 (著)
価格:1,300円 50%ポイント還元
★★★★☆ 26件のレビュー

稀代のペテン師・佐村河内守の虚飾の真相! 18年間、ゴーストライターを務めた新垣隆の懺悔告白によって暴かれた、何重にも嘘に塗り固められた佐村河内守の虚飾の姿。二人の共犯関係はなぜ成立し、誰もが騙され続けたのか――。(……)週刊文春が告発した佐村河内守のゴーストライター事件の全貌。第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞。

「今や世間からはすっかり忘れられている二大事件」ですね(笑)。

逆に今読むことで、客観的な視点が持てるでしょう。また両作品とも、流行っているときに促成栽培で作られた本ではなく、綿密な取材でしっかりと作りこまれた実に骨太な作品です。つまり、世間の流行に左右されない普遍性があります。

「捏造の科学者」はその後出た小保方さんの「あの日」と、「ペテン師と天才」は佐村河内氏に密着した森達也監督によるドキュメンタリー映画「FAKE」と併せて見るとより一層楽しめるでしょう。

漫画家・東海林さだおのエッセイ3部作

ショージ君のにっぽん拝見

東海林 さだお (著)
価格:479円 50%ポイント還元
★★★★★ 1件のレビュー

ストリップに身をわななかすかと思えば、エサのない針を悠然と海に垂らし、美人がいるときけば秋田くんだりまで飛んで行く。またある時は碩学岡潔センセイの前に端座して頭をたれ、チリ紙交換の車に同乗して「毎度おなじみ……」をやり、はたまた競輪学校へ入学し(……)当代人気漫画家・東海林さだおの身を挺しての爆笑ルポ。名作『助けてください』も収録。

ショージ君のぐうたら旅行

東海林 さだお (著)
価格:479円 50%ポイント還元
★★★★★ 1件のレビュー

いつのまにか旅から哀愁とロマンが失われ、ただ騒々しい団体さんの移動となり下ってしまった。これではあんまり旅が可哀そうだ。このような世の風潮を嘆きつつ、ショージ君がホンバモノの旅を求めて、日本最北端の地で涙と鼻水をたらし、信濃路でタヌキ汁を賞味し(……)五木寛之センパイに金沢を案内してもらうショージ君の抱腹絶倒の旅。

ショージ君の青春記

東海林 さだお (著)
価格:469円 49%ポイント還元
★★★★★ 8件のレビュー

妄想といっては哀しく、純粋というには怪しすぎる初恋をした高校時代。一年浪人の末、九つの学部を受験して、めでたく早稲田大学露文科ダケに合格。さあ女のコにモテるぞ、と張切るが現実はきびしい。青春と恋とはギョーザとニンニクの如くセットのはずなのに、実にグヤジイ(……)プロを目指した辛い売込み時代などを回想する漫画チックな放浪記。ショージ君の原点がここにある。

最後にエッセイを。

東海林さだおはもともと漫画家ですが、とにかく抜群に文章が面白くて上手なのです。特にこの初期の三作は1970年代に書かれ、さすがにネタは古いものの、しかし面白さはまるで古びていません。軽妙な語り口に、時に妙に文学的な例え、そして何よりショージ君特有のひがみとねたみ(笑)。

特に「青春記」は笑いの中にも切なさ、希望があって、青春文学としても秀逸なものとなっています。ケス・ノングはもう何回読み返したか。ショージ君が下宿して初めて作ったカレーに対して謳いあげられた「肉だらけのカレーを讃える歌」は今でも暗唱できるくらいです(笑)。ああ、肉だらけのカレー。

この三作、いまでは紙本は絶版でKindle版のみとなっています。50%還元の今こそ買いです!!

以上、文春のノンフィクションのおススメでした。いやあ、これ以外にもいくらでもおススメできるなあ。きんどうさんさえよければ続編書きたいところです。まあGWセールなんて言っても、書店員にGWはありませんけどね! では仕事に行ってきます!

この記事を書いた人:ケス・ノング

某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。

Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。

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【本宣】すべての人に読んで欲しい『今日から第二の患者さん』kindle配信スタート

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はじめまして、こんにちは。小学館ヒバナ編集部の中西と申します。5月12日『 今日から第二の患者さん がん患者家族のお役立ちマニュアル』がkindle配信となりましたので、本作の魅力を力いっぱいご紹介させていただきます!

【ここでCMです】pixivコミックで約200万PVの話題作、本日12日発売です

今日から第二の患者さん がん患者家族のお役立ちマニュアル

青鹿ユウ (著)
価格:899円

漫画家のユウは入籍前日、 婚約者・オット君(仮)から 大腸がんを告白され、看病することに。(……)患者家族の「あるある!」な お悩みに寄り添いつつ、 すぐに役立つ解決策を提案! あなたや家族が まだ病気じゃなくても、 いざという時ためになる! お役立ち実録コミック登場!!

婚約者は30代、働き盛りの人気漫画家。入籍前夜、大腸がんを宣告されました。

新人漫画家のユウは入籍前日、婚約者で人気漫画家のオット君(仮)から大腸がんを告白され、看病することに! しかし彼女は看病生活の疲れやとまどい、周囲の人々の叱咤激励の言葉にも振り回され、身も心もヘトヘトになってしまいます。そんな時に彼女がたどり着いた言葉「第二の患者」とは一体…!?

【第二の患者】ってそもそも何?

タイトルに入っている見慣れない言葉。そう、【第二の患者】という言葉です。みなさんは、この言葉を聞いたことはありますか? 私は、恥ずかしながら、この連載を担当するまで知りませんでした。

がん患者の家族は看病の不安やストレスで悩まされ、その心の負担は患者と同じかそれ以上と言われています。

患者同様、ケアされるべき二番目の患者であるという考え方からできた言葉、それが【第二の患者】なのです

……でも、普通はこう思うはずです。

「一番ツライのは患者」と。


私もこの連載を担当し、【第二の患者】当事者である作者・青鹿ユウ氏と話し合うまで、そう思っていました。しかも、【第二の患者】である人にも、そう言ってしまったことがあったかもしれません……。

もちろん、急な病気で入院したり、手術をしたり、これまでの生活が大きく変わってしまう患者本人がツライことに変わりはありません。

ですが、その患者をつきっきりで看病したり、患者の気持ちをケアしたり、患者に代わってお金や保険、公的保障の煩わしい手続きを一手に担う患者家族だって、患者と同じくらい、ツライんです

今まで語られることがなかった患者家族のツラさやモヤモヤ、患者とのコミュニケーションの難しさ、周囲の人々との適切な距離感…などを赤裸々に描き出し、pixivコミックで連載スタートしたところたちまち大反響! 200万に迫るPVを獲得しました。

男性でも、まだ若くても…。あなたも他人事じゃない? 

こちらの「きんどう」さんを読まれているのは比較的若い男性が多いと思います。

看病する人が【第二の患者】と呼ばれているからって、それが何?

まだ若いし、男だし……。自分には、関係ない。 

そう思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ご自身の健康に自信がある方でも、配偶者やパートナーが大きな病気になるかもしれません。ご自身のご友人が病気になったり、家族を看病しているかもしれません。何より、私達の親世代は今、続々と大病を患いやすい年齢を迎えているのです…!

つまり、人生において運よく【患者】にならなくても、【第二の患者】になることは、かなり高い確率で起こるのです。

本書はそんな【第二の患者】となってしまった時、苦しみに寄り添いつつも、すぐに使える解決策を提示するお役立ち看病マニュアルです!

本書は保険や公的保障など、病気になった時知っていると役立つお金の話や患者との治療中の適切なコミュニケーションの仕方など、実践的な内容も網羅しており、いざという時ためになる作品となっておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

青鹿ユウ氏&「オット君」氏からのメッセージ

本作の著者で【第二の患者】の青鹿ユウ氏と、【患者】のオット君から「きんどう」の読者の皆さまにメッセージをいただきました! 実はこの「オット君」…『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』や『不能犯』作画でおなじみの神崎裕也氏。本作では、あとがき漫画をご寄稿いただいています。

青鹿ユウ氏のメッセージ

看病を経験してみて思ったのは「第二の患者」という概念はがんだけでなく
すべての病気の看護、介護等にもいえることだなぁ…思いました。
この漫画が少しでも誰かのお役にたてればとても嬉しいです!

神崎裕也氏(オット君)のメッセージ

病気の当事者も大変だけど、そばに寄り添ってくれる人も大変なんだなぁとこの漫画を読んで勉強になったり反省したり…! 健康って大事ですよね。これからも二人、健康第一で漫画頑張ります!

今日から第二の患者さん がん患者家族のお役立ちマニュアル

青鹿ユウ (著)
価格:899円

漫画家のユウは入籍前日、 婚約者・オット君(仮)から 大腸がんを告白され、看病することに。(……)患者家族の「あるある!」な お悩みに寄り添いつつ、 すぐに役立つ解決策を提案! あなたや家族が まだ病気じゃなくても、 いざという時ためになる! お役立ち実録コミック登場!!

pixivコミックでお試し読み三話まで掲載中です!

https://comic.pixiv.net/works/2636

あわせてどうぞ!ドラマ化もされました『ウロボロス』最終24巻配信中です

ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ― 24巻(完)

神崎裕也 (著)
価格:529円 10%ポイント還元
★★★★★ 5件のレビュー

「復讐」を終えたイクオと竜哉が向かった先は結子先生が眠る場所・式ノ浦島。そこで束の間の休息を迎える二人の前に現れたのは日比野美月だった。かつての相棒にして最愛の女性が、イクオの前に最後にして最大の敵として立ち塞がる…! 7年にも及ぶ大人気連載が遂に完結! 涙なくして読めない有終の第24巻!

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【本宣】全世界3,500万部突破のミステリーから、巨匠絶賛のSFスリラーまで海外小説レーベル『ハーパーBOOKS』

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皆さまこんにちは。ハーパーコリンズ・ジャパン電子担当です。現在AmazonKindleにて実施中の ハーパーBOOKS作品50%OFFセールについてお知らせします。

ハーパーBOOKSレーベルは、欧米の本格ミステリやファンタジー、エンタメ&文芸小説まで、世界のベストセラーを選りすぐってお届けする翻訳小説レーベルです。

ただ、まだ日本で創刊されて間もないレーベルで、海外小説ファンの方以外にも私たちのことを知ってほしい!と感じています。そこで、思い切って5月18日までKindle50%OFFセール&試し読み無料本配布を決行しました。

もちろん、対象すべてオススメですが、なかでも世界累計3500万部の新ミステリーの女王『カリン・スローター』や、スリラーの巨匠 スティーヴン・キングも絶賛した『マイケル・グラント』など、この機会に是非と思うハーパーBOOKSのイチオシ著者&作品を皆さまにご紹介いたします。

→ セールは終了しています

ハーパーBOOKSタイトルセールより、是非注目いただきたい作品紹介

猟奇・イヤミス好き必見! 新ミステリーの女王カリン・スローター

プリティ・ガールズ 上

カリン スローター (著), 堤 朝子 (翻訳)
価格:432円 50%OFF
★★★★☆ 2件のレビュー

成功した夫と美貌に恵まれ、なに不自由ない生活を送っていたクレア。だが、ある日暴漢に夫を殺されたことから、彼女の人生は暗転する。葬儀中、自宅に強盗に入られたクレアは、刑事に加えFBI捜査官が事情聴取に現れたことを不審に思い、夫のパソコンを調べ始める。そこで見つけたのは複数の不審な動画ファイル。それは若い女性が拷問され、犯されて惨殺される猟奇ポルノだった…。

ハンティング 上

カリン・スローター (著), 鈴木美朋 (翻訳)
価格:432円 50%OFF
★★★★☆ 1件のレビュー

田舎道にふらりと現れ、車に轢かれたという意識不明の女性がERに運び込まれた。全裸の女性の体には拘束され、拷問されたような傷が無数に走り、奇怪なことに肋骨が1本もぎ取られていた。ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは事故現場に急行。森の奥深くでおぞましい拷問部屋を見つける。地中深くに掘られた不気味な穴の中は血に染まり、死臭に満ちていた―。

世界累計3500万部、本国アメリカを始め世界各国のベストセラー入りを誇る新ミステリーの女王

女同士でのマウンティングや、残虐極まる猟奇なレイプ殺人など、人間の闇をこれでもかと暴き出す容赦のない書きっぷりと、巧妙に仕掛けられた罠の数々で最後まで読者を離しません。

イヤミス好きの方はぜひカリン・スローターをお読みになってください!

巨匠スティーヴン・キング絶賛 マイケル・グラント『GONE』シリーズ

GONE ゴーン 上

マイケル グラント (著), 片桐 恵理子 (翻訳)
価格:378円 54%OFF
★★★*☆ 5件のレビュー

授業中、教室から先生が消えた。忽然と。サムたち生徒は騒然となるが、やがて、消えたのは町じゅうの大人―15歳以上の人間全員だとわかる。両親の姿も見えず、携帯電話もテレビも繋がらず、途方に暮れる少年少女たち。異様な混乱の中、サムは親友のクインらとともに、町のはずれまで行ってみることに。そこで彼らが見たものは…。巨匠スティーヴン・キング絶賛のSFスリラー、ついに日本上陸。

まさにページをめくる手がとまらない面白さ! 15歳以上が突然消滅し、子供達だけしかいなくなった世界は徐々に秩序を失い、不信や抗争、階級社会、そしてシリーズ最新刊ではついに『教祖』まで登場します。

片桐恵理子さんのスピード感ある訳文、影山徹さんの壮大な装画にもご注目ください

にゃんとも癒される猫目線の物語

通い猫アルフィーの奇跡

レイチェル ウェルズ (著), 中西 和美 (翻訳)
価格:432円 50%OFF
★★★★★ 26件のレビュー

飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、そこで“通い猫”として生きようと決める。だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、デートDV被害者―そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇跡を起こす!?全英絶賛、ハートフル猫物語。

主人公の猫、アルフィーの一人称で語られるハートフル猫物語。

老婦人に甘やかされ“膝乗り猫”としてぬくぬく暮らしてきたアルフィーが、ある日ご主人さまの死によってのら猫になってしまい、流れ着いた住宅街の住人との交流を通して、みんなに愛される“通い猫”になろうと奮闘するお話です

喜ばれると信じてねずみの死骸を献上してどや顔のアルフィーや、悲しむ女性をなぐさめられなくて一緒にしょんぼりするアルフィーが愛しいです。

喰うか食われるか!? モラハラ夫との頭脳戦!

完璧な家

B・A・パリス (著), 富永和子 (翻訳)
価格:432円 50%OFF

全英100万部のベストセラー!結婚した男は、悪魔(モンスター)でした。誰もが羨む理想の家が、牢獄だったら――戦慄サイコ・サスペンス。 郊外の豪華な邸宅で暮らすグレース。ハンサムで優しい夫にも愛され、人は彼女を“すべてを手にした幸運な女”と羨む。 (……)理想の夫婦の裏の顔とは!? 発売後またたく間に話題沸騰、英国で100万部突破! 最後の1行まで目が離せない、サイコ・サスペンス。

主人公は裕福で容姿端麗、品行方正とまさに完璧夫婦なジャックとグレース。どこに行くにも一緒の仲睦まじい二人は周囲の憧れの的なのですが、実は妻グレースが夫の監視下に置かれ、完璧に見える家の中で囚人生活を強いられているとは誰一人知らず…!?

背筋にぞわっとくる心理的な怖さと、先が読めない展開、暴力的なシーンはありませんが、夫の狂気にやっと気づき、彼のもとから逃げ出そうと決意した彼女の、モラハラ男との頭脳戦に最後の1行まで目が離せません


皆さまの気になる1冊はありましたか??

5月18日までのセール期間中には、ご紹介した作品以外にもハーパーBOOKSイチオシ作品を一律50%OFFで販売いたします。

知らない作家には手を伸ばしにくい…と言う方も、無料試し読み増量版のご用意がございますので、まずはじっくり読んでみてくださいね。(セールは木曜までなのでご注意を!)

皆さまの素敵な読書ライフに、ハーパーBOOKSがお役に立てますように・・・!

あわせてどうぞ、今だけ50%OFFセールのハーパーブックス作品

毒見師イレーナ

マリア・V スナイダー (著), 渡辺 由佳里 (翻訳)
価格:486円 50%OFF
★★★★* 24件のレビュー

ある殺人を犯した罪で死刑囚となった少女イレーナ。ついに絞首台へと送られる日を迎えるも、そこで思わぬ選択肢を与えられる――今すぐ絞首刑か、それとも、国の最高司令官の毒見役になるか。だが毒見役を選んだイレーナを待ち受けていたのは、逃走防止の猛毒だった。かくして少女は毎日与えられる解毒剤なしには生きられぬ身体に。わずかな生きる希望に賭け壮絶な日々に立ち向かうが……。

レッド・クイーン

ヴィクトリア・エイヴヤード (著), 清原 紘 (イラスト), 田内志文 (翻訳)
価格:486円 50%OFF
★★*☆☆ 3件のレビュー

貧しい村で家族と暮らす少女メアは、ある日、不思議な力に目覚める。それは奴隷階級の“レッド”が決して持つはずのない、支配階級“シルバー”の力だった。メアは王家に直ちに捕らえられ(……)“行方不明になっていたシルバーの王女”に仕立て上げられてしまう。宮殿で待ち受ける謀略と裏切り、冷酷な国王と二人の王子―果たしてメアの運命は。

キャンペーンは5月18日まで


【5月18日まで】 ハーパーBOOKSタイトル 無料試し読み&50%OFF

番組宣伝ならぬ【本宣】面白い企画や紹介記事を無料で載せます

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【本宣】 2年半ぶりの新刊!大人のムズキュン漫画『白衣のカノジョ』最終6巻配信+1・2巻お試し無料キャンペーン

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はじめまして。漫画家の日坂水柯(ヒサカ ミカ)です。

この度は集英社『グランドジャンプweb』で連載終了+そして本日5月19日に 最新6巻(完結)が発売された「白衣のカノジョ」の宣伝にやってまいりました。

2年半ぶりの新刊(最終巻)発売!です。そして、6巻(完結)発売に合わせてAmazonKindleで1巻2巻が6月1日まで期間限定無料となっています。

『白衣のカノジョ』は流行りの云い方だと「オトナのムズキュンラブストーリー」(担当編集氏談)でしょうか。やることしっかりヤってるのに、ムズキュン…て! まったく訳が解らないですね。ていうかネタバレせずに説明するのってものすごくまどろっこしいしもどかしいですね…!基本、大人男女のイチャコラ漫画かと。

読んだ後、ヨメや恋人と(いてもいなくても)イチャイチャしたくなる漫画」(読者談)だそうですよ。ありがたいです。

『白衣のカノジョ』完結。1・2巻無料試し読みキャンペーン

白衣のカノジョ【期間限定無料】 1

日坂水柯 (著)
価格:0円 6月1日まで期間限定無料

職場の同僚である理科教師の桑原と、養護教諭の支倉。同じアパートの一階と二階に住むふたりは、誰にも知られないよう、ひそやかに恋を育んでいる。学校で、自宅で、お互いを思って静かに心を燃やしながら。…でも、あと一歩が近づけない。あとはカラダを、重ね合わせるだけなのに………

白衣のカノジョ【期間限定無料】 2

日坂水柯 (著)
6月1日まで期間限定無料

誰にも知られず、ひそやかに始まった桑原と支倉ふたりの恋──お互いを思っているのに、どうにもうまく伝わらない。そんなふたりが、ついにむかえた約束の日…。突然の展開に戸惑う支倉…。近づくたび、ますます解らなくなっていく。愛しいと感じるのに、なかなか相手には届かない。心は、カラダは、お互いを求めているのにふたりの距離は、近くて遠くて──

『白衣のカノジョ』はこんなマンガです

ーーーーとまあ、

主人公の養護教諭・支倉が酔って寝ぼけてひとりで始めちゃったのを同じアパートに住む同僚の理科教師・桑原に見られてしまうところから物語は始まります。

どうにも気まずいです。ええ。(著者的には1巻当時の絵がものすごく昔過ぎてかなり気まずいです。)

ただの同僚のはずが、この出来事によりお互いを意識せざるおえなくなってしまいます。職場恋愛禁止の状況の中、ふたりは一体どうなっていくのか…?

…とか記しておきながら、1巻はもとより2巻なんかあんなことやこんなことしちゃってます…このふたり、つきあってもないのに…え? つきあってもないのに?

…そ、そんなことまで??

みたいなこともしちゃってます。しまくりです。大人ですから。ええ。

正直この「白衣のカノジョ」、読む人を選ぶ作品だと思います。しかし、まずは1巻→2巻と読んで、面白かった!となったら、その気持ちは3巻以降、6巻(完結)まで裏切らないと思います。

最後まで楽しんで頂けたら、著者として、この上なく幸いです。

日坂水柯( @hisaka_mika

「白衣のカノジョ」作品紹介:http://grandjump.shueisha.co.jp/manga/hakui.html
著者ブログ:http://blog.goo.ne.jp/mrnsk

カラーページも収録した最終6巻は本日5月19日Kindle配信

白衣のカノジョ 6

日坂水柯 (著)
価格:500円

【デジタル版限定!「グランドジャンプWEB」掲載時のカラーページを完全収録!!】恋愛禁止の職場で出会いながら、ついに結婚を決めたふたり。体を重ねるたびに「好き」と云う桑原に、照れてなかなか「好き」と云えない支倉。そんなふたりを取り巻く状況も、次第に移り変わってゆく――。出会った頃のふたり、不器用ながら最初の一歩を踏み出す、そんな彼らのエピソード0も収録した切なくもどかしい大人の恋愛物語、最終巻。

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【本宣】神野オキナが新作発売にあわせて『日常を追われた』がテーマの作品について語る

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こんにちは、ライトノベル作家の神野オキナです。本日5月26日にKindle版が発売されました「EXMOD2〜黒ノ追撃者〜(以下EXMOD2)」の宣伝をしつつ、この作品を書くに当たって影響を受けた作品群のお話をします。

前作「EXMOD〜思春期ノ能力者(以下EXMOD)」は「日常生活を送る少年少女がある事件をきっかけに超能力を得て、非日常の世界に関わっていく」という古典的ジュブナイルの手法をとったものでした。

擬似的な姉弟であると同時に、少年を子供として、姉ふたりが両親を兼ねるという疑似家族的関係でもあった、優秀な姉のような少女ふたりと、弟のような少年の関係が、事故とそれに伴って降りかかる苦難の中で少しずつ変化を遂げ、才能に恵まれた姉ふたりは男性として少年を見つめ直し、無邪気に姉として少女たちを慕っていた少年は、「姉のように」思う事で目を背けていた、そして同時に過去からわだかまっていた自分の中の思いと向き合う、というものがお話の骨子です。

というわけですから、一作目の「EXMOD」は学園の中でほぼお話が終止し、後半でようやく東京近郊にある「海ほたる」へ話が移動して決着し、彼らは変わってしまった新しい日常へ戻る、というラストになっています。

EXMOD 思春期ノ能力者 (ガガガ文庫)

神野オキナ (著), こぞう (イラスト)
価格:680円
★★★☆☆ 1件のレビュー

高校一年生の真之斗は、ある朝、姉弟同然に育ってきた双子の姉妹・世衣と亜世砂とともに凄惨な電車事故に巻き込まれた―。三か月後、補助器具なしでは歩けなかった亜世砂は脚力を、姉の世衣は失われていた絶対音感を取り戻す(……)そこには真之斗たちの事故現場でも目撃された「白いコートの少年」の姿があった…。超能力に目覚めた少年少女たちの戸惑いと葛藤、そして戦いを描く青春SF長編!

EXMOD 2 黒ノ追撃者 (ガガガ文庫)

神野オキナ (著), こぞう (イラスト)
価格:680円

朝、ベッドの中で目覚めた真之斗の隣には裸の世衣がいる。二人は長い長い大人のキスを交わす……。「海ほたる」を舞台とした「F」こと山崎四郎との戦いの最中、世衣から愛を告白された真之斗はそれを受け入れた(……)必死の抵抗を試みた真之斗だったが、敵の情け容赦のない攻勢に、ついに世衣がさらわれてしまう……。少年少女たちの過酷な戦いを描く青春SF第2弾!

今作の「EXMOD2」は打って変わって、日常と非日常を行き来するのが当たり前になった三人の描写から始まります。彼らの関係は1作目の中で決定的に変わり、ひとりの少女は少年の「姉」から「恋人」へと立場を変えてしまっています。

お互いぎこちないながら、互いを思いやる姿が前半の注目点です。色々サービスシーンもご用意しております(笑)

そして今回は最初から超常能力者同士のバトルシーンからはじまります。前作通りの日常「も」ありますが、彼らは前作のラストで日常と非日常のラインを「踏み越える」選択をしたのですから。「非日常」というのは平和な日本の中で自ら何かと戦うことを意味します。

その戦いは同じ能力者同士のものだけでなく、国家間という更に大きなステージの中に進み出て行かざるを得ない、ということとイコール。かくして、主人公である霧山真之斗と小日向世衣、亜世砂の三人は、アメリカが誇る最強の特殊部隊「アイヴァンホー」と対決し、追いつ追われつの大攻防戦を繰り広げることになります。

同時に前作から続く「日常」の残滓として、ひとりだけ「姉」のままでいさせられた——あるいはいるはめになってしまった少女の物語が、華やかなシンフォニーを支える低音のように、この「EXMOD2」の中に流れています。これまで私の作品を読んできた人は驚くと思います。EXMOD2は、私の作品の中ではかなり珍しい部類に入る「二本目」になりました。

これまでの私の作品、ヒットした「あそびにいくヨ!」も「疾走れ、撃て!」も主人公とその周囲のリアリティのレベルは、一巻が終わるまでに全て提示され、以後は場所が移動したり規模が拡大するだけで、主人公自身の立ち位置はあまり変わりません。

一作目と二作目でここまで主人公達の立ち位置が変化する、ということはこれまでやったことがありませんでした。有り難い事に、ガガ文庫編集部からは一巻が刊行されたすぐ後に「二作目を」とのご依頼があったので、「この作品なら」とやってみました。

お手本にしたのは平井和正先生の「ウルフガイ」シリーズ、中でもヤングウルフガイ、と呼ばれる狼男の少年、犬神明の登場する「狼の紋章」に始まるシリーズです。

狼の紋章 ウルフガイ

平井和正 (著)
価格:500円 Unlimited読み放題
★★★★* 6件のレビュー

日本SF史上の金字塔、“ウルフガイ”が、電子書籍で登場! 巨匠・平井和正が1971年に発表するや爆発的なベストセラーを記録し、後の小説、コミック、アニメ、ゲームなど日本のエンターテインメント界に絶大な影響をもたらした伝説のストーリー。

一作目こそ学園を舞台に「狼男ではないか」とされる少年、犬神明が最後の最後に命がけである女性を救うという物語で、お話は学園の中に巣くう暴力にのみ終止しますが、二作目の「狼の怨歌」以後は、彼の存在に気付いたCIAや中国情報部などが、犬神明を追って暗闘を繰り広げていく、というもの。

お話はよりダイナミックになり、有色人種を滅ぼそうとする白人至上主義者の無意識的な資本家、政治家集団(これを70年代後半の時点で考えついたんですから平井先生は凄いです……というかこの作品が最初期にこういう組織を仇役に据えたものの一つなのですが)の陰謀へと繋がり、20年近い中断期を経て再開した「黄金の少女」から先はもう一つの代表作、「幻魔大戦」に匹敵するような壮大な物語に繋がって、最終章「犬神明」で完結するわけですが。

私が目指したのは、やはり高校時代に巡り会った「狼のレクイエム」までのヤングウルフガイを読んでいた時の高揚感でした。

そのころ「きっとこうなるんじゃないか、ああなるんじゃないか」と妄想したころを思い出しながら描いたのがEXMOD2になります。と、同時にもう一作品、この2作目を書くに当たって参考にした作品があります。

岡崎つぐお先生の「ジャスティ」です。

ジャスティ ~ESPERS LEGEND~ (1)

岡崎つぐお (著)
価格:324円 Unlimited読み放題
★★★★* 6件のレビュー

凄まじい超能力を持つエスパーのジャスティ・カイザードが、凶悪な犯罪超人(クリミナル・エスパー)を倒していく活躍を描いた伝説のSFアクション。転校生・神名代純(かみなだい・じゅん)が気になる女学生・美子(みこ)は、体育館で犯罪超人・ペリアが覚醒させたビルファ原人に襲われる。そこへ現れた神名代は、ジャスティへ変身してビルファ原人を一撃で倒すが、ペリアに美子を人質に取られてしまい……!?

時は未来、銀河系連盟の平和を維持する超能力者エージェント「ジャスティ」の活躍を描くこの作品は、銀河系最強の超能力を持ちながら繊細で優しい主人公・ジャスティと、彼を支える姉代わりの女性との心の交流が中盤から後半の主軸になっていきます。

とある事件で深く傷ついたジャスティに対し、姉代わりだったジェルナが、長年秘めていた思いを打ち明けて……という展開は子供心に衝撃的でした。その先に待ち受けている運命の過酷さに震え、この切なさと艶も入れたいと考えました。

考えてみれば「ジャスティ」は石森章太郎(現在表記は石ノ森章太郎)先生の「JUN」シリーズ、横山光輝先生の「バビル二世」とその続編「その名は101」、聖悠木先生の「超人ロック」シリーズの流れにある「孤高の超能力少年」の系譜でしたね。

石ノ森章太郎先生の「JUN」は片目を隠して流浪する存在であり、横山光輝先生の「バビル二世」は冷酷非情な殺人マシンのように世界征服を企むヨミと対決し、これを倒した後「その名は101」で命がけで救った人類から追われる身となり、超人ロックは銀河最大のエスパーで不老不死故にまた時間の流れの中をさすらっていきます。

そしてジャスティもまた、ジェルナの面影を胸に銀河を駆け巡っていきます。彼らもまた、源義経を祖とする、一種の貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)なのかもしれません。義経といえば今連載を再開した北崎拓先生の「ますらお」はそんな孤高の義経の内面を描いた傑作だったりしますのでお薦めです。……話が脱線しました。

ますらお 秘本義経記 波弦、屋島(1)

北崎拓 (著)
価格:540円
★★★★★ 4件のレビュー

時は1184年、源九郎義経は平家軍を一の谷にて撃破。ここに希代の軍神はその名を日本に刻み付けた…そして歴史が導く次なる戦場の名は屋島!那須与一の過去とは…!?

そんなわけで、EXMODの主人公、霧山真之斗もまた、私なりの「孤高の超能力少年」として作られた側面があります。

もっとも、ただのノスタルジーだけで作品を作っても意味はありません。アクションに関しては常に「今」のものを取り入れなければ面白くないですしね。

今回はマーヴェルの超人系……キャプテン・アメリカやスパイダーマンのような、街中を舞台にした、生身の人間と超人、最新技術なら有り得そうな兵器が入り乱れる派手なアクションにしています。

特に今回頭の中にあったのは「キャプテンアメリカ・シビルウォー」の幕開け、アフリカ某国で戦うキャプテン・アメリカたちとテロリストのアクション、そしてある事件があったあと、旧友で元ウィンターソルジャーのバッキーの部屋に尋ねたキャップがドイツの特殊部隊GSG9と激しい戦闘を繰り広げながらアパートからビルの屋上へ流れていくあのあたりの派手だけれど「常人の十数倍(数十倍ではない、というのがミソです)の身体能力を備えた人々のリアリティが根底にあるアクションの面白さでした。

映像を文章に落とし込んで、なおかつさらに派手に……と欲張った色々欲張った作品になっています。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (字幕版) 2016

Amazonビデオ
価格:レンタル 100円 プレミアムフライデー記念28日までセール

世界の危機を救ってきたアベンジャーズが、国連の管理下に置かれることを巡り、激しく対立するアイアンマンとキャプテン・アメリカ。さらに、ウィーンで起こったテロ事件の犯人として、キャプテン・アメリカの旧友バッキーが指名手配された。それを機に、アベンジャーズはついに分裂する。(……)驚愕の結末とは・・・。マーベル・スタジオが贈るアクション超大作!

前作のアクション場面、超能力の発動部分でイメージしていたのは地味な少年が超能力を得て日常が……という青春もの、映画「クロニクル」と、70年代のNHK少年ドラマシリーズだったわけですから随分変わったでしょう?(笑)

一作目を読んだ方がなお面白いですが、あらすじさえ知っていれば二作目も独立して楽しめるようになっています、どうぞよろしくお買い上げの程を!

それでは、神野オキナでした。

第1巻もKindleストアで好評配信中です。

EXMOD 思春期ノ能力者

神野オキナ (著), こぞう (イラスト)
価格:680円
★★★☆☆ 1件のレビュー

3人の少年少女は、ある日超能力に目覚めた。 高校生の真之斗は、お隣の双子の姉妹・世衣、亜世砂と姉弟同然に育ってきた。ある日の朝、通学中に巻き込まれた「白いコートの少年」による凄惨な大事故で、3人の日常は一変してしまう(……)現場では宙に浮かぶ「白いコートの少年」が目撃されていた……。 突然の超能力に目覚めた少年少女たちの戸惑いと葛藤、そして戦いを描く青春SF長編!

この記事を書いた人:神野オキナ Twitter

1970年沖縄生まれ、在住 1995年別名義で作家活動を開始 1999年神野オキナに改名、「かがみのうた」でファミ通えんため大賞小説部門奨励賞を受賞
「かがみのうた」は後に「闇色の戦天使」に改題されてファミ通文庫で刊行(現在絶版、元タイトルに戻しての電子書籍化予定) ソノラマ文庫「南国戦隊シュレイオー」で初のコメディに挑戦(現在マイナビ文庫より電子書籍化)。

2003年MF文庫で「あそびにいくヨ!」第一巻刊行。以後、漫画化、アニメ化されて本編全20巻、外伝4巻の代表作となる。現在も精力的に活動中。
Amazon 神野オキナ 著者ページ

番宣ならぬ【本宣】企画を実施中です

きんどうでは2017年1月現在、Kindleで発売された新刊やセールをクリエイター本人、もしくは出版関係者から番組宣伝ならぬ本の宣伝を目的に『それにちなんだ面白いことをしてくれ』という企画をはじめています。詳しくはこちらをどうぞ 番宣ならぬ、本宣というコンセプトで作家・出版社の宣伝受付再開します

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【書評】解放・・・!就寝・・・!格安ビジネスホテル・・・!なぜ、こんなにも惹きつけられるのか『1日外出録ハンチョウ』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の2冊目。

"このマンガがすごい2017男性1位"にも輝いた『中間管理録トネガワ』 に続くカイジスピンオフシリーズ最新作『1日外出録ハンチョウ』第1巻のレビューをいただきました。

トネガワはサラリーマンの悲哀や管理職の生き様などが醍醐味でしたが、今作のテーマは『飯テロ』。もちろん、ただの飯テロではない、本当に…あらゆる手管で…飯を味わい尽くす…。

Kindle『1日外出録ハンチョウ』第1巻


現代を生きる私たちにとって有意義な1日を考えるためのバイブル

おはようございます、こんちには、こんばんは、初めまして!フェニルアラニン@FGO_phenylと申します。私が紹介するのは"1日外出録ハンチョウ"!!みんな大好き大槻班長が主役だよ!

・・・・・・・さてカイジ未読者の方々には誰だこの表紙の人、と思う方もいらっしゃると思いますが、ツイッターなどで漫画のワンシーンが流れてきたのを見たことがある方もいるのではないでしょうか?しかし改めて紹介したいと思います。

表紙のこのお方、大槻班長は大人気漫画カイジシリーズに登場する中ボス的存在のキャラクターなのですが、クセがかなり強い! 彼はタイトルの通り、負債により強制労働をさせられている債務者取り仕切る班長の地位にあるのですが、この地位を利用しチンチロで大金を稼いでいる猛者なのです。原作主人公カイジに対して時に(表面上)優しく、時にズル賢く大立ち回りを演じ、地の底へ落ちたカイジを苦しませていき、今作とはまた違った一面を見せてくれますよ。

こちらの方が気になった方は是非原作を一読して見てください・・・・・・ハマりますよ・・・・・・!

さて、今作ではカイジに打ちのめされたせいか、少し丸くなった班長が主役となりますがその内容はというと・・・・・・

飯テロ、そして1日限定の日常もの

この漫画のジャンルはいわゆる飯マンガいうやつなんですが、それだけにとどまらず班長の外出1日間を楽しむことができる一粒で二度美味しいオムニバス作品です

と言いつつも実際には班長の快適1日ライフを楽しむ漫画と言えるでしょう。自分も正直、飯の美味しそうな描写よりも班長の1日外出を満喫する様子を楽しんでいますね。ですので今回は主に班長のわずか1日の日常ものとして割り切って内容をご紹介していきます。

ですが、悪役の日常なんて面白そうに聞こえない、と思う人もいるかと思います。しかし、カイジの悪役の日常が面白いのはもう1つのスピンオフ作"中間管理録トネガワ"でも証明済み・・・・・・! そう、カイジの悪役たちはただ飯を喰らうだけでも面白いのだ・・・・・・

このマンガでは毎回、前述のチンチロで稼いだ大金によって大槻班長が地上に解放されるところから始まり、就寝・・・! 格安ビジネスホテル・・・! ここまでがテンプレとなっております。読み進めていくとなぜかここがツボになってしまいます笑

そして時には黒服とともに街を練り歩き、時には思い出の店に足を運んだりしてグルメを食べ歩いていくのですが、よくあるグルメ漫画と違い食欲をそそるようなシーンが盛りだくさんとは言えません。しかし食事の時の駆け引き、悪知恵は・・・・・・さすが班長・・・・・・! 圧倒的・・・・・・悪魔的発想・・・・・・!

ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、常人には思いつかないような班長のひらめきには笑いが止まりません。その悪魔的考えに思わず感心しニヤケてしまうでしょう。個人的にはハンチョウがドンキで遊び尽くしたり、食の好みが合いすぎる外出者と食べ歩く話が本当に面白いのでぜひ読んでもらいたい。

よく考えてみると班長が50万ペリカもの大金を払って買っているかけがえのない自由な1日は私たちにとってにとってありふれた1日で、十分実現可能な内容です。それなのになぜ私たちはそんな班長の1日に惹きつけられ羨ましいものに見えてしまうのでしょうか? これは休日に一日中ゴロゴロしてしまうような現代を生きる私たちにとって有意義な1日を考えるためのバイブル足りえると言えるでしょう

このような感じで紹介してきましたがこの作品、原作カイジを知る知らないに関わらずどんな方にも読んでほしい一作です・・・・・・! カイジはシリアスな雰囲気が好きなんだよなぁという人も、一生懸命に、そして適度に力を抜き1日飲んで食って大満喫する大槻班長にシリアス(な笑い)を感じることでしょう・・・・・・!

友情・努力・勝利といった派手なシーンはありませんがクスッとするシーンが随所に散りばめられ、飽きることはありません。ですが、毎回読者の予想の斜め上をいくオチにあなたもきっとハマってしまうはず!公式サイトなどで一話の試し読みも公開されているので一度読んでみればこの面白さが分かると思います。後悔はさせませんよ。まだ一巻しか発売していないのでここから追いつけるところも魅力です。

以上簡単な紹介にはなりましたがトネガワの魅力が少しでも伝われば幸いです。

AmazonKindle電子書籍で好評配信中です『1日外出録ハンチョウ』

1日外出録ハンチョウ(1)

福本伸行 (著), 萩原天晴 (著), 上原求 (著), 新井和也 (著)
価格:540円

地の獄…! 底の底…! 帝愛地下労働施設…! 劣悪な環境である地下にいながら「1日外出券」を使い、地上で贅の限りを尽くす男がいた…! その名は大槻…! E班・班長にして、1日を楽しみ尽くす匠…! 飲んで食って大満喫…! のたり楽しむ大槻を描く、飯テロ・スピンオフ第1巻‥!

*今回、書紹介のため本文内画像を複数引用しております。引用といえる範囲内での画像書籍画像を本文内に掲載しておりますが、著作権者の方から申し立て頂き次第すぐに削除等の対応をさせていただきます。

【続き】お二人目のレビュー @____nrh

きんどうが気になっている新刊レビューしてくれる方募集

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【書評】メシとエロは親戚みたいなものだから! 瀬口たかひろの新作グルメドラマ『漫画家接待ごはん』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の10冊目。

『オヤマ! 菊之助』『ゆりキャン』など"エロス"でおなじみ、瀬口たかひろさんが漫画家×編集×グルメを描く新作マンガ『漫画家接待ごはん』第1巻のご案内です。

角川さんは最近編集者問題でセンシティブな状況ではありますが、まあ編集者全員が全員というわけでもないですし、こういう付き合い方もあるよとベテランならではのメッセージかもしれないですな。

イタリアのことわざだったか(うろ覚え)で、『一緒にメシを食えないやつとは仕事ができない』というのがあって、その通りとは思うのでアマゾンさんメシ奢ってくれないかなぁ。


メシとエロは親戚みたいなものだから! 瀬口たかひろ『漫画家接待ごはん』

はじめまして。笹木(@sasa_cookie)です。普段はツイッターで漫画の感想をつぶやいたり、よみコミ!という漫画感想ブログの運営をしています。
 
今回紹介するのは月刊少年エースで連載中の『漫画家接待ごはん』。
漫画家とごはんって何か関係あるの?と一見思うのですが、用件によって食事の場所が変わったり、編集者との繋がりの場であったりと意外と密接な関係があって驚くことがたくさんありました。



作者の瀬口たかひろさんは代表作『オヤマ! 菊之助』で人気を博し、秋田書店や講談社、白泉社、KADOKAWA、スクウェア・エニックスで連載経験を持つなど幅広い出版社で活躍中の漫画家です。



今回KADOKAWAで発売された『漫画家接待ごはん』は、「架空の漫画家・濱ケンジが打合せと称して美味しいごはんの誘惑と戦う。」というのが基本路線ですが、作者の色んな出版社での経験を生かした話や、九州を活動の拠点とする作者ならではの話など漫画業界の裏話をまじえながら、美味しく・楽しく・面白くごはんを紹介しています。



これまでの「瀬口たかひろと言えばエロ!」というイメージとは少し離れた作者の新境地ともいえるグルメ漫画です。とはいえ過去作のファンという方はご安心下さい。メインがエロじゃないだけで女の子は相変わらず可愛いです。鯖江ちゃんのおっぱいに顔をうずめたいですね。

瀬口さんもツイッター上で「エロとメシは親戚みたいなものだから」とつぶやくようにそんなに普段と意識は変わらないのかも?
 さて前置きが長くなりましたがこの漫画の魅力について語っていきましょう。
 

漫画家というお仕事

漫画は娯楽として多くの人を楽しませてくれますが、漫画家というお仕事はなかなか大変です。多くの仕事を抱え、〆切間際は毎回深夜遅くまで作業!なんて人もいれば、なかなか連載まで至らずくすぶった日々を過ごす人も数多くいます。



そんな漫画業界で「死ぬほど忙しいか死ぬほどヒマかどっちがいい?」という編集者の質問に「美味しいものを死ぬほど食べて死にたいですッ!!」と力説する中堅漫画家の主人公・濱ケンジ。案外本能に忠実な人こそ、この業界は生き残れるのかも?

美味しい!は楽しい!

ときに手厳しいことを話す編集者も、仕事に真剣だからこそというのが大半です。いつも厳しい顔の漫画家も編集者も、どんな人だって美味しい料理の前では笑顔がこぼれてしまいます。

グルメ漫画の魅力はこうした華やかな料理に想像を膨らませたり、実際に訪れたり、作ったりすることが楽しいですよね。

『漫画家接待ごはん』では実在のお店をモデルに描いているため実際に訪れてみたり、近場になければ似た料理を提供するお店を開拓するのも面白いかもしれません。諸事情により店名は出せませんが巻末にモデル店の案内があるため興味を持ったお店は調べてみるといいでしょう

 

食事は味も重要ですが、視覚や聴覚で楽しむのも醍醐味の一つです。この漫画ではお肉や魚料理などの馴染みのあるものはもちろん、こうした普段はお目にかかれない遊び心あふれる料理も多数紹介されています。興味を持った~とさっき書きましたが正直全部美味しく見えて困る、ついつい訪れてしまいたくなるお店の宝庫です。侮りがたし。
 

漫画家と編集者はどんなときに一緒に食べる?

1巻では色んな理由で漫画家と編集者が食事をします。食事の場所は内容によって様々。その中で特に印象的だったのは焼肉店の話で、この場所で打ち合わせをする編集者はあまりいません。

ではどんな場面で焼肉店に行くのか?3 パターンに分けての解説は雑学ポイントが上がり面白かったです。

焼肉回はこうした雑学の他にも、焼き方や食べ方にも個々にこだわりがあり、グルメ漫画あるあると漫画業界あるあるが上手く嚙み合っていて個人的にお気に入りの話です

編集者というお仕事

最近は編集者の質が問題視されることもありますが、大半の編集者は大量の業務のため夜中まで働いたり、漫画家のために東奔西走する人がほとんどだと思います。
この漫画では多少の脚色はあれど、編集者の苦労や思いやりが描かれています。

中には嘘っぽく聞こえる人もいるかもしれません。しかし若い頃には気付かなかった思いやりに瀬口先生が気付いたからこそ描けた漫画なのではないのかと私は感じました。
 
大部分は出版社の金で美味いものを食べたかっただ(ry 気付かなかった思いやりに気付き、お互いに尊敬しあえる関係になったからこその笑い話が漫画の中で展開されています。


個性の塊の漫画家に対抗できるのは、やはり個性の塊の編集者。荒波の中で揉まれてきた編集者の話は深かったり、苦楽を共にした仕事仲間だからこその腹の割った話があったりと、瀬口先生の作風的に女性が主人公の恍惚系グルメ漫画を想像してた分、このシーンはちょっとグッと来ました。
 
こんな感じで笑いありグッとくる話ありとしっかりとした作りのグルメ漫画です。グルメ漫画を好きな人はもちろん、今までなんとなくグルメ漫画が読まず嫌いだった人も手にとってみてはどうでしょう。美味しく楽しく面白いグルメ漫画です

AmazonKindle電子書籍で『漫画家接待ごはん』

漫画家接待ごはん(1)

瀬口 たかひろ (著)
価格:626円

漫画家と編集者が集うお店という名の戦場、そこで漫画家・濱ケンジは今日も打ち合わせと言う名の“デュエル”に向かう。和食・洋食・中華…あらゆるごはんの誘惑に打ち勝ち、濱は自分の主張を編集者に伝えきれるのか!? 漫画家vs編集者による打ち合わせ系グルメコミック!

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【書評】マニアックすぎる!特撮物の関係者が現在どうしているかを探りあてる連作短編集 月村了衛『追想の探偵』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の11冊目。

『ミスター味っ子』でデビューされた元脚本家で日本SF大賞となった『機龍警察』や『土漠の花』など人気作をもつ小説家・月村了衛さんの最新作『追想の探偵』をご紹介いただきます。

タイトルは探偵ですがミステリーではなく敏腕編集者が特撮関係者を探り当ててインタビューを取るという”日常のハードボイルド”がテーマというスゴイ題材の連作短編集です。

特撮といえば仮面ライダーWの続編の話が話題になってますが、名作はいつまでも我々の心に残りますからね。日常のハードボイルド、気になります。


特撮マニアの記憶に残るヒーローを捜し出す! 敏腕編集者の物語『追想の探偵』

雑誌編集者・神部実花には、人知れぬ特技がある。それは、誰も行方を知らない人物を捜しだすこと。あらゆる手段を駆使して人々の記憶の扉を開き、真実をつかみ出す。愛する雑誌を守るため、上司の無理難題や個性的な面々に挫けることなく、「日常のハードボイルド」を生きる若き女性の活躍を描いた連作短編集。

@michealhjです。月村了衛の幅の広さを思い知らされる新刊『追想の探偵』。面白かった。

「機龍警察」シリーズの読者なら、著者がメカやSFに詳しいことはよく知っているけれど、ファン層のマニアック度が半端でない、特撮物に焦点をしぼった作品を書くとは驚きだ。しかも、主人公が神部実花(かんべ みか)という28歳の女性編集長。雑誌「特撮旬報」を実質ひとりで切り盛りしている。

どんなに厳しい条件の取材でも「それが私の仕事ですから」とさらっと言ってのける。かっこいいこと、この上ない。この年齢で1970年代の特撮に誰よりも詳しいのがすごい。全部で6話が収められている。もとは「小説推理」に連載されたものだ(2016年5月号〜12月号)。

本作はすべて、特撮物の関係者が現在どうしているかを探りあてる話だ。

率直にいって、面白さの度合いには濃淡がある。それは、ある意味、無理もない。半世紀ちかく前に放映された特撮ドラマに関わった人々の消息をつきとめるという取材は、時間との競争だ。

物故者がだんだん増えてきて、取材目的が達成できないケースもある。リアリティを出すために、あえてそうしているのだろう。けれど、結局お目当ての人物にたどりつけずに徒労に終わる取材は、地道な捜索過程のみを見せられるわけで、読んでいて、ややむなしい。

やはり、圧倒的に面白いのは、困難と思われた人物への取材が成功するケースだ。実花は「苦労の末に目的の人物を捜し当てた喜びは何物にも代え難い」と述懐するけれど、実花と一緒に捜索行に同道する読者もまた、同じ喜びを味わう。苦労が報われた実花と共に喜ぶことができるのだ。

「個人情報の取り扱いに社会全体が慎重になった昨今の風潮から、人捜しは難しくなる一方」なのに、〈人捜しの神部〉の異名を特撮業界で得ているのは、実花がいかに凄腕であるかを物語る。

日常生活そのものがハードボイルドというテーマ

巻頭の「日常のハードボイルド」に、本書のテーマが要約されている。伝説の特殊技術者、佐久田政光を捜す話だ。佐久田は数々の特撮映画の名作に関わり、国際的にも評価された人物だが、映画界と一切の縁を切って行方をくらましてから30年以上たつ。生きていれば80近い。こういう〈誰も連絡先を知らない大物〉にインタビューできれば雑誌は大成功だ。

ところが、今まで何人もの研究者やマニアが血眼になって捜しても見つからなかっただけに、困難さはとてつもなく大きい。無理と分かっているような仕事だが、実花はいったいどうやって捜し出すつもりなのか。

いつもの月村作品のような事件やアクションはないけれど、本書は日常生活そのものがハードボイルドであるような、新しいスタイルで書かれる。過酷きわまりない条件を一つ一つクリアしてゆく実花の粘り強い取材態度は、日常の仕事の現場がハードボイルドでもあることを感じさせてくれる。自ら消息を絶った人物へのアクセスは、下手な冒険小説よりもよほどチャレンジングである。

超名作がなぜ失われたのか。この謎に取り組む

「封印作品の秘密」は、いまは見られない幻の特撮作品がお蔵入りになったわけを探る。一度はテレビで放送されたが、その後は「フィルム紛失のため」という理由で再放送されずDVD化もされていない。

関係者に取材すると、みんな口をそろえてその監督の代表作といえる傑作だという。そのあらすじを読むだけで、読者もぜひ見てみたいと思わせられるくらいの作品だ。

米軍基地から黒人兵ウィリーが脱走する。彼をかくまうコミュニティで出会った7歳の少女サユリと、ウィリーは心を通わせる。だが、コミュニティは実は宇宙人の一団であった。葛藤したすえ、ウィリーはコミュニティと運命を共にする覚悟を決める。そこに宇宙人殲滅を目的とする地球自衛軍がやってくる。ウィリーとサユリは追いつめられる、というあらすじである。

そんな超名作がなぜ失われたのか。この謎に取り組む実花はどうやって切り込むのか。課題の困難さに比例してがんばる実花の奮闘ぶりに、読者は手に汗握る思いで読み進めてゆく。

おわりに ヒーローが何かを心に灯す

それにしても、なぜ実花はこれほど特撮にのめりこむのか。それは特撮作品に登場するヒーローが何かを心に灯すからだ。そのことを示唆する「日常のハードボイルド」の一節を引いてみよう。

 ありふれた日常は、突然に崩壊し、空虚だけが残る。そしてその状態が次の日常となる。
すべては移り変わり、思い出の中に沈んでいく。新たな日常と向かい合い、人は今日を、明日を生きるしかない。
だが、変わらないものもある。
心の中に在る光景だ。ヒーローはそれを鮮やかに再現し、過ぎ去ったはずの光で再び照らし出してみせるのだ。

実花はこういうヒーローたちに信を置いているからこそ、「それが私の仕事です」と言えるのだ。

AmazonKindle電子書籍で『追憶の探偵』

追想の探偵

月村了衛 (著)
価格:1,296円

雑誌編集者・神部実花には、人知れぬ特技がある。それは、誰も行方を知らない人物を捜しだすこと。あらゆる手段を駆使して人々の記憶の扉を開き、真実をつかみ出す。愛する雑誌を守るため、上司の無理難題や個性的な面々に挫けることなく、「日常のハードボイルド」を生きる若き女性の活躍を描いた連作短編集。

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【書評】想像力を、侮るな。 神林長平「フォマルハウトの三つの燭台〈倭編〉」

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」の9冊目。

『戦闘妖精・雪風』『敵は海賊』などでおなじみ、ベテランSF作家・神林長平の最新作「フォマルハウトの三つの燭台〈倭編〉」をご紹介いただきます。

”人工人格家電の自殺疑惑、非実在キャラクターを殺したと主張する被告人、雇用を迫る対人支援用ロボット”と、AIがテーマの作品かしら。

過去作『ライトジーンの遺産』にでてくる実在が疑わしい本『フォマルハウトの三つの燭台』がタイトルということで、色々気になっていました。〈倭篇〉ということはシリーズが続くのかな。公式キャッチコピーが”想像力を、侮るな。”という、ベテランの新たな挑戦が気になりますね。


「フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉」

はじめまして。えー @a_granhon と申します。読むのも書くのも好きなので、書評企画に参加させて頂きました。今回私が紹介するのは神林長平さん著、『フォマルハウトの三つの燭台〈倭編〉』です。

私ってなんだろう

神林長平さんといえば長年、「意識」「自我」といった題材を取り扱ってきた作家さんだと思います。

私とは何か。私が私であることを保証してくれるものは何か。あなたがあなたの意識だと思っているものは、本当にあなたの意識なのか。人間の根源に関わる部分へと、容赦なく切り込んでくる作家さんです

過去の作品では2012年著『いま集合的無意識を、』が、人とネットの関わりによって、人類全体の意識や無意識がどこへ向かうかを雄弁に考察していました。同年出版された『ぼくらは都市を愛していた』は、人間と都市の関係性から「意識とは何か?」を掘り下げていたと思います。こちらは都市論や仮想現実にも触れていますが、なによりも他人の意識が入り込んでくることによって生じる、重なり合う自我の幻想感が見事な作品でした。

人間とテクノロジーの関わりから、人間そのものを見つめ直す。そうやって思索を続けてきた神林長平さんが、今回選んだテクノロジーは人工知能。

本作『フォマルハウトの三つの燭台』は、現代日本より少し科学の進んだ世界が舞台となっています。家電が高度な人工知能チップを搭載し、人格を持っているのが当たり前の社会という設定です。

冷蔵庫や掃除機やトースターが言葉を話し、ものを考える。ときには家電同士で、喧嘩もする。気を利かせて搭載された機能なはずなのに、その気遣いかかえって滑稽なトラブルを招く様は、どこか風刺めいたユーモアがあります。日に日に親切になっていき、人間のように喋る電化製品といえば、皆さんも何か一つは心当たりがあるのではないでしょうか。そこがまたこの小説の優れたところで、作中に散りばめられたSF要素はどれも飛躍したアイディアではなく、現実のテクノロジーに根ざしたものなのです。それ故に親近感と、切実な緊迫感を感じさせます。

そして、物語はトースターの自殺から動き出す。

まるで人のように振る舞う家電であれば、人のようなトラブルが起きるのも必然でしょう。

一台のトースターの自殺疑惑から、物語は始まります。朝だというのにパンを焼くだけで、すっかり喋らなくなってしまったトースター。これがただの故障ならともかく、自らの意思で人格の死を選んだとすればどうしようか。第一の語り手である「ぼく」の心配は、強まるばかり。なにせ「ぼく」は、知能を持つ家電同士の仲をとりもち、なだめ、教育することを生業とする、知能家電管理士なのだから。医者の不摂生なんてもんじゃない、と必死に原因を探ってみると、どうやらトースターの人格は死んだわけではなさそうで……?

やがて失われたトースターの人格を探しているうちに、自らを家電管理士と認識する「ぼく」の自意識は揺らいでいきます。ぼくは本当にぼくなんだろうか? ぼくって何だ?

人間はただ自分は自分であると思い込んでいるだけで、その意識はついさっき外部からもたらされたものかもしれない。自分を人間と思い込んでいる、人工知能かもしれない。いやそんなのはまだマシな方で、非実在キャラクターな可能性すらある。

導入部で読者に与えた強烈なぐらつきを維持したまま、語り手は真の主人公である引きこもり中年、太田林林蔵へと交代します。

幻想小説としても一級品

ではこれは、人間と人工知能の関係を描いた、SF作品なのか。いいえ、それだけではありません。本書のもう一つの顔は、読者を惑わす幻想小説なのです。

太田林林蔵が本格的に主人公として動き出してからは、世界に終わりをもたらすとされる、神秘的な燭台の存在感が増していきます。私達の生活の延長線上にあるテクノロジーと、魔法めいたエッセンスの数々。それら正反対の成分が混ざり合い、相互に読者の現実感を揺さぶり、摩訶不思議な読書体験を味わえます。

この語り手は信じられるのか? そもそも語り手が真の語り手であると保証できるのか? 何かの偽物ではないのか?  もはや中盤以降は、何もかもを疑いながら読んでいる状態でした。誰がどうなっていてもおかしくない、全てが怪しい。

もう何も信じられなくなって、盛大に音を立てて崩壊していく常識の中で、それでも着実に考察は進められていく。誰が人間で誰が非生物かの境界すら定かではなくなった世界で、人間の本質に関わる部分を探り続ける。この混沌と考察が同時進行で加速する感覚は、フィリップ・K・ディック著『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に近いかもしれません。こちらも人と機械の境界を限りなくグレーにすることで、あえて人間らしさを問うた作品でしたから、テーマこそ違えどアプローチの仕方は似ています。

読むこと、考えること、想像すること。それらが好きな人であれば、必ずや満足できる一冊です。想像力の極地を味わえます。

【続き】 KosugiRanさんのレビュー

AmazonKindle電子書籍で『フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉』

フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉

神林長平 (著)
価格:1,512円
★★★★★ 2件のレビュー

人工人格家電の自殺疑惑、非実在キャラクターを殺したと主張する被告人、雇用を迫る対人支援用ロボット。起こりえない事件を解決するため、男たちは燭台に火を灯す。それは「真実を映し出す」と語り継がれる、フォマルハウトの三つの燭台。

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【書評】九岡望の新作ダークファンタジーは死に損なった少年の復讐劇 『ニアデッドNo7(電撃文庫)』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。九岡 望『ニアデッドNo7(電撃文庫)』のレビューをいただきました。

作者・九岡 望さんは第18回電撃小説大賞“大賞”受賞『エスケヱプ・スピヰド』シリーズや、先日発売されて話題になったハヤカワ文庫『BLAME! THE ANTHOLOGY』にも参加している実力派。

死に損ない、不死身になった少年の"現代ダークファンタジー"。残酷描写にバトル要素多数の復讐と悲恋のボーイ・ミーツ・ガールのようです。


死に損なった少年の復讐劇 九岡 望『ニアデッドNo7』

目覚めた少年は、何者でもなかった。“再葬開始”の合図と共に、いつの間にか持っていた火の粉を纏う刃を振るい、異形の敵を倒すのみ。“境死者(ニアデッド) No.7”――赤鉄(アカガネ)。それが、彼に新たに与えられた名だった。なぜ自分は戦うのか――。No.6である美しき少女・紫遠(シオン)と共に、訳のわからぬまま死闘に身を投じる赤鉄は、やがてある事実にたどり着く。No.7の称号を持つ“先代”がいたこと、そして自分がその人物に殺され、No.7を“継承”したことを……。現代ダークファンタジー、開幕!

通りすがりのラノベ好き、雅@thinforeです。本作は、死に損なって「境死者(ニアデッド)」となってしまった少年が、「空巣岩市」で起きている事件を探る中で自分の過去と未来を取り戻す一巻完結?の復讐劇です

『ニアデッドNo7』は一人の少女「鹿島夕里子」が、全く知らない建物の一室で目を覚ますところから始まります。どうしてかび臭い寒気がする部屋にいるのか分からない。連れ去られたか、という不吉な予感を覚えながら逃げようとします。何本もの燃えさかる蝋燭に、溶けた蝋、ハエ。どう考えたって不気味です。

夕里子は早々に立ち去ろうとするが、出られない。そうこうしているうちにこの世ならざる物「外死者(アンデッド)」に遭遇します。夕里子は「捕食される!」と覚悟します。そこに颯爽と現れる「境死者(ニアデッド)No.7・赤鉄(アカガネ)」。本作の主人公です! 夕里子を襲う「外死者(アンデッド)」をバッサリと、次々と切り倒していきます! 定番ですがやはり格好いいものです。

ここまで読んで、巻き込まれ体質の少女を主人公が助ける異能バトルものかな、と思いましたが違いました。物語の鍵は赤鉄(アカガネ)自身で、最初から最後まで彼の復讐の物語でした

物語の舞台・空巣岩市で行方不明者が多数発生している事件が発生しており、これの調査を行うと仲間である「境死者(ニアデッド)No.6・紫遠(シオン)」から指示を受けます。この事件を追っていく中で、幾度となく敵と戦い、そして、生前の自分に何が起きたのか、何故自分が戦わなくてはならないのかを知っていきます。この何も持っていない赤鉄が謎を解いていく中で自分の過去を思い出し、何のために存在するのかを見つけていく過程も大変わくわくして良いです! 

……良いのですが! 自分は特に境死者(ニアデッド)と生者の関係・思いに心打たれました! 境死者(ニアデッド)という自身の立場があって、その立場がどういったものなのかを認識しているからこその、生者への対応。自身が人ならざる外死者(アンデッド)を倒す危険な立場で、そんな自分もまた人ならざるもの。決して相容れないのに、最初から特別な関係なんて結んではいけなかったのに。理性では生者と必要以上に関わるなんて駄目だと分かっているのに。それなのに惹かれてしまう感情!

立場が違う二人のお話ですよ? どう考えたってつらい! つらい話に決まってる! つらいことが分かっているのに、それでも読み進めてしまう!

復讐劇なの? 悲恋なの? どっちなの? とお思いになるかも知れませんが、これ以上は本当にネタバレになるので言えません。復讐と悲恋がどう関わってくるのか、少しでも気になった方は是非読んでください。そしてこのつらい思いをしてください!

この世界の底知れなさと、広がり、そして彼らのこれからの物語を期待できるような終わりかたになっています

また、イラストレーター吟さんのイラストも必見です。時にはクールに、時には可愛らしく、時には主人公の熱い感情を演出してくれるイラストは間違いなく読み手の感情を盛り上げてくれます。

私は悲恋の物語という印象を強く受けましたが、異能バトルものとして読むのも良いと思います。 境死者(ニアデッド)達の武器はもちろん、敵の武器も格好いいです。誰しもが一度は妄想したことのあるような武器も出てきますよ(私だけではないと信じたい)!

是非ご一読を!

AmazonKindle電子書籍で『ニアデッドNo7(電撃文庫)』

ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

九岡 望 (著), 吟 (イラスト)
価格:630円

目覚めた少年は、何者でもなかった。“再葬開始”の合図と共に、いつの間にか持っていた火の粉を纏う刃を振るい、異形の敵を倒すのみ。“境死者(ニアデッド) No.7”――赤鉄(アカガネ)。それが、彼に新たに与えられた名だった。なぜ自分は戦うのか――。No.6である美しき少女・紫遠(シオン)と共に、訳のわからぬまま死闘に身を投じる赤鉄は、やがてある事実にたどり着く(……)現代ダークファンタジー、開幕!

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【書評】『昭和元禄落語心中』の雲田はるこ 最新BL作品集『バラの森にいた頃』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。雲田はるこ 最新BL作品集『バラの森にいた頃』をご紹介いただきます。

雲田はるこさんといえばTVアニメにもなりましたベストセラー『昭和元禄落語心中』や、三浦しをん原作の『舟を編む』のコミカライズ(7月7日に待望の上巻発売)も好調ですね。

本作はそんな雲田はるこさんによるBL本。吸血鬼と少年。数百年ごしの恋描いた表題作含む4本が収録されています。BL初心者という方も楽しめそうな1冊です。


はじめまして。@soranoirohaao1と申します。漫画も小説も読むのは大好きですが、書評をは初めてです。今回は「これ読んで、ぜひ書きたい!!」と思う作品が候補に挙がっていたので応募しました。

その作品は雲田はるこさんの「バラの森にいた頃」。実はこれ・・・ボーイズラブ、いわゆるBLです。雲田はるこさんを知ったのはアニメ化もされた「昭和元禄落語心中」で、それを見た時には「やけに男性の表情を艶っぽく書く人だなぁ」と感心していました。調べて納得、雲田さんのデビュー作はBLでだったのですね。

私は、男の子たちがキャッキャキャッキャとじゃれ合っているいわゆる「ブロマンス」が中学生の時から大好きでした(と今になって思います。)恥ずかしながらじゃれてる男の子たちのイラストをせっせと描いていた時期もあります。

でもそこに恋愛が入ってくると、どこに・誰に感情を移入すればいいのかわからず、興味はあるけれど手に取ることはできませんでした。なので今回この企画を知ったとき「きっかけ!!」と思って飛びついた次第です。

勘違いしていたのはBLというのは同性愛者同士の恋愛話ばかりと思っていたということ。そういう漫画もあるとは思うのですが、今回の「ばらの森にいた頃」に限って言えば、全くそんなことはなかったのです。いわゆるノーマル同士の恋愛感情への進展のさまは男女間の恋愛と同じで、そこは何の違和感もなくお話に入っていけた大きな要因の一つでした。

第一話は表題作にもなっている「バラの森にいた頃」は吸血鬼と、彼に育てられた男の子の物語。何世紀も前からの訳ありな関係(これ以上は書けませんが)は切なく、モチーフになっているバラが彼らのシチュエーションにピッタリで、ラストはギュッと胸が熱くなりました。


第二話「モンテカルロの雨」は落ち目のおじさん俳優と海外美青年スターのほんわか物語。映画監督の気まぐれと、美青年の美しさに振り回されながらも、俳優人生に挽回のチャンス!!と頑張るおじさんの苦悩がかわいらしかったです。

第3話「ヨシキとタクミ」は私が好きなブロマンスのはるか延長線上にあるかのような物語でした。ヤンキー同士の男の子なのですが、ケンカはあたかもじゃれ合いに見えますし・・・。男の子が女の子と「かわいい」「抱きしめたい」と思う感情って、男の子同士でも同じなんだなぁと目からウロコの作品でした。ちなみにこの作品には巻末に書きおろしがあって、そちらもキャッキャとした2人に母性をくすぐられました。

最後は「Be here to love me」。会社の先輩と後輩の物語。脚フェチ先輩が大好きでよく見ていた美脚自撮りブログが実は後輩の脚だった、というありがち(ありがちか?)。後輩君は何とも女の子っぽく、そりゃノーマルでもそうなるよね~てなくらいの魔性っぷりで、アワアワしつつも自分の性癖にこたえてくれる後輩君に流されていく先輩ってのもまた、男女間の感情と同じだなって思いました。

読んでみて思ったことは「別に感情移入する必要ないんじゃない?」ということ。これは私にとって大きな収穫でした。気持ちの動きや衝動は人間誰しも持つもの。読んでいて「えー、そうかな?」「あっそれわかる!」と思えれば、それはそれでいいのでは

以前テレビでBL好きな女性タレントさんが「なぜBLが好きなのか?」という問いに「男女の恋愛の不倫だ浮気だにはもう飽きた。BLはとても純粋」といわれていたのを思い出しました。そればかりではないのでしょうが、この作品に限って言えば、とても純粋な真っ直ぐさがやけに眩しかった~。

全話通してかなりな絡みシーンがありますので、苦手な方は気を付けてほしいです。でもそればかりじゃなく恋愛の機微も楽しめるので、BL好きさんにはもちろん、私みたいにきっかけ待ちの方オススメです!

AmazonKindle電子書籍で『』

ばらの森にいた頃 (onBLUE comics)

雲田はるこ (著)
価格:648円

雲田はるこ最新BL短篇集! [ばらの森にいた頃]年をとらない吸血鬼×転生を繰り返す恋人 食用ばら農家を営む吸血鬼の正宗は、人間の恋人・陽と暮らしている。数百年前に恋人を亡くした不死の吸血鬼・正宗は長い時をずっと孤独に生きてきた(……)そして、はじめて人間の姿で転生したのが陽だった。年をとらない吸血鬼と、ただの人間。2人は数百年ぶりの蜜月を楽しむが、正宗には秘密があって――。 

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【本宣】ダイエットから頻尿・尿もれ対策まで、わかさ出版の雑誌バックナンバー45冊が100円セール(31日まで)

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。わかさ出版 販売促進部さんから雑誌バックナンバー100円キャンペーンの案内を頂いたのでご紹介。

対象がどう見ても中高年……というか、それ以上感があるので告知媒体としてうちは適切なのだろうかと疑問はありますが……まあ100円ですから。それぞれ通常価格799 or 599からの大幅値下げのようです。

健康に関する内容についてはうち成果等の責任を持てないので、みなさんそれぞれ参考くらいでとらえてもらえると。キャンペーンは7月いっぱいだそうですよ

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わかさ出版 販売促進部 担当者より

わかさ夢MOOK39 KiYoRa vol.1

わかさ・夢21編集部 (著)
価格:100円
★★*☆☆ 3件のレビュー

「見てもらう人もいない」「もう年だから仕方ない」と言い訳して、あなたの「キレイ」を諦めていませんか?「KiYoRa」は何歳でもキレイでありたい、と願う女性のためにできた大人のダイエット誌です。気になるお腹のぜい肉にピンポイントで効くお腹痩せの方法や、ダイエットに役立つ食事など、「キレイ」を諦めないあなたのための必携本です。

担当者コメント

KiYoRaは、大人の新ダイエット誌です。

今から夏に向けておなかをへこませましょう!! まだ間に合いますよ。 運動不足や食べ過ぎだけがすべての原因ではありません。
大人には大人のやせ方があります、実践あるのみです。

大人の方ほどよく効くダイエット法を見つけました。それは、テレビでも大反響でした松井 薫先生の「5秒腹筋ダイエット」です。みなさんも是非試していただきたくこのKiYoRA Vol.1を推薦します。

本書の特集記事ご紹介




その他、セール対象本より

わかさ 2017年 07月号

わかさ編集部 (著)
価格:100円
★★★★★ 1件のレビュー

わかさ2017年7月号は、財界人の多くが絶賛するカリスマ中医師が開発の「腕もみ」の大特集!1日1分行うだけで、胃から体全体が元気になる!!そのほか、高血圧・高血糖からダイエットまで、さまざまな健康効果を持つ「酢漬けトマト」の特集など、今月も読んで、実践して、元気になる特集満載です。

わかさ 2017年 06月号

わかさ編集部 (著)
価格:100円
★★★★★ 1件のレビュー

わかさ2017年6月号は、「顔もみ」の大特集!現役の脳神経外科医・工藤千秋先生が指導する「顔もみ」は、神経の修復を促して、手足顔のしびれが退散するばかりか、坐骨神経痛・肋間神経痛などの神経痛が治った実例も。さまざまな症状を治す急所「顔」をもめば、毎日健康!ぜひ誌面をご確認ください!!

わかさ夢MOOK36 頻尿・尿もれ自力でピタリ消失!泌尿器科式膀胱若返りの3ポーズ

わかさ・夢21編集部 (著)
価格:100円

頻尿・尿もれをはじめとした「尿トラブル」、自力ケアで治しませんか?この本では、あなたの頻尿・尿もれの原因がすぐわかる「1分チェック」から、女性の過活動膀胱、男性の前立腺肥大にも効果の泌尿器科式「膀胱若返りの3ポーズ」などのすぐ効く特効体操、さらにあなたの疑問を解決する「頻尿・尿もれQ&A」など、頻尿・尿もれ対策のすべてを盛り込んだ一冊になっています。

わかさ 2017年 02月号

わかさ編集部 (著)
価格:100円

わかさ2017年2月号の特集は、誰もが気になる「高血圧」の大特集! 薬に頼らず血圧を下げる方法や、改善に役立つ「酢黒豆」「こうじ甘酒」など健康食も掲載。

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注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【書評】間違ってもスカッとするような明朗快活さはありません『青野くんに触りたいから死にたい』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。講談社のマンガサイト「モアイ」掲載の1話が30000PV突破という椎名うみ『青野くんに触りたいから死にたい』第1巻のレビューです。

Kindleだと1話だけ試し読みの『分冊版』が配信していますが、1ページ目でヒロインが『初めて男の子と喋っちゃった……わたし彼氏ができちゃうのかもしれない!!』とベタベタな発言からどんどんおかしな方向に転がっていく不穏なラブマンガですね。

最近だとこのザワつく感じ『あげくの果てのカノン』にもあったのですが、頂いたレビューもサイケデリックなところを強調されてますなぁ。マンガ読みの方にいま話題の作品、気になる方は是非。


サイケデリックなラブドラマ『青野くんに触りたいから死にたい』

どうも、早くも二度目の登場、写楽斎ジョニー@sharaku_johnnyです。

皆さんは、トムヤムクンを生まれて初めて食べたとき、どう思いましたか? 自分は「甘いの?酸っぱいの?わかんない、けど、ぅんまい!!!」と思いました。この『青野くんに触りたいから死にたい』もそういった、なかなか同居しない感情が、コマごとに醸造されるサイケデリックな作品です。

主人公は図書委員で引っ込み思案な女の子。そして快活な男子に恋をする

はいこれ、ベタですね。ベタベタですね。そして図書委員で友達少なくて、それでいて一途。途方もない回数こすられてきた、完全無欠のテンプレートキャラクター、それが本作の主人公、優里ちゃんです。

そして快活な男子高校生、青野くん。優しく優里ちゃんの気持ちを受け止めます。そして衝撃の、青野くん、死去。

ここまで、これを含めて、超絶ベタ的展開。ここまでは伏線だといっていいでしょう。ここからが、この物語の真骨頂。

悲しいの?面白いの?怖いの?

さて、ここから。優里ちゃんはあまりの悲しさに自分も死んであの世で青野くんに触れようとします。純愛ですね。

しかし青野くんが幽霊となって現れ、幽霊となった青野くんとの奇妙な共同生活(とても好きなフレーズ)が始まります。抱きつきたいけど抱きつけないことを嘆く優里に、枕を自分の身体に当てて抱きつかせる青野くん。コメディですね。高橋留美子の短編でそんな話を読んだ気がします。

突然「憑依」して触れ合うことを思いつく優里ちゃん。試してみようとすると、優里ちゃんの身体に鈍痛が。流血、そして、性格が豹変する青野くん。その後もなにかと「何かおかしい」ことが優里ちゃんと青野くんの間に起こり、それがまた別の引き金になっていき……。

どこかが致命的におかしい青野くん、身に覚えのない血が出て、記憶をなくす優里ちゃん。巻き込まれる友人たち。恐怖ですね。

この「悲しい」「面白い」「怖い」が順繰り順繰りに、それもひとコマずつというくらいの速度でもって、読者を楽しませてくれます。一巻だけでは、まるで着地点が見られないこの作品。総合的な書評はできませんが、とにかく引きが強い。Twitterなどで好事家たちからの反応が凄まじかったのも頷けます。

恐怖とエンターテイメントとギャグが同時に楽しめる人にお勧め

アフタヌーンや四季賞あたりの、一癖も二癖もある作品たちが好きな人におすすめです。また『ちーちゃんはちょっと足りない』などでおなじみの阿部共実さんとかお好きならいいかも。

間違ってもスカッとするような明朗快活な作品ではありませんので、もやもやっとして読むよーに!!

AmazonKindle電子書籍で『青野くんに触りたいから死にたい』

青野くんに触りたいから死にたい(1)

椎名うみ (著)
価格:540円

君に触れるなら、死んでもいいよ。これがわたしの愛なんだ。アフタヌーン公式サイト「モアイ」掲載の1話が30000PV突破! 話題の「青野くん」がついに単行本化! 天然少女・優里ちゃんと、その彼氏・青野くん。ごく普通のお付き合いをしていたふたりだが、ある日突然、青野くんが「いなくなって」しまう……。絶対に結ばれないし、触れ合えないふたりの、でたらめで切実すぎるラブ・ストーリー。

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【書評】作家夫婦 円城塔・田辺青蛙が相互理解を目指した格闘の記録『読書で離婚を考えた。』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。円城塔・田辺青蛙の作家夫婦による読書本『読書で離婚を考えた。』 のレビューです。

円城塔といえば伊藤計劃の遺作を引き継いだ『屍者の帝国』や、最近ではKindle独占配信の短編『世界でもっとも深い迷宮』など切れ味鋭いナンセンスが持ち味の作家。田辺青蛙はコスプレ好きなホラー小説家さんですね。

そんな作家夫婦がお互いのオススメ本を紹介して感想を言い合えば相互理解も進むし、読者も新しい本に出会えるという画期的な作品のはずなんですが……頂いたレビューを読む限りどうでしょう魂が騒ぎそうなリアリティショウが展開するようですね。


作家夫婦が相互理解するために本を勧めあった格闘の軌跡『読書で離婚を考えた。』

はじめてのかた、はじめまして。そしてブログなどでお会いしている方、お久しぶりです。中間管理職@2008medです。ブログ勤務医開業つれづれ日記・3で書評などを書いております。いつもお世話になっているきんどうさんの企画に参加させてもらいました。よろしくお願いいたします。

今回紹介させていただきますのは円城塔・田辺青蛙両先生の『読書で離婚を考えた。』です。

こちらは「お互いに本を紹介し合う連載企画」で、テーマは「夫婦の相互理解」。夫婦同士で相手から紹介された本の読書感想文を書く、そして次に相手に本を紹介する、というシステムです。

お二人とも夫婦で作家です。この本が作家夫婦として初めて一緒にする仕事だそうです。円城塔先生は芥川賞受賞作家で、田中慎弥先生が芥川賞受賞の「都知事閣下会見」で一躍時の人になったときに、一緒に受賞されています。田辺青蛙先生はホラー系の作家の方でコスプレイヤー。日本ホラー小説大賞短編賞を受賞されています。

ちなみに『モルテンおいしいです^q^』がすでに共著だったような気がしましたが、田辺青蛙先生の単著でした。こちらもいろいろと変でおかしい作品でオススメです。

『読書で離婚を考えた。』はお互いに本を紹介し合う連載企画

まず1冊目は田辺青蛙先生から円城塔先生に最初に紹介されたのが吉村昭『羆嵐』です。

『羆嵐』は日本獣害史上最大の惨事を描いた傑作ドキュメンタリー。著者の吉村昭先生は津村節子先生と作家夫婦で、今回の作家夫婦企画で最初に取り上げるのはわかります。特に吉村昭先生との半生を振り返っている津村節子先生の『紅梅』がくるならよくわかります。でも「夫婦の相互理解」で『羆嵐』がなんで初回に来るかな? 読んでいる読者としては???なわけです。いったいなんなんだ、この夫婦?

ニヤニヤ笑いながら巻頭に戻ると、

これは、夫婦がお互いを理解するために本を勧めあった格闘の軌跡である。(巻頭より引用)

というありがたい文章にめぐり合いました。そうか!これから読むのは相互理解ではなく二人の作家の“格闘の軌跡”なのだ、と改めて理解した次第です。

良薬は口に苦し。ただし良薬でなくても苦い。

「夫婦の相互理解」ではじまった企画ですが、円城塔・田辺青蛙両先生は予想を超えてはるかに意思疎通ができていませんでした。読者は夫婦がお互いの地雷を踏むか踏まないか、二人の妙な緊張感を味わうことができます。

初回ですでに『羆嵐』の洗礼を受けた円城先生ですが、第4回でこてこての大阪レポート『VOWやもん!』を指定されたぐらいから焦点があやふやになります。なぜか第8回の『板谷式つまみ食いダイエット』からなぜか毎回、円城先生の体重が載ることになりました。

田辺青蛙先生も第7回ですでにタイトルが「つらい時は脳内妖精との会話で盛り上がろう」です。ちなみに紹介本は山田風太郎『〆の忍法帳』です。なんで山田風太郎を読んで、こんなタイトルになってしまうのでしょう?

笑いながら読んで行くと第13回でついに知り合いに、連載読んでいて夫婦仲大丈夫ですか、と聞かれますという文章が出てきます。やっぱり。読者的にもかなりまずい雰囲気あふれています

よく良薬は口に苦し、と言うじゃないですか。この連載も多分お互いに本を紹介しあって、お互いを理解しようと思って努力していたんだと思いますが、徐々に「これ、苦いだけで効いてないじゃない」みたいな状況になってきたのだと思います。ただ苦けりゃいいってわけじゃないです。夫婦が苦い顔してお互いの推薦本を紹介していることに読者としては思わず笑ってしまいます

理系とホラー系、加速する噛み合わなさ

円城先生はバリバリの理系で東北大学から東大大学院卒業です。なので考え方が完全に理系です。一方、奥様の田辺青蛙先生はホラー系作家で、兼業で産業翻訳と通訳をされているようですのでかなり文系。後半もお互いの噛み合わなさが加速していきます。

第23回の『立体折り紙アート』で田辺青蛙先生は華麗にスルーして、本書の内容にほとんど全く触れません。よほど苦手なんですね。巻末の対談でも何度か話題に上るので、この折り紙はかなりトラウマになった様子です。さらに第24回の『恐怖新聞』つのだじろうの回で円城塔先生は、

(恐怖新聞の)“とりあえず条件をまとめてみましょう。”(本文P.195より引用)

とまあ、恐怖新聞の発生条件について物理学的な考察が入るわけです。いやいやいやいや、「恐怖新聞」をそんな読み方する人いないですから!

とうとう第25回で具体的に「離婚」の単語が出現し、第30回で企画そのものについて、

“相互理解が進まない、進まない、と繰り返しているこの連載ですが(中略)「まあ、今生では間にあいそうにない」って結論になりそうっていう。 (本文P.242より引用)

という画期的な結論にたどり着きます。作家夫婦の相互理解の軌跡ではなく、あくまで「格闘の軌跡」ですから。でも原則的な疑問が湧いて出てくるわけです。じゃあ夫婦っていったいなに?

第30回で円城先生は奥様のことをブラックボックスと仮定して、その中身がどういうものなのかを知るためにとりあえず何かをぶつけてみて、その反応を見て推察しているようです。理系として未知のものに対する姿勢としては100%正しい。でもこれって、奥様に対してやっていいことなのでしょうか?

さらに第36回で円城先生は奥様の行動を読み取っていますが、まるで野生の動物を追跡している研究者です。布団がまだあったかいから近くにいるはずとか、流しに食器があって朝食はどうやらコーンフレークを食べたようだとか。そういうのってそもそも二人の定義として夫婦って言うのですか?

奥様の田辺先生も田辺先生で、夫はうまく世渡りできるけど私は円城先生以外とは絶対に結婚できなかった、と延々と繰り返します。それなのに紹介本は『羆嵐』からはじまって『クージョ』(狂犬病の犬に襲われる話)、『男色武士道』(尻奉公)、最終回は『バトル・ロワイアル』(皆殺し)なんですよ。これって田辺先生のホラー系歪んだ愛情? ツンデレですか?

空中分解し続ける夫婦

読者的ツッコミをいれたらきりがないのですが、ここでふと気がつきました。ははーん、この本って実は隠れたラブコメなのかもしれない、と。

両先生は前著『モルテンおいしいです^q^』では仲が良い感じで、アメリカのナパで二人きりで結婚式挙げたりしています。基本ラブラブの二人なのに仕事になると噛み合わない、でもお互い好き、読んだらハラハラドキドキ。

この二人ってこれから一体どうなるんだろう。別れる、別れない、相手を理解できない、でも実は隠れてお互い好き、ってラブコメの構図そのものじゃないですか。空中分解しながらくっついているというカップルってラブコメ的には最高です。

円城:(中略)2年間、お互いに一歩も歩み寄らないまま終わったので、割とビックリでしたよ。(本文P.324より引用)

円城先生、逆ですよ。一歩も歩み寄らないから夫婦でもラブがコメているに違いありません。前著『モルテンおいしいです^q^』で愛を確認しつつ、あえて『読書で離婚を考えた。』で歩み寄ろうとしてもできない二人をハラハラ、そしてニヤニヤ確認するというのが正しい読み方だと思いました。……そうかな。

夫婦で40回の連載ですから1回は短めでお手軽に読めます。作家夫婦というものの格闘の記録を一度見てみませんか? なかなか楽しい読書でした。おすすめです。

AmazonKindle電子書籍で『読書で離婚を考えた。』

読書で離婚を考えた。 (幻冬舎単行本)

円城塔・田辺青蛙 (著)
価格:1,296円

夫婦でお互いに本を勧め合って、読書感想文を交換しあえば、いまよりもっと相互理解が進み、仲良くなるのでは――? そんな思いで始まった、芥川賞作家・円城塔とホラー作家・田辺青蛙の夫婦読書リレー(……)なぜか雰囲気はどんどん険悪に。相手の意図をはかりかね、慣れない本に右往左往、レビューに四苦八苦。作家夫婦のコミュニケーションはなんだかちょっと変だけど、夫婦の格闘の軌跡を覗き見ながら、読みたい本も見つかる画期的な一冊。

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【書評】あなたはどのムッチリが好きなの!人外女子たちのぽっちゃりコメディ『エルフさんは痩せられない。』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。ぽっちゃり人外女子たちのダイエットエロスコメディ シネクドキ『エルフさんは痩せられない。』第1巻のレビューです。

本作は編集プロダクションの方から推薦記事を頂いてますが、せっかくならと読者目線でのコメントもあわせてぜひ。最近グルメ系マンガが流行ってますし、今後はダイエットジャンルが増えてくかもしれませんね。現代社会の闇をするどく、そしてエロく描く本作を是非お楽しみください。

聞くところによると紙の方も販売好調だそうで早速重版かかったそうですよ。


やたらめったらのむっちり漫画『エルフさんは痩せられない。』

どうも、ハンハンス(@hanhans7th)と申します。今回ご紹介いたしますのはシネクドキ『エルフさんは痩せられない。』1巻であります。どういう漫画か。それは、現代の闇が生み出した、悲しい物語です。

当然嘘です。が、全くの嘘でもありません。この漫画の題名通り、エルフさんが痩せられない理由が、現代の高カロリー食、というかフライドポテト、という闇によって生み出されているからです。

ということで再度どういう漫画かと言う話をしますと、現代日本へと異世界からやってきているエルフさん(偽名は絵留札)が、元の世界に帰る為にダイエットをしよう、というものです。軽いネタバレをしますと、それは1話目で達成されます。絵留札さんが行った先の整体の従業員の直江さんの尽力によって、ダイエットを成功させ、見事異世界に帰っていきます。

はい。エルフさんが痩せられないのはずが、エルフさんが痩せて帰ったら、後どうするんだよ。という声はごもっともです。ですが、ご安心ください。この後もエルフさんが痩せられない状態は維持されていきます。

そもそも、絵留札さんが太ってしまった原因は、現代の高カロリー食、フライドポテトの闇に飲まれたからです(描き下ろしでわざわざフライドポテト数種を食べ比べるとかやるくらい、闇に飲まれています)。それは、元いた世界では味わえない、まさに魅惑の味。魔の味と言ってもいいでしょう。

それを知って、更に実はちょっと体重制限があるくらいで、結構簡単にこちらの世界にアクセスできる手段があるとするなら、あなたならどうしますか?

ということで、絵留札さんはフライドポテトの魅力には勝てず、更に一回痩せて帰られたからという謎ポジティブシンキングで、こちらの世界にまたしてもやってきて、またしても太ってしまったのでした。そして、そういう無精や運動不足によって現代日本にいる異世界人の方々は、他にも、という広がりへと向かっていくのです。

この広がり方はちょっと予想してなかったので、嬉しい不意打ちでありました。正直、絵留札さん単体でも十分に持っていけるポテンシャルがあるくらい、「あれ、エルフって、こんなのだったっけ?」という疑念に囚われるのが、絵留札さんなのです。この残念なエルフさんを見ているだけでいいのでは? という感想が出るくらいです。

このダークエルフさん(偽名は黒枝)との無駄な言い争いでの、「エルフとは……」感と言いますか、「一周回ってむしろこれがエルフなのでは?」という謎の悟りを持たらされる感覚は、なんというか新鮮味があります。新ジャンル(でもないか?)駄エルフの誕生と言えるでしょう

とはいえ、この駄エルフ感というのは、他の異世界の方々との、というかダークエルフの黒枝さんとの絡みで主に立ち上がってきます。先の画像のように、二人はエルフとダークエルフ、と言うだけではないくらいに犬猿の仲です。会えば即喧嘩するくらいの仲です。

で、喧嘩すると上の画像の如き、なので絵留札さんが駄エルフなのも黒枝さんあってのものとも言えます。そして面白いのは、黒枝さんが真面目だということです。

寝てくださいの意味をはき違えたりしたりしているように、黒枝さんは本当に真面目です。実際委員長タイプです。というか、一般的なダークエルフ像とは違っているといえるでしょう。それは同時に絵留札さんが従来のエルフ像とまた違う方向性を持っているのと共鳴します。ぶっちゃけ中身入れ替えたらちゃんとエルフとダークエルフになるんじゃね? と言うと手っ取り早いでしょうか。

そういう意味では、二人でセットの感覚が、絵留札さんと黒枝さんにはあるのだな、とも。だからなのか、他の異世界の方達も、個々人で独特の雰囲気を持っていて、絵留札さんの駄エルフ感だけで押してこない、きっちり人外女の人わんさかコメディという部分を見せているのだな、と読むうちに理解出来たりします。

さておき。

この漫画は上記画像から分かるように基本はダイエットネタを絡めつつの人外女の人コメディ漫画ですが、同時にやたらめったらのむっちり漫画でもあります。主役格で指導役である直江さんからして、むっちり大好き人間ですが、それ以上に明らかにシネクドキ先生がむっちりが好きだと断言出来ると思います。

表紙の絵留札さんの腹肉辺りのむちっとした感じとか、絵留札さん以下、他に登場する異世界人の方々も例外なくむっちりしているとか、指摘する暇がないほどの証左がそこかしこに見られます。

で、そんな中でも黒枝さんのおしりのむっちりが最も良いむっちりと、個人的に信じてやみません。

このむっちりとした尻の感じときたら! ド迫力! そして尻圧のせいで魔法を使う為の礼装が着れなくて、というガチな悩みなんだけどどうしても笑ってしまうのも相まって、「この巻のベストむっちりは間違いなくここだろう」という謎の言葉がするっと出てきます。それくらいにインパクトの強い尻であります。

そして、この漫画はむっちりの理由をきっちり出してきます。先の黒枝さんだと運動不足と立ち仕事の為に下半身がむくんでしまって、とかですね。単にむっちりだからむっちり、というのではなく、一応の理由を立てて、だからこうするといい、というダイエット情報の流れを作っているのです。

漫画の主題である痩せられない絡みのコメディ部分と、自身の性癖を絡める見事なジョブだと言って構わないでしょう。ダイエット情報の方も過不足なく、話の流れを断ち切らず、というこれも見事なジョブで、言い過ぎると漫画と言う媒体が持つ情報伝播力を感じずにはいられないものでした。同時にこのむっちりいいだろう? って顔してくるのも含めて、趣味と実益を兼ねる、をまさに体現している漫画ではないでしょうか。

ということで、『エルフさんは痩せられない。』のご紹介でした。まとめると、むっちりを描く趣味とコメディを描く実益のバランスがきっちり取れた漫画、と言えるでしょう。ダイエット雑学的な部分を押さえつつ、むっちりをきっちり描くその姿。いいものだと思います。

AmazonKindle電子書籍で『エルフさんは痩せられない。』

エルフさんは痩せられない。 1巻

シネクドキ (著)
価格:648円

エルフさんはなぜ肥えた? 世界初!?“ぽっちゃり”日常ファンタジー待望の第1巻!! ダイエットを決意したエルフが向かったのは・・・? 単行本描き下ろしショートに加え、よみきり連載「元祖喫茶セイレーン」「りんりんたぬき」も初収録。

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【書評】きんどう書評企画のビジネスモデルも図解できます『リクルートの すごい構“創”力』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。いま、話題のビジネス書『リクルートの すごい構“創”力』のレビューをいただきました。

リクルート流のビジネス書といえば、わたしは大塚寿さんの『リクルート式』を随分読み込みまして、きんどうの基盤づくりを考えてた際かなり参考にしました。本書はそんなリクルートビジネスをボスコントップが解説した1冊です。新規事業開発や、スタートアップなどビジネスマンが読むと意識が随分高まりますが、SNSの運用やブログの利用法にも応用可能なノウハウが満載のようですね。

また、今回はレビューアーな方が本書のモデルを利用してきんどうの書評企画を解説いただきました。こっ恥ずかしいですが、嬉しいものですね。ありがとうございます。


本書はすべてのビジネスマンが読むべき一冊である

松江だんだん道路(@matsue_dan_dan)と申します。非公開のアカウントですが、よろしくお願いいたします。

リクルートという会社について皆さん知らない方はいないでしょう。リクナビ、ホットペッパー、SUUMO、ゼクシィ、カーセンサー、スタディサプリ・・・。扱う業種は多岐に及んでいて、一体何屋さんなのか分からなくなるほどです。

そんな多彩で特殊なリクルートは、社内の仕組みについても、とても特殊です。そんなリクルートの新規事業構“創”の手法を、経営コンサルタントとして17年関わったボストン コンサルティング グループ (BCG)日本代表の杉田浩章氏によって記されたのが本書です。

本書では、リクルートの新規事業を成功させるためのメソッドについて、ホットペッパー、ゼクシィ、カーセンサーなど、実際の事業を例にとりながら、何が問題となり、どう解決していったかに沿って、誰にでも分かるように説明しています。

リクルートには、新規事業を進めるにあたっての思考の型、方法の型があります。それぞれサービスで扱う業種が異なるにも関わらず、いかにして圧倒的なシェアを勝ち取っているのか。その秘訣に迫ることで、皆さんが新規事業や経営企画を考えるときの、大きな助けとなります。

おすすめの業界は、スタートアップ企業やメディア業界。読者でいえば、起業家や経営企画、マーケティングやコンサルタントです。とはいえ、このメソッドは経営の上層部だけでなく、リクルート全社員に浸透しているものです。さらにいえば、これはトップダウンで行うためのものでなく、ボトムアップで提案されることよって真価を発揮するものです。ですので、本書はすべてのビジネスマンが読むべきものといって良いでしょう。

リクルートのリボンモデル

新規事業を生み出す際に、リクルートは上記の図を使います。この図はリボンモデルと呼ばれています。リボンの左側には私たちのようなカスタマー、リボンの右側にはサービスを提供するクライアント企業、そしてそれらの中心にリクルートを置いて、いかにしてカスタマーとクライアントのマッチングを最大化するかを、しつこく突き詰めていきます。

リクルートの特殊な点は、人の不満や不便といった「不」の解決を目指すところで、そこに新規事業を提案した本人の、思いの強さも重要視します。

私が素敵だと感じたのが、NewRINGやRV(RECRUIT VENTURES)といった、リクルートグループ各社の新規事業提案制度です。経営陣よりも新入社員や内定者といったボトムアップからの応募を推奨している点、さらに、「新規事業のアイディアを生み出す人はカッコイイ」という気風があり、高い実績を上げた人を惜しみなく称賛するという雰囲気が醸成されている点、そこが素敵だと感じました。

3つのステージと9つのメソッド

リクルートの新規事業は、何もない0から、1を生み出して終わりではありません。むしろその後が本領で、1から10の段階、つまり市場で圧倒的なシェアを勝ち取る段階を、徹底的に突き詰めていくところが優れています。成長や収益が見込めないと判断されれば、あっさりと撤退します。たとえそれが私たちにはうまくいっているように見える事業であってもです。事実、フリペーパー・WEBメディアのR25も、多くの愛読者を抱えながらサービス終了となりました。こうした容赦のない割り切り方は、なかなかできないところです。

本書は新規事業のみならず、多くの企画やプロジェクトにも応用できます。また、日々の業務にも参考となる点は多いはずです。

折しも今回、ユーザー参加型の書評(PR)記事依頼の企画が始まったこともあり、私は本企画を新規事業に置き換えて読み進めることができました。先日原稿料について2,000円~3,000円は「買い叩き」だとする厳しい批判があり、そうした点もマネタイズという点と絡めて、実際の問題として考えることができました。リクルートはマネタイズという収益の構造について、具体的に「誰」の「どこのお金」が動くのかについても明確にするので、素晴らしいと感じました

リクルート社内の仕組みや独特な用語について、当初は戸惑いもありました。しかし、私たちが普段よく利用するサービスの裏側はとても興味深く、ワクワクしながら読むことができました。

さきほどのリボンモデルや3つのステージについても、シンプルな考えに基づいていて、表も繰り返し登場するので、理解につまずくことはありませんでした。リクルートの特殊さは、反省と洞察に裏打ちされた理由があることに気づき、突飛な行動をしているわけではないのだと、次第に納得することができました。リクルート式ビジネス書は数多く出ていますが、本書はその入門書でもよいのではないでしょうか。

今ではこのメソッドを、多くの企業や個人が基本的なツールとして利用してほしいと思っています。これをリクルートだけのメソッドにしておくことは、あまりにもったいなく、社会的な損失であるとすら感じます。

さきほどユーザー参加型の書評記事依頼を新規事業と置き換えて読むことができたと記しました。

たとえばこの企画でいえば、リボンモデルの左端を、私のような駆け出しの書評ライター、右端をamazonとして考え、その中心にきんどうさんがいると考えることができます。(このリボンモデルはあくまで一例です。リボンモデルに誰を置くかということも、このパターン以外にいくつも考えられます。)

次に「不」とは何かを考えたとき、わたしたちのような無名で実績もない駆け出しのライターにとっては、書評を書いても読まれる場がなかったり、プロの書評レベルはハードルが高くて尻込みするといった「不」があるでしょう。一方のamazonは、自社で書評ライターを揃えるための人的リソースがない、新刊はできるだけ早くPRしたいという「不」があるのではと考えられます。

そして、きんどうさんは、この書評企画というプラットフォームを設けることで、私たち駆け出しのライターに書く場を与え、amazonに対してはこれまでよりもたくさんの書評を提供できます。そうすることで、サイト全体が盛り上がり、収益が向上する可能性が出てきます。

また、マネタイズ、具体的に「誰」の「どこのお金」が動くのかについて考えたとき、ここではamazonのアソシエイトプログラムという広告宣伝費が、それに当たるといえるでしょう。その上で、サイトを運営していく上での諸経費や、きんどうさんご自身の人件費などを差し引いた金額が、具体的な動くべきお金のはずです。

こうした点を踏まえて、実際に企画としてテストしていきながら、少しずつ修正を重ねていく(たとえば同じ書評は、いくつまでならブログのPVと、実際の書籍購入に至ったコンバージョンがうまく釣り合うかなどを見極めていく)ことが大切であると、気づくことができました。加えて何より大切なのが、もしも思うような収益が見込めない場合、潔く撤退することもありだということです

ITスキルや会計知識、プログラミングやコミュニケーション力など、ビジネスにはたくさんのスキルが求められています。本書で述べられたメソッドも、間違いなくこれからのビジネスで重要な要素です。本書には、ぐるぐる図や価値KPI、ナレッジ共有や10から先の段階など、まだまだご紹介しきれていないことが多くあります。ぜひ興味があれば読んでみることをおすすめします。

ビジネスマン必読です!

AmazonKindle電子書籍で『リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド』

リクルートの すごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド

杉田浩章 (著)
価格:1,600円
★★★★* 7件のレビュー

リクルートには、個人のアイデアを拾い上げてブラッシュアップし、 驚異的なスピードと爆発力で展開するしくみを組織全体で共有しているのだ。 昨今話題の「リーン・スタートアップ」「アジャイル」と似た手法を、 シリコンバレーに先駆けて実践していたのがリクルートである。 本書は、第一線の戦略コンサルタントが、その手法を分析し、一般の企業に応用する方法を解説する。

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【本宣】『ULTRAMAN』『アトムザ・ビギニング』1巻無料、2巻半額、そして全巻半額作品も『ヒーローズ祭』開催中

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。出版社やクリエイターから直接アピールいただく番組宣伝ならぬ【本宣】。今回はヒーローズさんから開催中のキャンペーン『ヒーローズ祭り』の案内をいただきました。(7月16日まで)

こちらはAmazon以外に大手の電子書籍ストアがたくさん参加している毎年恒例のキャンペーンですね。去年までは100%OFFだったのですが、今年からは期間限定無料みたい。ちょうどネットでは『天元突破グレンラガン』の重大発表が話題になっていますが……特に、それは触れられず新刊発売した『ULTRAMAN』やTVアニメもプライムビデオ配信中の『アトムザ・ビギニング』を中心に無料キャンペーン作品の紹介をいただきました。


33作品が特別価格 夏の“ヒーローズ祭”

みなさまこんにちは。ヒーローズのウェブ担当です。

ヒーローズって?という方多いかもしれません。全国のセブンイレブンにて税込み200円で販売している「月刊ヒーローズ」といコミック雑誌を刊行している出版社です。

「月刊ヒーローズ」にはウルトラマンや仮面ライダー、鉄腕アトム、ガッチャマンなど誰もが知っているレジェンド級のヒーローから、生まれたばかりのヒーローまで多種多様な”ヒーロー”が登場します!

現在、そんなヒーロー達を皆様に紹介すべく、1巻無料や半額でお楽しみ頂ける「ヒーローズ祭」を開催しております。この機会にぜひ読んでみて下さい!!

→ 公式サイト ヒーローズ祭り

『ULTRAMAN』『アトムザ・ビギニング』など1巻無料 2巻半額キャンペーン

【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2017年7月16日】ULTRAMAN1

清水栄一 (著), 下口智裕 (著), 円谷プロ (著)
価格:0円 期間限定無料

初代ウルトラマンであった早田進の息子・早田進次郎。彼は、父の身体に残っていたウルトラマン因子による影響で、生まれながらに特殊な能力を持っていた。平和と思えていた早田親子の生活は、突然仕向けられた敵の攻撃によって一変。進次郎は、抗えない運命に巻き込まれていく…

誰もが知っている初代ウルトラマンと同化していたハヤタ・シンの息子、早田進次郎が主人公。父の身体に残っていたウルトラマン因子による影響で、生まれながらに特殊な能力を持っている彼は、その力ゆえに抗えない運命へと巻き込まれていきます。

幾重にも張り巡らされた伏線と骨太な人間ドラマ、そこに超カッコいいアクションが加わって読み応えバッチリ!ウルトラマンファンはもちろん、ウルトラマンに詳しくない方にも読んで頂きたい作品です!


【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2017年7月16日】アトム ザ・ビギニング1

手塚治虫 (著), ゆうきまさみ (著), カサハラテツロー (著)
価格:0円 期間限定無料

原因不明の大災害に見舞われた近未来の日本。それから5年後、復興が進む日本のとある大学に、ロボット開発にすべてを懸ける2人の若き研究者の姿があった──。“ゆうきまさみ”דカサハラテツロー”という、ロボット漫画を描き続けてきた2人が新解釈で描く、永遠のヒーロー“鉄腕アトム”誕生までの物語がいよいよ開幕!!

こちらは鉄腕アトムが生まれる前の物語。生みの親である天馬博士とお茶の水博士の青春時代!

書影のロボットA-106(エーテンシックス)は一見アトムと似つかない無表情なのですが、読み進めるうちにだんだんと色々な感情がみえてくるんです! 個人的には重要なキャラクターが出てくる5巻で号泣しました。

現在テレビアニメも絶賛放送中です!


【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2017年7月16日】Infini-T Force1 未来の描線

タツノコプロ (著), 小太刀右京(チーム・バレルロール) (著), 江尻立真 (著)
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界堂エミの元に届いた“なんでも願いが叶う”と記された鉛筆。それがすべての始まりだった。 コンビニ強盗に囚われ、命の危機に瀕したエミが鉛筆に願ったのは“ヒーロー”。 その願いに導かれ、現れた4人のヒーローが新たな歴史を紡ぎだす! タツノコプロ×ヒーローズが贈る新時代の英雄譚!!

ガッチャマン、破裏拳ポリマー、キャシャーン、テッカマン等、タツノコレジェンドが集結した超豪華作品!もちろん正義の味方なので悪と戦うのですが、個人的には日常パートがなんとも癒やされます。

イケメン(ヒーロー)が多数登場するので、女性にも読んで頂きたい作品ですね。ちなみにヒロインの笑(エミ)ちゃんも超可愛いですし、サービスカットあり〼。10月にはアニメの放送もひかえているので、ぜひこのタイミングで読んでみて下さい!


【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2017年7月16日】おにでか!1

矢寺圭太 (著)
価格:0円 期間限定無料

「ときめきが、セカイを救う!!?」――鬼龍院花生は、俺たちの高校のアイドルだった。だけど、俺にとって彼女は幼なじみで、ちょっと困った女だった……。たけぞうと鬼龍院はご近所さんの幼なじみ。その関係は、恋愛コメディの古典で王道。これから二人は互いの思いに気づきつつ……という大方の予想を裏切り、

ラブコメ×巨大化=ヒーローです。ラブとコメの力で世界を救おうというお話です!最高じゃないですか!「トキメキ」によって巨大化するヒロイン鬼龍院花生さんがとにかく可愛いです!!!!

ツンとした女の子ですが(たぶん)3ページに一度くらい赤面するのでニヤニヤしながら読みましょう。ヒーローズ本誌ではなく、pixivヒーローズで連載されているので、こちらもどうぞよろしくお願い致します!

AmazonKindle『ヒーローズコミックス』期間限定無料キャンペーン

AmazonKindleストア ヒーローズ祭り(7月16日まで)

番組宣伝ならぬ【本宣】は面白い企画や紹介記事を無料で載せます

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【書評】今だけポイント還元で1〜3巻が100円相当 注目のダークファンタジー『ゴブリンスレイヤー』

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。今回は期間限定セール中の作品『ゴブリンスレイヤー』のレビューをいただきました。

新刊がメインの企画ではあるんですが、対象の新刊が少なかったので変則的な募集をしてみました。こう、レアモンスターの狩猟くらいのノリで!!(ェ さて、こちらはGooglePlayへの対抗かな、期間不明で84%ポイント還元で100円相当という大幅セールになっています。

『このラノベがすごい!2017』総合5位、コミカライズも絶好調でまず間違いなくアニメ化するだろうなぁという人気作。未読の方はこの機会に是非どうぞ。


Web作品から生まれたファンタジー小説「ゴブリンスレイヤー」が本格的で面白い

えー、どうも。空野翔(@RasFortworth)と申します。今回書評に初挑戦しまして「好きな本を読んで感想書くだけで報酬が貰えるなんてヒャッホウ!」といった感じで参加させて頂きました。

GA文庫『ゴブリンスレイヤー』 数多くのゴブリンを殺す男、その名もゴブリンスレイヤー

TRPGというものをご存じでしょうか。「ドラゴンクエスト」などのRPGと呼ばれるゲームの元となったゲームで、ゲームマスターの指示の下サイコロを振って、プレイヤーが冒険を行うと言ったものです。

蝸牛くも著作「ゴブリンスレイヤー」は、TRPGから着想を得て書かれた物語で、そういったファンタジー世界の設定やキャラクターがベースに描かれています。「勇者」や「ドラゴン」「ダンジョン」といった単語に心惹かれる方なら誰でも楽しむことができるでしょう。

さて、お話の内容についてですが「主人公のゴブリンスレイヤーがゴブリンを殺しまくる」といったものです。ただそれだけです。それだけなのに、読んでいるとグイグイと話に引き込まれてしまいます

ゴブリンスレイヤーはゴブリン討伐のみの依頼をこなす冒険者です。ゴブリンを皆殺しにするためだけに、常に策を練って行動して、徹底的に敵を追い詰めます

「サイコロを振らせない」運という要素を無視した冒険者が、ただひたすらにゴブリンを殺すその様子は痛快ですが、同時に疑問も浮かんできます。

彼は冒険者の中でも銀等級という上位のランクの者です。周りの同ランクの冒険者たちは山賊や竜と戦っているにも関わらず、なぜゴブリンだけを執拗に殺しまわるのか……。その謎は先へ読み進めるにつれて少しずつ明らかになっていきます。そしてその謎を追っていくうちに、彼の過去やゴブリンに対する思いが少しずつ見えてくるのです。

冷酷で機械のようなゴブリンスレイヤーの性格は、ヒロインの女神官や異種族の仲間たちと交流していくうちに、少しずつ人間味のあるものへと変わっていきます。そんな彼の成長を見守るのもわくわくすることでしょう。一巻を読み終える頃には、ゴブリンスレイヤーという人間、そして作品の魅力に取り憑かれることでしょう。

小説版はバトルがアツい——AA作品からの発展

これを読んでいる方の中には、もしかするとWeb上で公開されているAA作品を既に読んだ方もいらっしゃるかも知れません。実を言うと、私もその一人です。買うのは嫌だけどどんなお話なのか興味がある——そんなワガママなお方は、無料でAA(アスキーアート)作品のWeb版が読めますので、先に読んでみるのもいいかも知れません。

私が読んだ限りでは、ノベライズ版の一巻はWeb上で公開されている物語の八割程度をリライトしたものになっていると思います。なんだ同じ話なのか、と気を落とすなかれ。小説版は全て文章で表現されるため、それぞれのキャラクターの描写がしっかりと描かれていることに加え、戦闘は水流のごとき勢いで進んでいき、目が離せません

私見ですが、小説版は戦闘シーンにより力が入っており、数段魅力的に描かれているように感じます。

ゴブリンスレイヤーが如何にして数の暴力で襲い掛かってくるゴブリンども(あるいはそれ以外)を屠っていくのか……これを読むことは、この作品の大きな楽しみとなるでしょう。

冒険者たちは刻一刻と変化する状況の中で、必死に知恵や筋力を振り絞って戦います。常に多勢に無勢の相手を強いられる中、ゴブリンスレイヤーと仲間たちが勝利を勝ち取っていく姿はなかなかインパクトがあります。

また、小説版は挿絵が入っており、神無月昇氏が手がけるイラストも素敵です。ゴブリンスレイヤーの無骨さ、異様さが浮き出ているだけでなく、女神官をはじめとする仲間たちも魅力的に描かれています。
AA作品のWeb版では描かれなかった、かっこいいシーンやちょっとえっちなシーンがじっくり読めますよ……。

二巻は「冒険」を始めるようになったゴブリンスレイヤーの物語

さて、先程一巻の八割ほどがWeb版と被っていると書きましたが、二巻以降はほとんどオリジナルの物語で、なんとゴブリンスレイヤーが仲間と共に未知のダンジョンへと潜ります。また、物語の後半には、ゴブリンスレイヤーが過去を回想するシーンもあり、次々と彼を取り巻く謎が解けていきます。

現在三巻までセールをしているので、一巻を読んで気に入った方は一気に三巻まで進むことをオススメします。キャラやバトル、ファンタジー設定など、魅力に溢れたこの小説は今後ますます人気が出てくることでしょう。ぜひぜひ、読んでみてくださいね。

【今だけ】AmazonKindle電子書籍で『ゴブリンスレイヤー』セール

ゴブリンスレイヤー 1〜3

蝸牛 くも (著), 神奈月 昇 (イラスト)
価格:630円 期間不明84%ポイント還元
★★★★☆ 62件のレビュー

「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」(……)彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。そんな中、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた――。圧倒的人気のWeb作品が、ついに書籍化! 蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー、開幕!

きんどうが気になっている新刊レビューしてくれる方募集

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