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自動車番組に対するイメージを完膚なきまでに壊した「The Grand Tour」

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。Amazonプライムビデオ独占配信「The Grand Tour」のレビューをきんどうユーザーさんからいただきましたのでご紹介。

「The Grand Tour」については導入編で序盤の見どころを案内していますが、シーズン2の特別編公開にあわせて前進ともいえる『TopGear』もシーズン2からシーズン22までがプライムビデオに追加されましたね。

日本のテレビ番組ではありえないほど予算を潤沢につかった話題作。クルマ好きもそうでない方も是非1・4・9・11話は笑えますので試しに見て欲しいな。

自動車番組に対するイメージを完膚なきまでに壊した「The Grand Tour」


@asano_yuxukiです。

『自動車番組』と言われたら、専門的な蘊蓄ばかりのマニア向けというイメージがあると思う。若しくは新車の購入を検討している人が『このクルマはどういったところが売りなのか』『走りの性能だったり燃費はどのくらいなのか』という視線で観るものだと私は個人的にそう思っている。

「The Grand Tour」はそんな番組ではない。一言で表すならば『世界中の自動車番組に対するイメージを完膚なきまでに壊した番組』と少なくとも私はそう言い切れる

The Grand Tourが世界中の自動車好きから注目を浴びるようになったのは何故?

ここまで読んでくれた貴方/貴女はもしかしたらそういう思いを抱いたかもしれない。

《自動車マニアが好むような構成だから》
《とにかく破天荒で分かりやすい過激さがウケていうから》

そういった要素が「面白さ」に一役買っているのは紛れもない事実だ。このように挙げた理由もあるけれど、一番の要因はイギリスBBCで放映されている「Top Gear」という自動車番組があってこそだろう。

トップ ギア シーズン22

プライム会員見放題

「Top Gear」という番組に漂う雰囲気のファクターが「The Grand Tour」に持ち込まれて受け継がれている。まるでイギリスBBCからAmazon.comに移籍した司会者陣のように。

というのもThe Grand Tourの司会者である「ジェレミー・クラークソン」「リチャード・ハモンド」「ジェームズ・メイ」の3人はTopGearの司会陣と全く同じなのだ。詳細は省くが、ジェレミー達は「ある理由」で長年に亘り司会を務めたTopGearから離れる事になる。

さらにはイギリスBBCから契約を解除されてしまう。

司会不在となったTopGearは「"新生"TopGear」として生まれ変わろうと舵を切る。イギリスで人気の高いプレゼンター、クリス・エヴァンスという人物を起用するも視聴者からの評判が芳しくなくこちらも早々に降板。Top Gearはどうにか続いているが、現在のTop Gearは司会交代やメンバーの入れ替わりなど、ジェレミー達3人が離れた影響は番組にとって計り知れないものになっているようだ。

The Grand Tourの話に戻そう。

ざっくり言うと「イギリスBBCを離れたジェレミー達がAmazonに移籍して、Top Gearでやっていたようなハチャメチャな企画満載の自動車番組」としか言いようがない。

「グランド・ツアー」という名前の通り、世界各地でロケを行い、破天荒としか言い様のない事ばかりするのだ。

特殊部隊に混じって行うロケ。

自らチョイスしたクルマで砂漠を横断……。

「"地球に"優しいクルマ」を自作してのカーレース。

そんなThe Grand Tourは当然ながら制作費が湯水の如く使われている。

JPモルガンが調査したところ、AmazonはThe Grand Tourシリーズの制作費として日本円で280億円を注ぎ込んだという。The Grand TourシリーズはAmazonだからこそ制作出来る自動車番組なのだ。

番組の詳細を書いてしまうと楽しみを奪ってしまうから詳しくは記述しない。勿論、自動車番組であることから真面目なレビューもある。時には視聴者からの辛辣なレビューもあるけれど、それは「自動車」への深い愛情が為せるものであり、視聴者が不快に思うことは滅多にない。

自動車と、それに伴う文化を愛しているからこそ支持される番組なのだ。

かつて17〜18世紀にかけて、イギリスの裕福な子ども達が国外へ旅立ち、知識や見聞を広げてた旅行の事を「グランド・ツアー」と呼ぶようだ。

21世紀に生きる私たち視聴者が自動車やそれらを取り巻く文化を面白おかしく、時には真面目に楽しく「自動車」というモノの知識を広げていく。「The Grand Tour」はまさしく現代のグランド・ツアーなのだ。

自動車は詳しくないから……。と敬遠せず、まずはシーズン1のエピソード1をお試し感覚で良いから観てほしい。バラエティと真面目さが織りなすバランスの面白さに気づいて貰えたら私はとても嬉しい

グランド・ツアー (字幕版)

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【本宣】日本が丸ごと異世界転移!? 戦乱渦巻く世界を生き残れ『日本国召喚』最新2巻Kindle配信

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。出版関係者・クリエイターご本人から作品紹介をいただく番組宣伝ならぬ【本宣】。今回は本日17日に第2巻がKindle配信される異世界召喚戦記ノベル『日本国召喚』の第1巻の見所を編集者の方よりオススメをいただきました。

本作の注目ポイントは召喚対象が高校生でも勇者でもない『日本』という国そのものというスケール感。新興ラノベレーベル「ぽにきゃんBOOKS」で最速の重版記録を叩き出したそうですよ。作者のみのろうさんはこちらがデビュー作かな? 小説家になろうで連載中のようです。キャラクターデザインは『まおゆう魔王勇者』でおなじみtoi8さんと人気イラストレーターをジョインとレーベルとして気合をいれた作品のようです。

第2巻発売記念、日本が丸ごと異世界転移ノベル『日本国召喚』ご紹介

初めまして。編集プロダクション、スタジオ・ハードデラックスの高松と申します。今回はぽにきゃんBOOKSから発売中のライトノベル『日本国召喚』をご紹介します。

第4回ネット小説大賞で受賞し、書籍化した作品です。  小説家になろう原作掲載ページ

本作では、自衛隊の在り方を現実と同様、専守防衛のスタンスで描きます。ただし異世界では助けてくれる国がありませんので、法解釈に若干の融通が利くようになっています。「こんな自衛隊が見たかった」と思うこと間違いありません。

日本国召喚 一 導かれし太陽 (ぽにきゃんBOOKS)

みのろう (著), toi8 (イラスト)
価格:1,080円

異世界の竜騎士は、自国の領空を侵犯する不思議な飛行物体を発見する。 白地に赤丸の描かれた「それ」は、竜騎士の操るワイバーンよりも速く、そして高く飛べるため、 迎撃することが出来ない。 その飛行物体は、突然異世界に飛ばされ、混乱の極みにあった日本国の航空機だった(……)覇権国家の乱立する異世界の歴史の荒波に日本は飲み込まれていく。これは、異世界で生き抜こうとする日本国の物語である。

主人公は日本国そのもの。敵は『常識』。

みのろうさんが描く『日本国召喚』は、流行の異世界モノではありますが、一味違います。異世界側の視点を中心に話が展開する架空戦記で、なんと本作には主人公が存在しません。強いて言えば、「日本国」そのものが主人公です。

舞台は、一周10万kmにも及ぶ巨大惑星。食料自給率もエネルギー自給率も低い日本は、海外からの輸入に頼っていましたから、大変な危機に瀕します。幸い、日本の近くには農業立国の『クワ・トイネ公国』、地下資源が豊富な『クイラ王国』があり、その2国と国交締結に成功するところから物語は始まります

クワ・トイネ公国、クイラ王国の隣国には『ロウリア王国』という覇権主義国家があり、長年温めていた侵略戦争を開始します。せっかく食糧難、エネルギー難を脱したと思ったら、再び大ピンチになる日本。

侵攻を開始したロウリア王国は、クワ・トイネ公国の町『ギム』の住人を虐殺してしまいます。これが、日本に「一方的虐殺からクワ・トイネ公国を救う」という大義名分を与えることに。ロウリア王国軍を『武装勢力』と位置付け、法を拡大解釈して自衛隊の派遣を決定します。

日本は現代世界で成熟した法体系を持っていますから、武力への対抗策に身動きがとりづらいわけです。どうすれば自衛隊を派遣できるか、そうした政治的駆け引きも裏に隠されています。

陸海空すべての自衛隊が活躍する!

異世界のファンタジーな生物が軍事力として運用されている、というのは、ファンタジー作品で一般的にみられるものと思いますが、これに地球の近代的な運用思想をミキシングした、比較的理解しやすい戦闘描写が売りです。列強国だけが有する、ワイバーンを搭載できる『竜母(飛行型竜種搭載航空母艦)』を、空母機動艦隊として運用する様は、胸が熱くなります。対する自衛隊はどの装備を使って、どのように無力化していくのかも見どころ。

ファンタジーと自衛隊が融合する作品といえば、巨頭『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』(アルファポリス)がありますが、陸上自衛隊の活躍が主ですよね。

欲張りな著者・みのろうさんは、全自衛隊が活躍するシーンを描きたくて本作の執筆を開始されました。しかも自衛隊だけでなく、海上保安庁が活躍するシーンもあります!

登場する国々の文明の度合いは、地球でいうところの中世から近世、一次大戦時、二次大戦時と様々。日本と友好を築きたい国、よく理解せずに排除しようとする国、情勢を利用しようと企む国など、それぞれカラーが違います。

紛争回避のための外交レベルでの日本らしい駆け引きや、局地戦から主導権を握り、世界のスターダムに駆け上がっていく展開はワクワクします。

多数のキャラクター、多彩な兵器が登場するのも魅力!

イラストには『まおゆう魔王勇者』『No.6』のtoi8さんを迎え、第2巻『滅びゆく栄光・上』からは『ARMS NOTE』『天と地と姫と 織田信奈の野望 全国版』の深井涼介さんも加わります。キャラクターデザイン・イラストをtoi8さんに、兵器デザイン・イラストを深井さんに担当していただき、万全の体制で臨みます

最新2巻は8月17日配信スタート

日本国召喚 二 滅びゆく栄光・上

みのろう (著), toi8 (イラスト)
価格:1,080円

異世界の竜騎士は、自国の領空を侵犯する不思議な飛行物体を発見する。白地に赤丸の描かれた「それ」は、竜騎士の操るワイバーンよりも速く、そして高く飛べるため、迎撃することが出来ない(……)一生懸命外交を行う。 しかし、覇権国家の乱立する異世界の歴史の荒波に日本は飲み込まれていく。 これは、異世界で生き抜こうとする日本国の物語である。

本作の書籍化にあたり、大幅な加筆修正、そして徹底的な文章の改修を施しました。さらに用語集や地図の掲載、章末に大まかな流れをまとめるなど、なるべく読みやすいようにアイディアを詰め込んでいます。

第1巻はぽにきゃんBOOKS史上最速の重版を記録し、自衛隊作品としても大変注目を集めました。現在、第3巻となる『滅びゆく栄光・下』を絶賛制作中です。ぜひこの機会に読んでいただけると嬉しいです。

『日本国召喚』公式プロフィール/関連リンク

公式URL:http://www.ponicanbooks.jp/book/1674/
公式Twitter:https://twitter.com/jp_summons
著者URL:http://mokotyama.sblo.jp/
toi8さんTwitter:https://twitter.com/toi81008
深井涼介さんURL:https://www.pixiv.net/member.php?id=43177

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【本宣】お姉ちゃんとのいちゃいちゃスローライフ”ときどき”異形ホラー! 姉なるもの2巻

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。出版関係者・クリエイターご本人から作品紹介をいただく番組宣伝ならぬ【本宣】。今回は8月26日発売*のぽち。『姉なるもの』第2巻をライターのかーずさんよりご紹介いただきます。

『姉なるもの』は人気イラストレーターであるぽち。さんのクトゥルフ神話×おねショタという二次創作同人(ウス異本)が『電撃G'sコミック』で連載化された名状しがたいシリーズですね。1巻発売時からきんどうでも話題になり、以後たびたびのセールでも着実に人気をあげてきてる作品です。

こちらの記事では注目ポイントを1巻+まもなく配信の第2巻から本作の注目ポイントを語っていただきます。 //きんどうここまで ※Kindle配信は25日となります

いちゃいちゃスローライフ"ときどき"異形ホラー!『姉なるもの』2巻

「姉萌え+クトゥルフホラー」という新境地を開拓した『姉なるもの』(公式サイト)。待ちに待った2巻が、8月26日に紙と電子書籍で同時発売されました!

両親を事故で失った孤独な少年・夕。彼は叔父の蔵の地下室で、異形の美女と出会う。
美女の「大事なものと引き換えに、望むままを与えましょう」という言葉に、夕は「姉になって欲しい」と答える。
美女は“千夜”を名乗り、人の形をまとって、夕の姉となることを誓うのだった───。
Kindleストア 姉なるもの 第2巻

千夜姉とのドキドキ同居生活が幸せすぎて悶絶!

男の子ならみんな思春期に「美人のお姉ちゃんが欲しい!」と強烈に願ったでしょう。夕の場合は、それが異質な形で実現してしまいました。

千夜は美人のお姉ちゃんですが、その正体は異形の化物。グラドルのようなおっぱいの大きさに目を奪われて気づきにくいんですが、頭には山羊の角が生えていて、足先は獣の蹄なんです。ちょっと、いや、かなりヤバイ雰囲気。

そんな悪魔との同居生活。さぞ恐ろしい目に遭うのでは……と思いきや、笑いの絶えないアットホームな田舎生活を過ごします。一緒に料理をしたり、ホースで水撒きをしたり。自然が豊かな叔父の家で、真夏の日々を千夜姉と夕は過ごします。

ある夕立にて。雷に怯えた夕に、千夜姉はスカートの中に匿ってくれます。目の前には黒いセクシーなパンツがっ!

千夜姉は、夕のことを過保護なくらいダダ甘に甘えさせてくれます。膝枕や耳かきをしてくれるなんて、夕が羨ましい……千夜姉の膝枕の感触にドップリと浸かりたい! その耳かきも、触手を自在に操って、にゅぷにゅぷと耳あかをほじって取ってくれるんです。あまりの気持ちよさにヨダレが出っぱなしで、夕の顔が蕩けて堕ちる寸前。

耳元で「いい子いい子」って囁かれながら、触手でヌルヌルと石鹸で身体を洗ってくれたこともありました。千夜姉が与えてくれる異質の法悦に、夕は身を委ねてしまいます。そんな千夜姉との官能的なシーンに毎回ゾクゾク。耳かきの時の断面図、夕のトロ顔、千夜姉の目の中にハートマーク。成年向けマンガの様式美をさりげなく組みこむことで、セクシャルなシーンをより艶っぽく描いています

飯田ぽち。の描く肉感的な千夜姉にドキドキしっぱなし! 黒髪ロングでおっぱいが大きくて清楚なワンピース姿。そんな千夜姉に甘える心地よさたるや、至福の瞬間です。

ハートウォーミングなドラマとしての『姉なるもの』

一方の夕は、14歳にしては線が細い、頼りなさそうな子に見えます。ですが千夜姉と最初に出会った蔵の中。異形の化け物から逃げようとする時に、しっかりと千夜姉の腕を取って、見捨てない素振りを見せるんです(実際には千夜姉の方が、その怪物より百兆倍以上は強いと思うんですけど)。

怖がりだけど、勇気と正しい心を持つ少年もまた魅力的です。幽霊にすら嫌われたくないと考える夕の優しさを、千夜姉は褒め称えます。

「どんなモノにも優しくできるって素敵なことだわ」(1巻 第四夜)

家族を失った夕には、孤独の心を浮き彫りにする描写がちらほら。夕の孤独が切ないからこそ、彼に寄り添う千夜が、より鮮明に輝いています。それが『姉なるもの』のハートフルな作風に繋がっているのでしょう。

8月26日には、『姉なるもの』2巻が発売されました。1巻に続いて2巻でも、虫取り、スイカ割り、雨宿りなど、夏のイベントが盛りだくさん! 千夜と夕は自然に囲まれた田舎でまったりと過ごしていき、より姉弟の絆を深めていく様子が描かれています。

萌えとゴシックホラーの華麗なる融合

ちょっとエッチな千夜姉とのスローライフが居心地いい『姉なるもの』。しかし日常ドラマの端々には、千夜姉の異常な身体性がチラホラと顔を覗かせます。

例えば、夕がいじめられたと勘違いした千夜姉が、本来の悪魔の姿に戻ってブチ切れます。また、田んぼの溝に落下しても触手で身体を浮かせます。その都度、千夜姉がヒトとは違う異形の存在であることを実感させられます。千夜姉の正体は「千の仔孕む森の黒山羊」。クトゥルフ神話(※)でシュブ=ニグラスと呼ばれている豊穣の母神なんです。

※アメリカの小説家であるハワード・フィリップス・ラヴクラフトが提唱した、架空の神々や地名を描いた世界観の総称。日本でも朝松健、菊地秀行ら数多くのフォロワーがいる。近年で有名なのは『這いよれ!ニャル子さん』(逢空万太 著)

ゴシックホラー文学を下地にしているだけあって、日常からちょっと脇にそれるだけで、どこか深い闇に踏み込んでしまう。そんな抗えない「魔」が潜んでいます。特に強烈なのが2巻のネズミ騒動。ネズミというか、髪の毛が生えていて体躯もでかい。これまた異形の怪物が登場します。ネズミ退治のために蔵の奥を調べる夕と千夜姉。散らかったまま片付けができないことを恥ずかしがる千夜姉を、「しょうがないなあ」って目で暖かく見守る夕。ニヤニヤできる珠玉の萌えシーン……なのですが。

夕がその場からいなくなると、奥の暗闇には大量の獣の目がビッシリと……。千夜姉は髪の触手を部屋中に這わせて、そのまま異形のネズミをドロドロに溶かしてしまいます。

「ぜぇんぶ綺麗にお片付けしなきゃ、ね」(2巻 第十夜)

ニッコリと微笑んだ美人の笑顔と、禍々しく散っていく獣のギャップに恐怖を感じます。クトゥルフ神話の「日常に潜む非日常の恐怖」を、これでもかっていうくらい見事に体現しているシーン。幸せな田舎暮らしを堪能しているのに、ある瞬間、異形の世界とリンクする恐ろしさ。これもまた『姉なるもの』のオリジナリティに繋がっています。

2巻 第十一夜では千夜姉のスイカ割りに挑戦するも、コミカルでホラーな結末が待っています。恐怖だけじゃなく、おかしさも含んだブラックジョークが最高。姉と弟の蜜月な暮らしとクトゥルフ神話を共存させた新感覚ホームコメディ。その真髄が、このエピソードに凝縮されています

あなたが深淵を覗く時、千夜姉もまた、あなたを覗いているのだ───。

最新2巻は8月25日AmazonKindleで、堂々発売。

姉なるもの 2

飯田 ぽち。 (著)
価格:616円

天涯孤独な少年・夕は、世話になっていたおじの家の蔵で、美しくも冒涜的な何かと出会った。【千の仔孕む森の黒山羊】と呼ばれる“それ”に、夕は自分の姉になることを願う。(……)クトゥルフ神話を下敷きに、千夜と夕の姉弟生活がハートウォーミングに、時に淫靡に、そして不穏さを漂わせながら描かれる。不吉な予感を漂わせながら綴られる、姉弟の日々の行方は……? 話題作『姉なるもの』第2巻、堂々発売。

姉なるもの 1

飯田 ぽち。 (著)
価格:554円
★★★★* 49件のレビュー

天涯孤独な少年・夕はある日、美しくも冒涜的な何かと出会った。【千の仔孕む森の黒山羊】と呼ばれる「それ」に、夕は自分の姉になることを願う。すると「それ」は「千夜」と名を変えて、彼の姉になり――? クトゥルフ神話の最果てで、姉弟の愛を描く『姉なるもの』、第1巻堂々発売。

公式ニュース:『姉なるもの』新刊発売記念フェアを一部書店で実施決定


コミックス第2巻の発売を目前に控えた『姉なるもの』ですが、新たな発売記念フェアの実施が決定しました。
対象店舗で電撃コミックス『姉なるもの』第2巻を購入した方には限定着せ替えカバーが、第1巻を購入した方には特典ペーパーが配布されます。
姉なるもの公式サイト

ライター紹介:かーず

かーずSPオタク系個人ニュースサイトかーずSP管理人。そのほか、フリーライター業や中華麺の製麺業に従事している。得意なジャンルはアニメ、マンガなどの「萌えキャラ」全般。ただし二次元専門です。

かーずSP

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【本宣】神野オキナが20年間小説屋をやっていてようやく書けた大人の寓話 カミカゼの邦

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。出版関係者・クリエイターご本人から作品紹介をいただく番組宣伝ならぬ【本宣】

今回はベテラン作家・神野オキナ先生が20年間小説屋をやっていてようやく書けたという大人の寓話、8月29日発売の新作「カミカゼの邦」の紹介をいただきます。

Kindle版には珍しく帯が表紙についてますね。"発売前から文芸評論家・書店員の間で話題沸騰!"という2017年最強のエンタテインメント。沖縄在住の神野オキナさんが沖縄を戦場にしてしまう国際謀略アクションをお楽しみください。

神野オキナが20年間小説屋をやっていてようやく書けた大人の寓話 カミカゼの邦

こんにちは、小説家の神野オキナです。月日に徳間書店より一「カミカゼの邦」がKindle配信されますのでご紹介します。

魚釣島に民間人が上陸、それを中国政府が確保、このことをきっかけに日本と中国は対立を本格化し、やがてそれはミサイル攻撃となって沖縄を戦場に変えてしまう”……というところから始まる一般文芸向け作品

先に書いた冒頭部分のあらすじをご覧になれば判るとおり、これまでの脳天気系から打って変わって、シリアスなバイオレンス&アクションな謀略小説、となっております。

カミカゼの邦(くに)

神野オキナ (著)
価格:1,642円

魚釣島で日本人が中国人民解放軍に拘束されたことを機に海自と中国軍が交戦状態に入った。在日米軍もこれに呼応。沖縄を舞台に“戦争”が勃発した。米軍によって組織された民間の自警軍――琉球義勇軍に参加した沖縄生まれの渋谷賢雄は激戦を生き抜く。そして突然の終戦。東京に移った賢雄の周辺で暗躍する中国の非合法工作員〈紙の虎〉の真の目的は――? やがて賢雄のもとにかつての部下たちが集う。国際謀略アクション小説、新たな傑作の誕生。

とにかく、我ながら面白いものが出来ました。その意気込みに答えて下さったのが自宅警備隊の方たちで、Twitterの上で、こういう形でバックアップしていただくことになりました。

自宅警備隊らによる作品紹介コント

Twitterモーメント:【自宅警備隊宅外派遣】自宅警備隊【臨時編成突入チーム】(誤解)

モーメント上にあることはまあ一種のコントですが、この「カミカゼの邦」を気に入っていただけたのでここまでして頂けたのだ、と思います。

20年間小説屋をやっていてようやく『大人のための寓話』が書けました

デビューしたときから追及している「政治や思想に関係のない、また『近くの異世界』ではない、あらゆるドラマの舞台としての沖縄」の、これまでの総決算作となりました。(本編の舞台は本州に移ってゆくのですが……)

戦争物であり、謀略モノであり、不器用な恋愛モノでもあり、エロスとバイオレンスがてんこ盛りです。また、読んでいる方が息切れしないようにユーモアも少々あります。

20年間小説屋をやっていてようやく、(本人的には)『大人のための寓話』が書けました。この「カミカゼの邦」は内容的にも作業的にも(こちらは編集部の御厚意もありますが)限界まで手を抜かないで作り上げた、初めての長編小説です。

これまでの自分の中にありながら、フルアクセルで出力していなかったモノ、ということで400字詰め原稿用紙で1300枚、600キロバイト近いものを、ほぼぶっ続けで書きまくり、二ヶ月で一気に仕上げました。

それだけならただの荒っぽい小説です。

もちろん、その後半年をかけて、修正と校閲を繰り返し、改修部分も含めるとその1.5倍近い分量の小説となりました。目指したのは「望月三起也先生の漫画の空気を、なんとか小説で再現できないか」ということでした。

「夜明けのマッキー」や「最前線」などの戦場漫画、代表作「ワイルド7」などの現代アクション漫画、ダイナミックなストーリー、多彩な登場人物、粋なギミックやガジェットの使い方。あのワクワクした感じを、物真似ではなく、今より少し未来の日本を舞台にして再生したい、と願いながら作りました。

そして「チームもの」のアクション小説としての基準点だったのは矢作俊彦、司城 志朗先生のコンビで書かれた小説「ブロードウェイの戦車」とドン・ペンドルトンの「マフィアへの挑戦」の二巻目「抹殺部隊」。

前者は「忠臣蔵」を海外を舞台にした冒険小説に換骨奪胎したという傑作で、後者は一時シルベスター・スタローン主演で映画化の話もあった、長編人気アクションシリーズの二巻目で、こちらも340巻を超えるシリーズの中の、最高傑作と呼ばれる作品。

映画で言えば「エクスベンダブルズ」ではなく「ワイルドギース」や「戦場の犬たち」、「暁の七人」「戦争プロフェッショナル」のような作品を今の描き方で、というのも頭の中でありました。

この名作たちからから、真似にならないように遠く離れつつ、どうやって面白さの面で近づいていくか、が小説としてのテーマでした。

カミカゼの邦(くに)

神野オキナ (著)
価格:1,642円

魚釣島で日本人が中国人民解放軍に拘束されたことを機に海自と中国軍が交戦状態に入った。在日米軍もこれに呼応。沖縄を舞台に“戦争”が勃発した。米軍によって組織された民間の自警軍――琉球義勇軍に参加した沖縄生まれの渋谷賢雄は激戦を生き抜く。そして突然の終戦。東京に移った賢雄の周辺で暗躍する中国の非合法工作員〈紙の虎〉の真の目的は――? やがて賢雄のもとにかつての部下たちが集う。国際謀略アクション小説、新たな傑作の誕生。

おわりに

神野オキナ自身としては、今回かなり上手くいったと思っています。これまで20年の作家人生で、「自信作です」という言葉はなるべく避けてきました。

全て自信作である、というのと同時にその言葉を使う時は本当に心の底からそう言える作品、アクセルを本気で全部踏み込んだ作品、と決めていたからです。

ようやくそれを使う時が来た、と思っています。恐らく、良くも悪くもこの作品が、神野オキナという作家の将来を決定することは、間違いないと思います。紙の本が発売と同時にKindleの電子書籍版も発売になります。では、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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『マンガ酒』漫画家とお酒の幸せな関係を描くリレーコミック *ただし下戸が多い

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。今回はコミックゼノンで連載された酒と肴と孤独な夜に振り回される、漫画家たち25名の悲喜劇を描いた『マンガ酒』をアサノユウキ(asano_yuxuki)さんから頂きました。

本作についてはAmazonレビューや記事内でも触れられていますが『なぜか下戸が多い』という酒マンガとして斜め方向にすっとんだ仕様のようですね。

以前より、きんどうではお酒×Kindleという読書スタイルを提唱しておりますので「よぉーし、今夜は何か読みながら呑むぞぉ」という時に本書を思い出してもらいたいですね。//きんどうここまで


お酒+漫画家のコミックエッセイ『マンガ酒』

「お酒」を題材にした漫画に触れたことのある人は多いと思う。例えば「夏子の酒」なんかはテレビドラマ化もされた事もあり、読んだことのある人も多いと思う。

近年では「ワカコ酒」という漫画作品がアニメ化、ドラマ化したこともあり、酒という"オトナのモノ»を題材にした作品がアニメ、ドラマとメディアミックスな広がりを見せている。今回書評を書く『マンガ酒』はワカコ酒の著者、新久千映(@chiezoooou)さんなど漫画家25名による「お酒」をテーマにしたリレーマンガ企画。作品に登場する漫画家さんの「お酒」に纏わるエピソードが収録されている

「漫画家+お酒」で綴られたお話はユーモラスで溢れたものばかり。紹介されているおつまみは思わず試してみたくなるものが多数あって参考になる。

ビール片手に野球観戦。クラブで飲むお酒。体験してみたくなったシチュエーションも良いものだった。お酒のお供として「マンガ酒」はいかがだろうか?

下戸が多い『お酒の漫画』

タイトルからして飲ん兵衛の漫画家さんを集めて、その呑みっぷりとかお酒に対する拘りを収録した本だと思いきや、登場人物は意外と下戸が多い。「ワカコ酒」のような呑兵衛を描いた作品とはアプローチの違う「お酒マンガ」となっている。

漫画家:鈴木小波

「お酒」を軸にした人間ドラマ

酒は人間関係の潤滑油。なんて言葉を聞いたことのある人は少なくはないと思う。腹を割った結果、本音や愚痴を紡ぐのはアルコールの為せる業であるのは否めないと感じる。

同じ釜の飯ならぬ「同じ席の酒」とでも言えようか。下戸、上戸、それぞれが何かしらの「お酒」に絡まるエピソードが綴られている作品なのだ。

漫画家:水瀬マユ

「飯テロ」と「酒テロ」

ネットスラングとしてすっかりお馴染みの言葉になった飯テロ。『マンガ酒』も例に漏れず美味しそうなおつまみや一品料理が巧みに描かれている。

漫画家:渡辺祥智

そして酒テロ。

様々なシチュエーションでお酒を飲む描写、酒好きには「あるある」と同意する場面がきっとあるはず。作品のお供に好きなお酒を用意したくなる描写には魅了される人も多いだろう。

漫画家:田丸鴇彦

お酒をテーマにした漫画ならば自然と酒飲みばかりが登場するものと思ってしまうだろう。しかしこの漫画は上述したように登場人物に下戸が多い

『マンガ酒』は題材に沿って描いたようでありながら、それらに囚われない「自由さ」をも秘めた意欲作であると感じた。

題材や形式に囚われずに何かを「創る」というのは漫画、小説、イラストといった媒体を問わない難しさがある。

それでも一風変わった『マンガ酒』という漫画を生み出したのは著者の発想力や意欲さ、勿論その他の要因もあると思われるが、何といっても「お酒」への愛情が何よりの原動力であるのではないかとこの作品を読んだ私はそんな思いを感じた。

AmazonKindle電子書籍で『マンガ酒』

マンガ酒

新久千映 (著), 北駒生 (著), 鈴木小波 (著), 他 (著)
価格:540円

コミックゼノンで大人気連載した「マンガ酒」がついにコミックス化!酒と肴と孤独な夜に振り回される、漫画家悲喜劇(トラジコメディー)☆

あわせてどうぞ!8月30日現在、1巻無料キャンペーン

ワカコ酒

新久千映 (著)
価格:0円 100%OFF

村崎ワカコ26歳。酒飲みの舌を持って生まれたがゆえに今宵も居場所を求めてさすらう女ひとり酒。あなたの隣にいるかもしれない、おひとり様仕様の呑兵衛ショート♪

きんどうが気になっている新刊レビューしてくれる方募集

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『俺、ツインテールになります。』がプライムビデオに来たから見てくれ!カッコイイから!

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。Amazonプライムビデオ見放題にTVアニメ『俺、ツインテールになります。』が配信されましたので、ライターのかーず karzspさんにレビューをいただきました

本作はガガガ文庫の同タイトルのライトノベルをアニメ化した作品。作者・水沢夢さんのデビュー作であり、現在も刊行中の人気シリーズですね。しっかりとしたストーリーに、熱いアクション。そして敵味方にあふれる変態性。TwitterでもAmazonレビューでも『最高』『変態』と褒め称えられています。//きんどうここまで

特撮の熱い戦いと、キレッキレのドタバタギャグが冴え渡る

『ソードアート・オンライン二期』や『ピンポン THE ANIMATION』など個人的に激戦区だった2014年アニメ。その中でも毎週、大騒ぎをしていたほどドハマリしていたのが『俺、ツインテールになります。』。ついに9月Amazonプライム見放題で配信が開始されました。これでスマホ・PC・タブレットで、いつでも繰り返し観られますよ!

あらすじ

俺、ツインテールになります。 2014

プライム会員見放題

主人公・観束総二(みつか そうじ)は異常なほどツインテールを愛する男子高校生。そんな総二の前に、異世界から謎の美少女・トゥアールが現れる。トゥアールからブレスレッド『テイルギア』を託された総二は、幼女のツインテール戦士・テイルレッドに変身。世界最強のツインテール属性(=愛情)を力に変えて、侵略する異世界人と戦うのだった。

ツインテールにかける熱い魂がカッコイイ!

あらすじからして「ツインテール推し」が目立つ本作。何をバカバカしいことを……そう、バカなノリなんです。敵の怪人も、リボン属性、メイド属性、貧乳属性などこだわりのフェチズムで対抗する(気色悪い)攻撃の数々。しかし、総二たちは本気も本気。ガチンコでバトルする熱い正義の物語に昇華されています。

バカ野郎! あいつらはツインテールを狙ってるんだ! 見過ごせるわけないだろ!

二刀の剣は、俺のツインテール! ツインテールだから、強いんだッ!!

見よこの熱血! この手のノリはテレが入るととたんにスベってしまうんですが、総二が全力でツインテールに命をかけているからこそ、一周してカッコイイ燃える展開になっているんです!

美少女の下ネタギャグにノリツッコミ。ドタバタ劇がツボにハマる

総二は有名になることを望んでいません。でも女体化したレイルレッドは「可愛い~」と世界的な大人気になっていて、チヤホヤされまくってます。本人の望みとは逆に、上へ上へと上っていく構造。『デトロイト・メタル・シティ』と同じコメディ要素を内包しています。

男子がテイルレッドに変身すると幼女になってしまうギミック。これも性転換、「TS属性」というフェチズムの一種です。

なぜ幼女なのかというと、トゥアールの趣味だから……って身も蓋もない。いろいろと錯綜したフェチの入り乱れっぷりが笑えます。11話では女体化が解除できなくなった総二がトイレを我慢するという、TSもののお約束展開も実にイイ。

総二はツインテールを異常なほど愛してますが、決してエロい気持ちに向かわないのも好感がもてます。純粋にツインテールを愛しているわけで、「そっちの方が業が深いだろ!」ってツッコミたくなりますけど、エロい方向へ全力で突っ走っているトゥアールの方がいろんな意味でヒドイです。

トゥアールは愛嬌のある美貌、グラマラスな身体、白髪ロングの完璧な美少女。ですが口を開けば下ネタばかりという残念美人。しかも総二に一目惚れして、貞操を狙っているとんでもない肉食系女子です。テイルギアの説明するためにベッドに誘ったり、胸の谷間に総二の顔を埋めたりといった色仕掛けが日常茶飯事。

「なぜ変身すると女の子になるのか?」って総二の疑問に、

「通常、女になったということは、蕾が開かれて、男を知ったという……」(2話より)

言葉尻を捉えてエロい脱線をしたり、

「メスが牡に発情して何が悪いんですか!」(3話より)

開き直ったり、無軌道な下ネタギャグ。これを歌手やグラビア活動など、アイドル声優として活躍する内田真礼が熱演しているのも見どころ・聴きどころ・笑いどころになっています。

そんなトゥアールの下ネタに、幼なじみの津辺愛香(つべ あいか / テイルブルー)が怒りのビンタや四の字固めを食らわせるというベタなノリツッコミも健在。極上のスラップスティック・コメディに仕上がっています。

特撮とアニメ、いいとこ取りの演出もグッド

レッド、ブルー、イエローの正義の味方が怪人と戦うフォーマット。王道の特撮戦隊ものを下地にしているんですね。黒の全身タイツの戦闘員たちが「イーッ」と叫びながら襲ってきたり、幼い女の子が捕まって人質になったり、やられた怪人が爆発したり、特撮のお約束もバッチリ。その上で、アニメならではの凝ったバトルシーンが面白さをより引き立てています。

※後ろの戦闘員、幼女のツインテールをピコピコ上下させてます。作中様々なツインテールへのこだわりが垣間見えます。

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以下、ネタバレが少し含まれます

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最終話、テイルレッドと怪人・アラクネギルディの戦い。テイルレッドが最後の攻撃をアラクネギルディに食らわせるシーンがシビレます。同じ攻撃を三度、別の角度から繰り返す、出崎統監督の得意とする「三回PAN」を取り入れた見事な演出になってます。アニメと特撮の華麗なる融合がここに!

さらに怪人たちの声も速水奨、岩田光央、関俊彦など豪華声優が担当しています。もちろん特撮といえば稲田徹も第一話の最初の怪人役として登場。色々と「わかってる!」感が溢れ出ていてニヤニヤしちゃいます。

フェチズムを軸とした萌えコメディだけじゃなく、こうした特撮への熱いリスペクト精神が感じらるのもポイントです。ツインテールや性転換といった属性の「萌え」+熱血主人公による特撮バトルの「燃え」。どっちも楽しめるアニメになってますよ。

プライム会員なら追加料金不要で見放題

俺、ツインテールになります。 2014

プライム会員見放題

水沢夢のデビュー作をアニメ化。ツインテールを愛して止まない男子高校生が少女姿のテイルレッドに変身し、ツインテールを守るために異世界の怪人たちと戦う。(C)水沢 夢・小学館/製作委員会はツインテールになります。

最新13巻が8/23よりAmazonKindleに配信中です

俺、ツインテールになります。13 (ガガガ文庫)

水沢夢 (著), 春日歩 (イラスト)
価格:680円
★★★★★ 4件のレビュー

戦女神ヴァルキリアギルディの能力“死して尚変態”で、これまでに倒したエレメリアンたちが完全再生!積み重ねてきた全ての戦いをリセットされたツインテイルズ。彼らの終わりなき悪夢が始まった―。だが、この重大な局面で、ツインテールを失う危機に直面した愛香は、激しい恐怖心に支配されてしまう(……)そして、宿敵ドラグギルディと相見える総二!今再び、ツインテール頂上決戦の幕が上がる!!

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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【書評】『崖際のワルツ 椎名うみ作品集』思春期に手が届かなくなってしまった大人にこそ読んで欲しい

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。わたしが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。『青野くんに触りたいから死にたい』が話題の漫画家・椎名うみ作品集『崖際のワルツ』のレビューをいただきました。

本作じゃ"萩尾望都氏が感嘆した アフタヌーン新人賞「四季賞」受賞作"などを収録した作品集。調べると受賞作は『ボインちゃん』みたいですね。アフタヌーン四季賞2014 秋のコンテスト

受賞時の萩尾先生のコメントを調べると感嘆というほど力強いコメントではない気もしますが”読んだ後、とても印象に残る作品でした。さりげない会話が現代的で面白かったです” ”女の子の悩みがとてもよく描けていると思います”とのことです。 //きんどうここまで


性徴期と思春期、揺れる心の短編集

お久しぶりです。A.薬缶αです。今回紹介するのは『崖際のワルツ 椎名うみ作品集』です。

タイトルからして、狙い澄まされているイメージを感じますが、内容はそれ以上に一部の読者を狙い撃ちにしています。この書評を通して、どんな読者に『崖際のワルツ』が突き刺さるかを説明してゆきたいと思います。よろしくお願いいたします。

この椎名うみ作品集には、表題作の『崖際のワルツ』の他、『ボインちゃん』、『セーラー服を燃やして』の二編が収録されています。それぞれ30ページ程度の短いお話なのですが、タイトルから予想される通り、性徴期を迎えた小学生の困惑、不登校になってしまった中学生の葛藤などが克明に描かれています

彼女たちの葛藤は子どもから大人への過渡期にある誰しもが迎えうる、ある種の『あるある』です。それらの経験が過去になってしまった今の自分が、彼女たちの姿を見てみると、『何をそんなに思い悩んでいるのだろう?』と、『そんなに必死になることなんてないのにな』と、横槍を入れてしまいそうになります。

しかし肝心の彼女たちにとってはそうではない。ここでこの作品集の味となってくるのが、彼女たちの鬼気迫る表情です。


うまく言葉として表現できない小中学生の感情を、絶妙な表情を通して雄弁に物語ってくれています。口では説明できない。だけど彼女たちにとって、それらの問題は何よりも掛け替えのないものだということがわかります。

大人が知ったような口を聞いたところで、決して彼女たちの心に届かないのは、きっと生きている世界が違うからでしょう。

『崖際のワルツ』思春期に手が届かなくなってしまった大人にこそ読んで欲しい

それらを踏まえた上で表題作の『崖際のワルツ』です。演劇部に入部した律は強烈な個性を持った西園寺華に目をつけます。

華はその麗しい見た目とは裏腹に、演劇経験もなく、棒読みにもかかわらず声ばかりが大きく、見る者を悪い意味で引きつける生徒でした。それもそのはずで華は『その場の空気を読む力』が極度に欠けており、相手に合わせたり、空間に合わせた適度な力加減がわからないのです。

そのせいで華は、過去に友だちができた経験もなく、孤立してばかりいました。

そしてそんな華たち新入生に突きつけられた課題が『2人1組を作り、1週間後に20分の寸劇を行う』というもの。華の悪目立ちする力に目をつけた律は彼女を利用して白雪姫を成功させようと企みます。産まれてこの方、友人のいなかった華は律の誘いに乗り、初めてできた友だちに心を躍らせるのでした。

そして劇当日。律の明朗な演技と、華の力任せの演技、一見するとちぐはぐな組合わせは、ある種独特の魅力を持って見る者の心を奪います。しかしそこで事件が起こります。

ただ律の言う通りに演技をしていたはずの華が暴走し始めるのです。華は終始、場面にそぐわない笑みを浮かべながら、叫ぶような演技をし始めます。その演技が物語においてどう転ぶのかはオチにかかわる部分なので、ここでは伏せさせて貰います。

ですが『どんな物事においても、全力を出し切るしか能がない』そんな少女の不器用さや痛ましさ、そしてそれ以上に滲み出る魅力などが少しでも伝わってくれれば幸いです。

『崖際のワルツ 椎名うみ作品集』の書評は以上になります。

私はこの短編集を思春期に手が届かなくなってしまった大人にこそ読んで欲しいと思っています。自分にも合ったはずの恥ずかしさや痛ましさを、そしてそれを乗り越えてきたであろう経験を、この短編集を通して追体験していただければと思います。

AmazonKindle電子書籍で『萩尾望都氏が感嘆した、アフタヌーン新人賞「四季賞」受賞作』

崖際のワルツ 椎名うみ作品集 (アフタヌーンコミックス)

椎名うみ (著)
価格:540円

選考委員・萩尾望都氏が感嘆した、アフタヌーン新人賞「四季賞」受賞作。『ボインちゃん』教師と生徒。その埋めがたい溝をめぐる絶望と激高。『セーラー服を燃やして』華と律――ふたつの異なる才能が、舞台上で激突する。高校演劇青春活劇!!『崖際のワルツ』

椎名うみ作品『青野くんに触りたいから死にたい』のレビューも掲載しています

きんどうが気になっている新刊レビューしてくれる方募集

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【書評】阿部藍樹『白翼のポラリス』結局のところ王道が一番面白いに決まってる!

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してもらうゲストレビュー企画、第6回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作『白翼のポラリス』の紹介をいただきました。

こちらは9月28日までの講談社書籍最大50%ポイント還元の影響で、いまだけ40%還元が付与されていますね。

3月の配信以降、たびたびのセールで紹介してきましたが評価も上々な戦闘機ファンタジー。レビュアーさん曰く"結局のところ王道が一番面白いに決まってる"と言い切るボーイ・ミーツ・ガールをお楽しみください。


本当に面白い小説ってどんな物語なんだろう?「白翼のポラリス」

このたび書評を書かせていただきます、「A.薬缶α@akasat_aka_naha」と申します。よろしくお願いいたします。

今回、ご紹介させていただくのは「白翼のポラリス」というライトノベル作品であり、第6回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作です。

それにしても、ずいぶんと大それた記事タイトルにしてしまいましたが、今作「白翼のポラリス」はそうしたタイトルに相応しい傑作だと考えています。それでは早速、紹介に移らせていただきます。

結局のところ王道が一番面白いに決まってる!

ちゃっちゃと結論だけ書いてしまうと、そりゃあ王道が面白いに決まってるんです。ただ多くの人はなぜか王道を嫌う傾向にある気がします。その理由として「設定やキャラクターが王道に耐えられていない」というものがあります

これはどういうことかと言うと、王道はある程度決まった道筋をゆくため「先が読めてしまう」という現象が発生します。なので世界観という土台や、それを演じるキャラクターの魅力が少しでも劣っていると、途端に興ざめしてしまうのです。
 
前置きが長くなりましたが、この「白翼のポラリス」は王道展開に耐え、加えて「やっぱり王道が最高なんだ!」と思わせてくれるだけの力強さと若々しさに溢れています。それではこの作品のどの点が優れているのか、詳しく説明していきたいと思います。

二人一組というキャラクターの魅力について

私が王道王道と言い続けている理由のひとつに、今作が「ボーイ・ミーツ・ガール」であることが挙げられます。簡単に言えば少年が少女に出会って事件に巻き込まれるというお話です。たとえば多くのジブリ作品がこの形をとっています。

主人公のシエルは父の後を継いで飛行機乗りとなった少年です。何よりも飛行機に乗ることが大好きで、飛行機乗りとして恵まれた才能を持ち合わせていますが、飛行機を降りると他人の顔色ばかり伺ってしまう気弱な少年になってしまいます。そんな彼はとある人物との出会いを境に、「自分が空を飛ぶ理由について」考え始めます。

ヒロインのステラは謎に包まれた、白ウサギのような少女です。普段は楚々としておとなしいのですが、少しばかりお馬鹿な面(世間知らず?)が見え隠れしていて、とても可愛らしいです。どういうことかステラはシエルの父を知っており、その縁でシエルに「別の国へ連れて行って欲しい」と依頼します。

シエルが理由を問いますが、ステラの答えは「今は話せない」の一点張りです。当然、シエルは訝しがりますが、報酬に目が眩んで依頼を引き受けてしまうのでした。

そんな二人は少年少女らしく、別々の強さと弱さを抱えています。そして二人は互いを支え合い、高め合う形で成長していきます。心象描写が丁寧に描かれているため、二人の葛藤がありありと伝わってきて、こちらまで身もだえてしまいそうになりました。やはり少年少女が自分の弱さを認め、成長していく様子は他では得がたい感動を与えてくれます。

世界観と設定の魅力について

今作の舞台となっている「ノア」は洪水によってほとんどの陸地が沈んでしまった世界です。そして陸地とともに多くの文明が失われ、遺産として残ったのが、永久機関エンジンを搭載しているスワローと呼ばれる飛行機です。

そして人びとは「船国」と呼ばれる、船の上に築かれた国家で暮らしています。ノアには多くの船国が存在しますが、それぞれ別の海流に乗って周回しているため、国家間の交友が難しいのが現状です。そのため国家間を唯一行き来するのが、主人公の操る飛行機、スワローというわけです。

設定だけを眺めてみても「まさにファンタジー!」といった感じです。私なんかはこうした設定だけで、もうわくわくしてしまいます。

海と空という世界観が徹底されているため、青々とした情景を思い浮かべるだけでなんだか心が弾む想いです。

同じく飛行機を主軸に据えたファンタジーの名作として「とある飛空士への追憶」がありますが、「白翼のポラリス」も負けずとも劣らない力作具合です。「とある飛空士」が好きな方、何よりファンタジーが好きな方はぜひとも手に取ってみるべき作品です。

総評「とにかく王道ロマンが好きなら手に取るべき!」

初めてラノベを手に取るあなたにも、ちょっと童心に返ってファンタジーを読みたくなったあなたにも、流行りのハーレム物では満足できないあなたにも、ちょっぴり日常に疲れてしまったあなたにも、とにかくありとあらゆる人びとにオススメしたくなる傑作です。

王道好きなら絶対に後悔させません!

AmazonKindle電子書籍で『白翼のポラリス』

白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)

阿部藍樹 (著), やすも (イラスト)
価格:594円 9月28日まで40%ポイント還元
★★★★* 9件のレビュー

はるか昔に陸地のほとんどを失った蒼き世界、ノア。人々は巨大な船に都市国家を作り、わずかな資源を争って暮らしていた。飛行機乗りの少年・シエルは、そんな“船国”を行き来し、荷物を運ぶ“スワロー”。愛機は父の遺した白い水上機“ポラリス”(……)シエルはステラを乗せて飛び立つことに。その先には、世界の危機と巨大な陰謀が待ち受けていた。

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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ニコカド祭り2017 第1週のコレオススメ!小学生女児のヒモになるラノベから、絵に潜む恐ろしい歴史のエッセイまで

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。9月29日から毎週更新というニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画をスタート。

第1週は『バイプレイヤーズ』のレビューを頂いたライターのたまごまごさんから、第1週(10月5日まで?)のセール対象より注目作をいただきました。

ラインナップは小学生女児のヒモになるラノベから、絵に潜む恐ろしい歴史のエッセイ、不登校の娘との日々を描いたコミックエッセイ、そして小学生女児のエロ本屋マンガと濃いサンドっぷりに脳が震えますね。//きんどうここまで


【寄稿記事】ニコカド祭り2017 第1週のオススメ

はじまりましたね、ニコカド祭り2017、カーニバルだ! 「50%OFFタイトル、1巻無料タイトルが週替わりで更新!」ということなので、11月末までめぐるましく入れ替わり続ける様子。嬉しいと同時に、その週配信のセールを見逃しそうでハラハラします。

文学、評論、コミック、ラノベとかなり幅広くカバーされたセールの中から、今年発売のホットな作品を、数冊オススメします。

読み終わったあと脳みそがシビれるオタク文化の極北

今日から俺はロリのヒモ! 1〜3 (MF文庫J)

暁雪 (著), へんりいだ (イラスト)
価格:各313円 50%OFF

ある日、藤花が俺に告げたんだ「先生、わたしと駆け落ちしてください!」って。え? これはさすがに事案じゃない!? 急転直下の第3巻!

今のオタク文化の極北がよくわかっちゃう問題作。

漫画家志望の高校生・天堂ハルは、絵はうまいけどストーリーはからきし。担当はついたものの、鳴かず飛ばず。ある日、小学生五年生の二条藤花が、大ファンだと言ってくる。

なんで高校なんかにわざわざ通ってるんですか?」「先生ほどの漫画家さんがお金なんかのために時間を無駄にするのは、文化的な損失といっても過言ではないです

彼女はパトロンになると言い出した。実は彼女は投資で儲けている富豪。ハルはすぐさま高校を中退し、藤花のためだけにマンガを描くヒモになる。

ハルは彼女のお金で同人誌を買う。コスプレ衣装を彼女のお金で買う。一巻で小学生のお金でソシャゲのガチャを回す(資料のため)シーンがあって戦慄したのですが、二巻では小学生女児にキャバクラ的接待(資料のため)するまでに。

巻を重ねるごとに自由気ままっぷりが加速します。それでいて、特に事件があるわけでもなく、ただただ甘い生活が続きます。読み終わったあと脳みそがシビれる。

この作品が追求するのはヒモの矜持です。ハルは藤花のためだけに(たまに)漫画を描き、彼女を楽しませるためにクズい道化になろうと全力を尽くします。

大好きな作家を手元に置いておくって、最高の贅沢なのではないか……? 少女が甘えさせてくれるバブみと、価値観の逆転で方向感覚が狂う怪作です。 4巻だけ今週のセールに入っていないのでご注意を。とはいえ正直4巻のロリノーパンしゃぶしゃぶは見てほしいので、セール入り今後しないかなあ。

あの有名な絵もその背景を掘るとゾクッとする

新 怖い絵 (角川書店単行本)

中野 京子 (著)
価格:972円 50%OFF
★★★★☆ 9件のレビュー

「怖い絵」シリーズの大ヒットで知られる中野京子が、満を持して刊行する続編。モネ、ミレー、シャガール……誰もが知るきれいな名画に、まさかこんな怖い物語が潜んでいたとは……。

3月に配信された「怖い絵」シリーズの最新刊。世界中で知られる絵画を紹介していくエッセイです。カラヴァッジョ「洗礼者ヨハネの斬首」のような、見るからに怖い絵。猟奇殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシー「自画像」のように、描いた人が怖い絵。そして、誰もが知っていて当たり前に目にするけれども、実はその背景を掘るとゾクッとする絵がたくさん紹介されています。

たとえばミレーの「落穂拾い」。教科書にはだいたい載ってます。3人の女性がかがみながら、畑に落ちた落穂を拾う、一見すると牧歌的な作品です。しかしミレーと同時代の人はこの絵に怯え、一部忌み嫌う人もいました。ミレーが描いたのが、生々しい農民だったからです。

当時の画家が描いた農家は、明るくて健康的、若々しく裸足で働く姿の方が評価されました。それが理想だから。貧困を見ないですむから。

なのにミレーが描いた3人の女性は、実は農民じゃない。雇われでもすらない。刈り取りが終わった畑に勝手に入って、こそこそ拾っている極貧の人たち。それに対して文句を言わず見逃している地主の喜捨の精神。

上流階級の人にしてみれば、共産主義が芽を吹き出した当時、下層労働者が団結するのは恐怖そのもの。こんなリアルは見たくない、と。発表されるや否や、「秩序を脅かす凶暴な野獣」など、叩かれまくり。賤民の思い上がり、と言う人まで出ました。

現実はファンタジーより怖い。シャガールやモネ、ダヴィッド、ゴヤなど、数多くの名画が当時の文化風俗を元に解説されているので、世界史の勉強のお供にもなります。Kindle版の「怖い絵」一作目は、半額でこそないものの同じくらいの分量でお安め。こちらも、ドガ「踊り子」やムンク「思春期」ゴッホ「自画像」など、見たことあるものばかりのはず。

セール対象外: 怖い絵 (角川文庫), 怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

起きた出来事や浮かんだ感情も、綺麗事抜きであけすけに

不登校の17歳。 出席日数ギリギリ日記 (コミックエッセイ)

青木 光恵 (著)
価格:540円 50%OFF
★★★★☆ 4件のレビュー

中学3年間の不登校に続いて高校でもいじめにあい不登校になってしまった娘。 逆境を乗り越える家族の物語――! 低空飛行でもだんだん成長していく高校3年間を描く波瀾万丈の子育て終盤戦コミックエッセイ。

作者・青木光恵が、不登校になった娘との生活を描いたコミックエッセイ。「中学なんていらない。 」の続編で高校不登校生活を描いたものです(こちらはセール対象ではないので注意)。

一番の見どころは、不登校児の家族が、進学に際して考える費用について、ものすごく具体的に書いていること。やはり親としては、娘が大学に進学したいと言うのなら、せめて一度くらい楽しい学生生活を送らせてあげたい。

といっても特待生は無理。何より学力的にも内心的にも、入学できる安心要素がなにもない。
「うちだって進学しないって言ってくれたら肩の荷が下りるよー!!」
「500万も借りることになったら不安やよー!!」
「大丈夫!?私生きてる!?」

ここで実際の経験談として紹介されるのが、AO入試のシステム、教育ローンの組み方、奨学金。一筋縄ではいかず苦労に苦労を重ねていますが、なんとか乗り越えています。ここは多くの家庭でかなり参考になるはず。

起きた出来事や浮かんだ感情も、綺麗事抜きであけすけに描いています。娘がいじめられた話。学校に行けない日が多いのに学校を辞めないことへのはがゆさ。そのかわり塾に通わせてお金がかかる苦労。助けてあげたい親心と、自分のストレスの限界。

閉鎖的だった娘が、自らバイトをするようになるシーンは、ちょっとドキッとする。理由はアニメとアイドルにハマったから。偉大だー。

フラットな視線で生々しく家庭の様子を描く作品。もちろんハッピーエンドではなく、生活はまだまだ続く。続編が出ないことが一番の幸せです。

かっこいい。だがこれを言っているのは女児だ。

放課後の本屋さん (MFC キューンシリーズ)

右左もりもり (著)
価格:324円 50%OFF

小学生の主人公・つばさは学校が終わると祖父の本屋さんで働いています。その本屋さんにはちょっぴりエッチな本が置いてあり、小学生が働くにはちょっとだけ大変です。

「エロスとは! ただ単に露出の高いものや、欲情のためにあるものではありません!! 芸術! そして美学! 人類の希望!! それがエロスなのです!!!」

かっこいい。だがこれを言っているのは女児だ。

エロ本専門店で働く女子小学生・桐生院翼の細腕繁盛記。彼女はエロ本をこよなく愛する少女。お店の経営には誇りと自信を持っています。桐生院書店には、エロが苦手なサキュバスのアルバイト・天野夢魔、同じ小学生で健全推進会の会長を勤める一色いろは、幼稚園児エロ漫画家のみるくなど、様々な人間が訪れてきます。

アダルト文化が好きな小学生と言っても、変態なわけでも、色情魔なわけでもない。むしろかなり生真面目。彼女がエロ本にこだわるのは、ひとつは純粋にリスペクトしているから。

もうひとつは、普段なかなか素直に出せない年相応の感情を、エロ文化に浸ることでささやかに逃避しているから。エロ本が彼女の武器であり、鎧です。

「私のおウチはHON屋さん(スクウェア・エニックス )」とあわせて読むとかなり面白い。「HON屋さん」は親に振り回されてエロ本屋の手伝いをしているうちに身についてしまった家族物語なのに対し、「放課後」は自らエロ本屋を繁盛させようとすることに夢中で、仲間の存在もあり部活動モノに近い。

女子小学生+エロ本、っていう一般書ジャンルができてもいいと思います。

最新刊だけセール対象じゃないとか、前作が半額じゃない、というのもあるので、あわてないで半額のものだけ先に買い、来週以降目を見張らせるのがいいんじゃないかと思います。ぼくも次の週何が来るのか戦々恐々としながら、浪費する予定です。

そのほか、ニコニコカドカワ祭りセール作品まとめ

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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【書評】『劇場』又吉直樹の第2作も期待を裏切られることはない、買いである

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。芸人・又吉直樹の小説第2作『劇場』のレビューをいただきました。

本作は芥川賞を受賞した『火花』より先に書き始めていた"又吉直樹の作家としての原点"という恋愛小説。『火花』では芸人が、『劇場』は演劇脚本家が主人公とそれぞれ表現をする人の青春を描こうとしています。Kidnleストアに芥川賞作家・山下澄人が本作の書評が掲載されていますが、いやぁ、不器用な主人公というか怖いですね……。

しかし、紡がれる文章は本物。レビューアーの方がその魅力をビシッと語ってくれますよ。さぁ『火花』は買ったけれど本作はまだ、という方は是非『劇場』をこの機会にチェックしてみてください。


『劇場』又吉直樹の第2作も期待を裏切られることはない@michealhj

『劇場』は又吉直樹の小説第二作である。前作で又吉の文体に魅了された人は本作も間違いなく「買い」である。

期待を裏切られることはない。作者の文章はますます磨きがかかり、演劇論を通して語られる感性のきらめきは本書の随所に見られる。前作と合わせて、広く芸術論としても読めるし、クリエータを目指す人が読んでもきっと得るところがあるだろう。もちろん、劇団周辺の多彩な人物群像が織りなす愛憎半ばする葛藤はそれだけでおもしろい。何より主人公の永田と沙希の泣き笑いに包まれた関係が、愛おしくなるくらい純粋な男女の恋の物語で、読者はいつまでも二人を見守りたくなる。

ただ、実際は第一作『火花』より先に書き始めていたという。まず、出だしが『火花』と違う。『火花』は

大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。

と始まる。重厚で密度が濃い文章だ。一方、『劇場』の出だしはこうだ。

まぶたは薄い皮膚でしかないはずなのに、風景が透けて見えたことはまだない。

やわらかい。ほのかに光の存在も感じられる。薄日が差してきそうなのに、はっきりと見えないもどかしさもある。感覚がみずみずしい。

両者を比べると、『火花』が重低音と鋭い高音の組合せで鮮烈な音像を響かせるのに対し、『劇場』は見えそうで見えない世界と薄い皮一枚で隔てられた存在が希求する映像を見せる。どちらも、震える心をもつ人間のしなやかさが感じとれる。

『劇場』から見る又吉直樹の演劇観

主人公の永田は売れない劇作家。『おろか』という劇団を率いている。相棒は中学生の頃から活動を共にしている野原。

永田が語る演劇観は本書のあちこちで展開され、物語のプロットとはべつに、ひとつの演劇論として読み応えがある。その一例。上演後の打ち上げの席で、脚本の都合で劇的な人生を与えられる登場人物たちについての議論を吹っ掛けられ、永田は考える。

劇的なものを創作から排除したがる人のほとんどは、作品の都合で平穏な日常を登場人物に与えていることに気づいていない。殺人も戦争もある世界なのに馬鹿なんじゃないかと思う。

好みの問題と創作の問題は別だとして、永田はこう考える。

簡単なものを複雑にすることを人々は許さないけど、複雑なことを簡単にすると褒める人までいる。本当は複雑なものは複雑なものでしかないのに。結局、自分たちの都合のいいようにしか理解しようとしていない。それを踏まえたうえでなら簡単と複雑の価値が対等なように、劇的なものと平凡な日常も創作上では対等でなければおかしい。

ある意味でラディカルな演劇観をもつ永田だが、その永田にも自らの脚本を超えていると思われる存在が沙希だった。沙希の表情には主張と感情と反応が混ざって同時に出ている。そういう人間の複雑な表情に永田は惹かれる。

どの感情とも断定できない人間の複雑な表情に惹かれる。それは僕が脚本上に費やす数行の言葉より遥かに説得力があった。

主人公の永田と沙希の出会い(本編より)

永田と沙希の出会いは変わっている。あとで沙希が「殺人鬼に殺されると思ったの」と述懐するほどの怖い体験だった。

永田が外を歩いていると反射する強い陽射しに視界が霞む。立ち止まったところは画廊だった。ガラスの向こうを覗くと月の下で歯を剥き出す猿の絵画がある。それに見入っていると、ほかにも画廊を覗いている人がいる。若い女の人のようだった。通行人が何人も背後を通り過ぎるなかで永田とその女性だけが動かない。

永田は、この人なら、自分のことを理解してくれるのではないかと思う。その人をじっと見ていると、視線に気づいたその人が数歩後退すると背を向けて歩き出す。永田はその人の背中を追って歩きだしたようだった。その人はあきらかに永田を警戒して速度を上げる。永田も速度を上げたようだった。

その人の横に立った永田は、「靴、同じやな」と変なことを言う。永田は知らない人に話しかけたことがない。その人は「違いますよ」と言った。

知らない人に変なことを話しかけられれば誰でも不審に思う。その人は不安気な表情をうかべる。永田は言葉を発する。

「あの、暑いので、この辺りの、涼しい場所で、冷たいものでも、一緒に飲んだ方が良いと思いまして、でも、僕、さっき、そこの古着屋で、タンクトップを買ったので、もうお金がないので、おごれないので、あれなんですけど、あきらめます。また、どこかで会いましたら」

どうだろうか。変人扱いされて一度も想いを伝えられないのは残酷過ぎると意を決しての永田の言葉だったが、これではますます変人扱いされないだろうか。

読者が男性であるか女性であるかによって受取り方は違うだろうけれど、この会話のあとでふたりが恋人同士になる展開はとても想像できない。しかし——。続きが気になる方はぜひ本書でお楽しみいただきたい。

AmazonKindle電子書籍で『劇場』

劇場

又吉直樹 (著)
価格:1,123円

演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。

きんどうが気になっている新刊レビューしてくれる方募集

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【書評】『そしてボクは外道マンになる』あの平松伸二先生の自伝漫画というだけで興奮できるなら即買いだ

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。平松伸二の自伝マンガ『そしてボクは外道マンになる』のレビューをいただきました。

平松伸二先生は代表作に『ドーベルマン刑事』『ブラック・エンジェルズ』『マーダーライセンス牙』……そして『ザ・松田』などの代表作をもつアウトローマンガの大御所ですね。そんな平松先生が初々しい新人からいかに外道になっていったのかを荒々しく描かれています。

いやぁ、ヤがつく編集者といえば秋田書店のイメージですが、集英社も明らかにヤバイですね。これが自伝なら、ですけれど(笑) 9月に第1巻が配信されたばかりですが、もうすぐ10月19日には第2巻が配信されるようです。


あの平松伸二先生の自伝漫画というだけで興奮できるなら即買いだ

どうも、ハンハンス と申すものです。今回も一つ、レビューをやっていきたいと思います。

紹介いたしますのは、平松伸二先生の自伝的漫画『そしてボクは外道マンになる』です。

そもそもまず、皆さまにおかれましては、平松伸二、という名前にどういう気持ちを抱くでしょうか。1970年代の少年ジャンプ時代の『ドーベルマン刑事』や『ブラックエンジェルズ』を思い起こしたり、1980年から2000年代の『マーダーライセンス牙』シリーズを想起したり、2010年代『ザ・松田』のネタっぷりに心を馳せたり、あるいはまったくの誰それ? という感想もあるかもしれません。

そんな色々な相貌を持つ、あの平松伸二先生が、なんと自伝的漫画に手を染める。その文字列だけで興奮出来る方には、そのままの勢いで購入しても全く問題ありません! と申せますが、そんな酔狂な人はそう多くないと思うので、これが如何なることなのかというのを、つと説明させていただきます。

そしてボクは外道マンになる 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

平松伸二 (著)
価格:500円

1970年代、激動の「週刊少年ジャンプ」でデビューを果たした若き漫画家・平松伸二。やがて不動の人気連載作家へと成長するが、それは、想像を絶する厳しく険しい道のりであった…。岡山の片田舎で生まれた少年が漫画家を目指し、外道漫画家・「外道マン」に至る漫画家人生をドキュメンタリータッチで描く、著者入魂の一作!!

漫画家さんが伝記漫画を描く、というのは、それ自体は特に珍しくもありません。それが通常の伝記、例えば『ブラックジャック創作秘話』や、本当に偉人伝記とかもそうですありますし、また自伝な漫画も、『激マン!』や『アオイホノオ』などあります。

この『そして僕は外道マンになる』も、また自伝的な漫画であり、70年代週刊少年ジャンプからの話であり、なので主体である平松先生の漫画家人生とそれに絡んだ人たちの話として立ち上がっています。自伝的漫画、という時点で既に、70年代だったり初期の掲載誌ジャンプだったりとで他とは完全な差異化が為されていますが、その上で更に他の漫画を寄せ付けない妙味として、まず一つ、編集さんがどうみての<や>の付く職業の方にしか見えない、過剰な表現な点があげられます

平松先生は長らく「オブラートに包むと柄の悪い人間」 オブラートに包まないで言うと「腐れ外道」というのを描き続けられてきた漫画家さんなので、そのスキルを余すところなく使ってしまうと編集さんが見るからに柄が悪い恰好になってしまいます。権藤さんはこの柄の悪さに加えて更に木刀を背中に隠し持っているという謎のキャラ立てによって、編集者というのが漫画家にはおそろしく恐ろしいという事実をまざまざと見せつけられます

とはいえ、権藤さんも無茶は言いますが不可能なことを強要はしません。

例えば、平松先生が新連載の話、『ドーベルマン刑事』の話を持ってこられて躊躇しているところで、喝を入れてあげたりもします。まあ、木刀で寸止めしたり、殴った勢いで薄いコンクリート壁を突き破ったりはしますが、それくらい、ジャンプで連載するということの重みをよく分かっているからこその行動です。壁突き破ったのはさすがに創作でしょうけれど。

そう、創作なのです。このようなシーンは基本的には事実がベースはあっても、それが大きくスィングしているのです。そして権藤さんがこのように過剰にされているのは、当時のジャンプ編集部の気迫というのの化身として一面もあるのではないかと思います。そういう空気の一端が、次の画像にも表れています。

一々つっこむと日が暮れてしまうレベルでつっこみ所が満載ですが、このような、刀の切れ味はなかったにせよ、あの本宮先生をして直談判するという状況とその痛快さ、あるいは机を一刀両断というその行状を見ても説得にかかる編集上層部の胆力というのを、一種の過剰演出として繰り出しています。ここまで無茶苦茶ではなくても、それに近い、剣呑な雰囲気があったのは間違いないのかな、と考えられると思うのです。思い違いかもしれませんけれども。

この漫画の妙味はスィング以外にももう一つあり、それは平松先生の画業40年で培った漫画力の冴えです。たとえばこのシーン。

ぱっと見、特に異変のある場面ではないのです。編集長が権藤さんに、平松先生を飛躍させろ! というよくあると言えばよくある場面。しかし、思い出していただきたい。これは自伝漫画。つまり、平松先生はこの場に居てこの話を聞いた訳ではないのであり、この後権藤さんにはっぱをかけられたことはあろうとはいえ、ここの部分は完全に創作の域なんですよ。

講釈師、見てきたようにものを言い、です。でも、非常にしっくりはまる。こういうのがあった、というのが全く不自然さを感じさせない。これこそ、自伝<的>漫画の冴えであります。さすがに40年近く漫画描いている人の作品は違う、と唸らせるものがあります。

さておき、この漫画の題名は『そしてボクは外道マンになる』です。ですが、この巻ではまだまだ平松先生は若く、つたないだけです。まだ外道を描くというのに慣れていないので、新宿歌舞伎町にぶっこんでひどい目にあわされたり、堀の中のド外道と対面していますが、まだこの外道めらが! という気概が見えるだけです。外道マンという言葉の表すであろう立ち位置には至っていません。そもそも外道マンってなによ? なんですが、それについてはこの画像がその思考の一助になるかと思います。

序盤で上京してきたばかりの平松先生とは比べ物にならないくらい凶相になってしまっています。一端の外道漫画家、という謎のくくりというかそんなのあるんですか!? な言葉も飛び出して、このように精神的に外道汚染されるのが外道マンの姿なのか、と理解できるかと思います。このようになって行く過程が大変面白そうなので、早くその話をしていただきたいところです、というのを結びの言葉とさせていただきます。

AmazonKindle電子書籍で『そしてボクは外道マンになる』

そしてボクは外道マンになる 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

平松伸二 (著)
価格:500円

1970年代、激動の「週刊少年ジャンプ」でデビューを果たした若き漫画家・平松伸二。やがて不動の人気連載作家へと成長するが、それは、想像を絶する厳しく険しい道のりであった…。岡山の片田舎で生まれた少年が漫画家を目指し、外道漫画家・「外道マン」に至る漫画家人生をドキュメンタリータッチで描く、著者入魂の一作!!

そしてボクは外道マンになる 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)【10月19日配信予定】

平松伸二 (著)
価格:500円

「オレは漫画家としてオメエを認めねえ!」。権藤の一言が、伸二の心に突き刺さる! 見返したい一心で『ドーベルマン刑事』を描き続けるが、そんなある日、届いた初の単行本に号泣する…!! 締め切りに追われながらも脱童貞、遠距離恋愛──、順風満帆に思えた連載3年目、現れた新担当とは!? 漫画家の苦悩、編集者との確執、怒濤の第2巻!!

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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ニコカド祭り2017 第2週のオススメ!女子高生が飼われる話から、全力で高校をサボる話まで

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。9月29日から毎週更新というニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画をスタート。

第2週もライターのたまごまごさんから、ある日突然女子高生が獣人の世界に攫われペットにされてしまう『飼い主獣人とペット女子高生』や、自堕落すぎるJKの引きこもりマンガ『不登校の日常』。続刊が集英社マーガレットコミックスから発売されている『葬式探偵モズ』と3作品のオススメを頂いています。

たまごまごさんも仰ってますが、ニコカド祭り週替わり更新のはずがなぜか第1週分が継続の上、他ストア対抗で広範囲に半額状態と面白おかしいことになってますね。さすがカドカワ、やることが派手ですなぁ。


【寄稿記事】ニコカド祭り2017 第2週のオススメ

ニコカド祭り2017「50%OFFタイトル、1巻無料タイトルが週替わりで更新!」と書いてあったのですが……50%OFFタイトル、二週目は入れ替わりじゃなくて、追加されてるじゃん! 先週分もまだセールで残っている上に、さらに値下げされて70%OFFになったものも。タイミングを逃さぬよう、じっくり目を光らせておきましょう。

それでは今週50%OFF作品の中から、短くてさっくり読める作品をいくつかご紹介。

言葉の通じない獣人にペット少女は心を許せるか

飼い主獣人とペット女子高生 1・2 (MFC ジーンピクシブシリーズ)

野干ツヅラ (著)
価格:288〜円 50%OFF
★★★☆☆ 15件のレビュー

帰省のため、ジノヴィの実家に連れて行かれたリラは、ジノヴィに恨みをもつ人外に襲われ――!? 大人気シリーズ「かじぺじ」人外×女子高生のペット生活、深まる!?

「人外+人間」のモチーフは『モンスター娘のいる日常』や『魔法使いの嫁』『ODETTO』など人気作が多数出ているジャンル。見た目のギャップの面白さと、そこはかとないエロティックな空気が魅力。

一方この作品は、普段は人間が食用で売買されている世界で、ペットとして飼われた女子高生のお話。見えないところで、ヒトはモリモリ食われている。設定は結構えげつない。鶏肉を食べつつも小鳥をペットとして飼うのと、同じなんだと思う。

普通に高校に通っていた17歳の少女。全く望まない形で、犬型獣人のジノヴィにペットとして飼われることになります。当然言葉は通じないから、何が起きているかわからない。逃げたい、怖くて仕方ない、いつ殺されてもおかしくない。リラと名付けられた少女は、愛玩人間としてジノヴィと共に暮らすハメに。相手は毛むくじゃらの大きな犬。とても好きにはなれない。

ジノヴィは、リラがかわいくてかわいくて超絶甘やかしています。でもリラにしてみれば、彼の感情なんてわからないから、のそのそ近づいてきて触れられるのが、恐怖でしかない。人間と、飼ったばかりのネコの関係ってこんななんだろうなあ。

2巻まできて、だいぶ時間がたっても、言葉は通じないままです。ああディスコミュニケーション。ひたすら愛情を注ぎまくるジノヴィ、途中からペットというより、娘に愛情を示す親ばかパパみたいになっています。

感情を押し殺して心を閉ざすリラが、ほんのちょっとずつジノヴィに近づくようになるのがいい。と言っても「好き」になるわけじゃなくて「いい犬かもしれない」程度。そばに寄っても大丈夫かな程度。元いた世界に戻る気は満々。
ジノヴィは「デレ」だけど、リラの「心を許す」は「デレ」じゃない。もちろん「ツンデレ」でもない。警戒心が解ききれない、リラの繊細な心の描写がうまい。

ずっと休載していましたが、最近連載が再開したようですので、この機会に是非。

いいから学校行け!心底憎たらしい引きこもりヒロイン

不登校の日常 (MFC)

久遠 まこと (著)
価格:297円 50%OFF
★★★★* 4件のレビュー

高校2年生の早乙女雨音ちゃんは、今日も元気に不登校ライフ充実中☆ ネットとゲームとアニメが大好きな、ごくごく普通の引きニート。女子高生だから人間的価値はかなり上位のハズと、本人は思っていますが…。

「不登校」をする子には、なんらかの悩みや原因があるもの、と思いがち。このマンガはそういうのは、一切ないです、だらしないだけです。めちゃくちゃ迷惑です。なので何の気兼ねもなく「クズ人間め!」と叫んで大丈夫です

高校2年生の早乙女雨音(さおとめ・あまね)は不登校生活を謳歌している最中。お父さんがゲロ甘なので、ピザ取り放題。ダラケ生活に全然困らない。

とんでもない内弁慶で、真面目な双子の姉の音晴(おとは)にはわがまま言い放題。基本音晴は雨音にきつく当たっているけれども、なんだかんだで優しいので、さらに増長してしまう。

『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』は、コミュ障ヒロインが、そこそこに友達つくりたい、という自尊心と承認欲求の中で苦しむので、笑いの中に一片の寂しさや成長が見られます。わりと愛されヒロインです。

一方でこちらの主役は、本当に学校に行きたくない。友達はほしくない、目立ちたくないし、一生引きこもって遊んでいられれば幸せ、というダメ人間。しかもワガママが時折通ってしまい、周囲の方が悲惨な目にあうという展開もあり。ブラックユーモア度は高め。

ぶっちゃけこのヒロイン、愛しどころや共感どころは少なめ。全力で人生を逃げる彼女の図々しさたるや。愛嬌がないからこそ、ひどい目にあってもギャグキャラクターとして笑えます。ここまで同情の余地がないキャラも珍しい。

ただ、クズ度の高さは尋常じゃないのだけれども、その無茶を通してしまう理不尽な雨音の論調とやりくちは、不思議と見ていてスカッとする。後ろ向きに前向きなわがままって、自分じゃ言えないですしね。

葬式を探れば、人々の心が見えてくる

葬式探偵モズ(1) (カドカワデジタルコミックス)

吉川 景都 (著)
価格:313円 50%OFF
★★★★★ 5件のレビュー

祖父の葬儀に出席するなとの脅迫状を受け取った都は変人と評判の民俗学教授・モズを訪ねる。葬儀が専門の彼には“葬式探偵”という二つ名が…。葬式探偵モズがニッポンの葬式のアレコレをチマチマ解決します!

「○○探偵」と名を冠して、変わった推理をする作品は数多くあります。この作品はタイトルの通り、葬式がテーマ。

民俗学の教授の百舌一郎は、全国各地の葬式を調査するのがライフワーク。彼が葬儀の際、巻き込まれた犯罪を解いていったことから、葬式探偵という二つ名をもらうようになります。

日本の葬儀は今でこそ業者が行うものが多いですが、地域住民がしきたりを守って行っている地域もまだあります。たとえば栃木では、故人の着物は水洗いして絞らず干して、七日間毎日水をかけます。「七日ざらし」という風習で、故人があの世でのどをかわかさないようにするため、だそうです。

埼玉のある地域では、死者につけるカンムリ(宝冠・幽霊のイラストでよく描く三角形の布)を葬儀に参列する男性が全員つけ、女性は紙に麻縄をかけるそうな。冥土の入り口まで共に立ちますよ、という意味らしい。土葬の地域も、わずかではありますが、存在します。

葬式には、その土地の思いと歴史が詰まっている。一般的にはまず知られていないような地方の風習から、次々と犯罪を暴いていきます。

外部の人だったらまず知らないであろう奇妙な習慣。地域に寄り添って調べていけば、全てにちゃんと意味がある。そこから外れたところに、人の心のズレが見えてくる。推理モノとして面白いのみならず、民俗学マンガとしてよくできています。

二巻以降はKADOKAWAからは出ておらず、集英社マーガレットコミックスから1〜3巻(実質2〜4巻)として出ていますので注意

おわりに

出たばかりの最新刊が(セールと関係あるのか無いのか)唐突に安くなってりもしているので、見極めて買いたいところ。ぼくは、最初は50%OFFとかになった一巻を買って、続きの巻の様子を見るようにしています。もっとも一巻面白かったらテンション上がって買っちゃうんだよなあ。Kindleこわい。

先週のニコカド祭りオススメ記事

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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『仮面ライダーW』二人で一人の仮面ライダーを さぁ、プライムビデオで見ろ

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってるプライムビデオを代わりに紹介してくださいというゲストレビュー企画。正統続編となるマンガ『風都探偵』の連載がスタートされて話題の平成仮面ライダーシリーズ第11作『仮面ライダーW』のレビューをアサノユウキさんより頂きました。

仮面ライダー新1号×ブラックという昭和を代表する2つのライダーをモチーフにした『サイクロンジョーカー』がTV本編から7年経っても斬新でカッコイイですよね。主演が今とても話題になっている菅田将暉と、仮面ライダーBLCAKが大好きな俳優・桐山漣のダブル主人公。

昭和リスペクトを熱く感じる良き特撮と、探偵×バディものというストーリーの良さ。まったく余談で、わたしが住んでいた街が何度も撮影場所になって「おースゲー。見たことある場所だ」となった作品でもあります。未見の方にはぜひオススメしたいですね。 /// きんどうここまで


二人で一人の仮面ライダー「仮面ライダーW」

「仮面ライダー」と聞いて思い浮かぶのは、『ひとりの人間がベルトの力で変身する』姿ではないだろうか。しかし、この作品のキャッチコピーにはこう書かれている。

「俺達は/僕たちは、二人で一人の仮面ライダーさ」

つまり、変身するにはベルトを装着する人間が二人必要となる仮面ライダーなのだ。このレビューは、これから仮面ライダーWを観てみようと思う人の後押しとなれればと思い、ネタバレは避けて書いていこうと思う。

仮面ライダーW(ダブル) 2010

プライム会員見放題

エコの街「風(ふう)都(と)」。風が豊富に吹く土地で、いたるところに風車が回っている。一見平和に見えるこの理想都市の裏側では、奇妙な犯罪が横行していた。「ドーパント」…USBメモリのようなアイテム「ガイアメモリ」を突き刺すと人間は、そう呼ばれる超人になるという。ドーパントが起こす奇怪な事件の数々に、左翔太郎とフィリップが立ち向かう。二人は、「ふたりでひとりの仮面ライダー」なのだ!!(C)石森プロ・東映

大人も子どもも楽しめる「仮面ライダー」

仮面ライダーWはそのデザインを一目見ると原点回帰と言っていいほどの姿をしている。複眼と触角、たなびくマフラー。

見た目は「昭和ライダー」のようでありながら、変身すると色違いの半身となる。当時、仮面ライダーに夢中になっていたお父さんと一緒に観ると、お子さんと話が弾む事であろう。今観ても色褪せない理由は、こうした親子のコミュニケーションになり得るというのもひとつの理由である。

多彩な変身フォームは見どころのひとつ

本作のベルトは「ダブルドライバー」その名の通り、アルファベットの「W」の字を象られている。

左右それぞれに「ガイアメモリ」と呼ばれるアイテムを差し込み変身する。ガイアメモリは多くの種類があり、組み合わせによって能力が異なる。

すなわち、メモリの組み合わせでライダーは多種多様なフォルムとなり、敵に合わせて差し込むメモリを替えて戦う。今でこそ、仮面ライダーが複数のフォルムとなって戦うのが普通。例えば「仮面ライダーカブト」のマスクドフォームとライダーフォームなど。仮面ライダーWは少し違う。

前述したガイアメモリをベルトに挿すと、ガイアメモリの色に合わせて半身もその色となり、メモリに秘められた力を駆使して戦うのだ。

敵の能力にに合わせてメモリを差し替えて臨機応変に戦う事もある。勿論その都度、半身はメモリの色となるために「この敵にはどのフォームとなって戦うのか」と考えながら観れる。

変身後の姿が数多く存在するというのは、大人も子どもも楽しめる。今度のフォームはどういった姿になるのか。一体どんな能力で敵を倒すのか。きっとお気に入りのフォームが見つかると思うから是非注目して観て欲しい。
 

風都を愛する男「左翔太郎」の魅力

左翔太郎は師匠:鳴海荘吉のようなハードボイルドに強い憧れを持っている。しかし形から入る為にソフト帽は欠かすことの出来ないアイテム。

愛読書はレイモンド・チャンドラーなどのハードボイルドものを愛読し、事件が解決するとタイプライターを使って報告書を書くのも「ハードボイルド」を意識しているのが丸わかり。立ち居振る舞いも常にハードボイルドらしさを心がけているが、どこか成り切れていない。

「ハードボイルド」ならぬ「ハーフボイルド」という男。それが左翔太郎なのだ。けれど、ひとたび事件が起きるとなるとその「ハーフボイルド」のイメージはひっくり返る。幅広い交友関係と情報網を駆使し、相棒のフィリップと共に解決の糸口を探る。その姿はまさに「ハードボイルド」な探偵の風貌だ。

生まれ育った風都を愛する翔太郎だからこそ、風都の街を脅かす敵を許すことは出来ない。だからこそ風都の為に、街の皆の為に、敵と戦う。けれども翔太郎自身は恩師である荘吉の背中を常に追い続けている「探偵」である。特別な力だとか天才的な頭脳を持っているとか、そうしたものは一切持ち合わせていない。

あるのは大好きな風都を守りたいという一心のみ。事件を解決していく毎に成長していく翔太郎の姿は視聴者に「等身大のヒーロー」として心奪われるに違いない。
 

2話で1エピソードだから区切りやすい

仮面ライダーWは「探偵+バディもの」という一風変わったライダーでありながら、昭和ライダーを思わせるデザインとなっている。構成はひとつのエピソードを2話で完結するスタイルの前後編形式となっている為に観やすい造りとなっている。

お話は王道のヒーローものとなっており、左翔太郎、フィリップという二人を軸にしたストーリーは時に熱く、時に涙する展開は古臭さを感じさせない造りとなっている。ストーリーが進むに連れて明らかとなる「風都の秘密」には引き込まれるに違いない。

そして、謎の少年「フィリップ」の正体とは……。仮面ライダーWは「王道モノのストーリー&探偵モノ&謎」の絶妙なバランスだからこそ時が経っても色褪せない面白さを放っている。主題歌の「W-B-X 〜W-Boiled
Extreme〜」もカッコイイ。

イントロと共に映し出される、マフラーをなびかせて夜の風都を見下ろす「仮面ライダーW」も見所のひとつだ。
 
先日、仮面ライダーWの正統続編である「風都探偵」がビッグコミックスピリッツで連載が開始された。放送開始から7年経ったいま、正統続編が始まったこのタイミングだからこそ観て欲しい作品だ。

Amazonプライム会員なら見放題

仮面ライダーW(ダブル) 2010

プライム会員見放題

正式な続編がマンガで連載開始

週刊ビッグコミックスピリッツ 2017年44号(2017年10月2日発売)

週刊ビッグコミックスピリッツ編集部 (著), 石ノ森章太郎 (著), 三条陸 (著), 佐藤まさき (著), 二ノ宮知子 (著), 吉田戦車 (著), 背川昇 (著), 丹羽庭 (著), & 22 その他
価格:349円
★★★★* 7件のレビュー

●総力特集「見ようぜ!仮面ライダー」 巻頭グラビア「菅田将暉×桐山 漣」●遂に変身!巻頭カラー『風都探偵』石ノ森章太郎+三条 陸+佐藤まさき●二ノ宮知子・吉田戦車の描く平成ライダーエッセイ漫画

この記事にはAmazonプライムビデオ『仮面ライダーW』より、引用の範囲で複数のスクリーンショットを掲載しています。本画像の著作権者より通告を頂いた際はすみやかに画像を取り下げます。

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ニコカド祭り2017 第3週のオススメ!SMから歳の差など、男女の不思議な関係が心に残る3作品

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第3週もライターのたまごまごさんから『男女の不思議な関係が心に残る』3作品を紹介いただきます。

さて、ニコカド祭りは毎週更新ですが、各作品のセールそのものは2週間ほど継続されるようですね(つまり1週は3週目、3週の追加分は5週目まで継続)。そして、Kindle公式のニコカド祭り+他ストア対抗による値下げが重なったりと……このままだよ11月末まではずっとカドカワのターンとなりそうです。 // きんどうここまで


ニコカド祭り2017 第3週のオススメ!

ニコカド祭り2017第3週目に突入。今のところまだ隔週入れ替えなんでしょうか。今まで最新刊だけはセール対象外だったのが、それすら安くなっていくという、神風というか濁流というか。

今週も50%OFF作品の中から、男女の不思議な関係が心に残る作品をいくつかご紹介。

正々堂々、マゾヒスト男子の矜持

エムさん。 (MFC)

エム。 (著)
価格:234円 64%OFF

WEBマンガランキング、常に上位! 話題沸騰のM男のエムさんを主人公に性癖、AV、風俗を描いたショートマンガ!! 彼のこだわりのMの哲学がついに書籍化!!

マゾヒストは適当に誰にでもいじめられたいわけじゃない。被虐趣味にはれっきとしたこだわりがある。M男である作者が自分をネタにした、どこまでが事実とフィクションの境目なのかわからない半エッセイ的マゾあるある作品です。

エムさんは定期的に格安手コキ風俗(全裸なし)に通っています。そこで働くツインテールのアサミ嬢は、Sの気持ちもMの気持ちも、そこまでわかっていない。なのでエムさんのリクエストがいまいち飲み込めないことも多々。一方でエムさんは、品を作ったお客様対応なんちゃってSのアサミ嬢ではなく、一瞬出る彼女の素の嫌そうな顔に興奮する

おわかりいただけるだろうか。

男女の性は、理屈ではわからないこだわりでできている部分が大きいもの。描かれているエムさんはオープンなMで、堂々と自分の性癖を模索して楽しんでいます。理解できない部分も含めて笑える変態マンガだし、まっすぐな恋愛にはたどり着かない哀愁も漂っています。でも性を探求する姿は、幸せそうです。

小学生のエムさんの後ろの席の、アヤちゃん。子供ながらに女王様体質。普段から罵りバカにするアヤちゃんは、エムさんにだけ、バレンタインのチョコをあげない子。落とした消しゴムはエムさんに拾わせる日々。ある日、落とした消しゴムを拾え、とクラスの男子がエムさんを煽りました。

するとアヤちゃんそれを見て「もしその消しゴム拾ったら……私絶対にエム君のことを許さない」。恋愛云々ではない、思春期少年少女に芽生えたSとMの引力には、かなりグッときます。

おじさんと女子高生の無邪気な時間

花部長(52)と心乃ちゃん(17) (1) (角川コミックス・エース)

吟華 (著)
価格:313円 50%OFF

趣味無し、バツイチ、持病持ちという暗黒面のフォースを抱えた人生崖っぷちサラリーマン・花誠之介(52)は、 ある日、ゲーセンで不思議な女子高生・心乃(17)と出会う。 エキセントリックな彼女により、花ちゃん(心乃命名)達は友達になる事に…(……)連載開始直後から話題を呼んだ 待望のコミックス1巻がいよいよ発売! コミックス限定エピソードやおまけページなど、描き下ろし満載です!!

50代のおじさんと女子高生が並んでいたら、「親子」だと考える前に「援交かな」と考えてしまうような嫌な時代になりました。でもそういうの多いからなあ。

花誠之助は妻と離婚し、娘と会うことが唯一楽しみだったのに、それすらも失った孤独な50代。生きる希望がなし。彼がやけになって入り込んだゲームセンターで出会ったのが、マイペースすぎる女子高生の心乃。彼女は唐突に、花に友達になろうと提案。花は拒絶するも、有無を言わさず放課後は一緒に過ごすはめになります。

おじさんと少女、という年齢差カップルマンガは、いつの時代も定番。「恋は雨上がりのように」「これは恋のはなし」「未満れんあい」など、並んだときの二人の絵的ギャップがなにより魅力。

ただこの作品ちょっと変化球。心乃が全く花に対して、恋愛感情的なものを抱いていません。あくまでも徹底して友達です。成立するのかなそれ?

花は心乃がそもそもなんで自分と仲良くしているのかわからないし、彼女がその場で感覚的に動くのも全く理解できません。作品全体は花目線なので、心乃の描写はまるで宇宙人。彼女のコロコロ変わる気持ちのスピードに全くついていけない。ごはんにジュースを混ぜてたいちゃうような、青春の暴走にクラクラとめまい。

じゃあ本当に心乃は何も考えていないのかというと、そうでもない。ちらほらと、彼女の心理も描かれています。とても大人の落ち着きがあると同時に、実は純真な子供のような言動がある花の中身を、心乃は鋭く見抜き済み。全く違う価値観の相手同士だから、お互い興味を持っていく。そして、お互いをちょっとずつ理解できてくると、さらに興味はわきます。

にしてもやっぱりこの組み合わせはまずい。赤の他人が見たら、やっぱり援交じゃないって言い訳聞いてもらえる気がしない。
願わくば、二人がよき「親友」になりますように。

褐色幼妻と暮らす微笑ましい生活……か?

スイようび  全5巻 (コミックフラッパー) Kindle版

汐村 友 (著)
価格:296〜円 50%OFF

外国からやってきたお団子2つのスイちゃんは、太田さん家のお嫁ちゃん。右も左も分からないことばかりで今日もまた、初体験にドキドキしてしまうのです。

日本人男性の太田学。彼が連れてきたのは、褐色の幼い少女スイ。実はスイは立派な成人。学の妻。日本語も文化もわからない、カルチャーギャップ激しいスイの新婚生活がスタートする。

ほっこり幸せな二人の生活を描く、癒し系夫婦コメディ。特にスイのかわいらしさは目を見張るものがあります。と同時に、ものすごい違和感があるこの二人。あまりにもスイが幼すぎる。言動も見た目も小学4年生くらい。自転車に乗れなかったり、故郷の武器(?)を持って振り回したり。

異文化キャラが日本にやってきた、という「うる星やつら」などから連なるギャグのフォーマットではある。しかし、なまじ新婚生活描写にリアリティがあるだけに、この二人本当に成人男女の恋愛関係なのか?と不思議でしかたなくなります。

男女の性関係は全くナシ。手をつなぐことすらできないウブ。いちゃつきも深くない。えっ、庇護欲じゃなくて本当に恋なの?

恋愛のあれこれを描くというよりも、人間同士のパーソナルスペースや、心の拠り所を表現した作品です。なぜ学がスイと共に過ごすようになったのかも、5巻まで読めば納得。ロリコンとかじゃないんです。後半、スイが仕事をし、自立した一人の女性になっていくことで、学と対等になっていくのがすごくいい。

序盤はやっぱり、前も後ろもわからぬ子供の状態。彼女自身の意思や感情が育ち、表現するように頑張りはじめ、学がその行動を理解してからがスタートライン。犯罪臭のする見た目の1巻と違い、ラストは安心して祝福できるものになっています。

しかし学はよく、結婚してすぐにスイに手を出さなかったなあ。ちゃんと性的魅力は感じているっぽいのに。でも親的な感情も含んでいる様子は、わかる。それに対してあれこれ言わないスイの慎ましい気持ちも、ちとわかる。
後半言葉じゃない部分で相手を求める感覚は、すごくわかる。

男女としての関係、理解が入るスイッチは、どこかにあるものです。

まだまだ続く50%セール。狙い目は現在も続いている作品だと思いますが、同時に数巻完結を一気に買うのもかなりお得。ただしその際、シリーズのうち一部巻だけセール対象品じゃないこともあるのでご注意を。

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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ニコカド祭り2017 第4週のオススメ!百合マンガ史上に残る傑作『星川銀座四丁目』など今週もアツい!

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第4週もライターのたまごまごさんから『女教師と少女の百合マンガに、ギャルに憧れるアンソロも』と、3作品を紹介いただきます。

ニコニコカドカワ祭り。たしか全8回が予定されているっぽいのでこれで折り返しですね。Kindle公式の50%OFFよりほかストア対抗が重なった64〜70%OFFが美味しい状態ではありますが……速攻買った作品がさらに値下げで『おのれアマゾン!』となっているとは思いますので、心静めてタイミング見てポチっていきましょう。とはいえなかなか買い時を学習できない。 // きんどうここまで


ニコカド祭り2017 第4週のオススメ!

ニコカド祭り2017第4週目に突入。台風襲来、豪雨と暴風、北海道では雪も降りました。こんな時こそ、Kindleで半額本を読もう。今週も50%OFF作品の中から、女教師と少女の百合マンガに、ギャルに憧れるアンソロなどオススメをいくつかご紹介。

おねロリまんがの決定版 年の差同棲物語

星川銀座四丁目 上 (MFC)

玄鉄絢 (著)
価格:343円 64%OFF
★★★★★ 2件のレビュー

とある事情により、生活能力皆無のダメっ子先生・湊(みなと)のところで共同生活を始めたワケアリ小学生・乙女(おとめ)。玄鉄絢が贈るこの小さな町で繰り広げられる年の差同棲物語、新装版として登場です。

玄鉄絢の年の差百合マンガの新装版。元は3巻だったのを再編集して、描き下ろしも掲載。すでに持っている人にも強くオススメします。

正義感はあるけど、家事がダメダメで大人げないところもある先生の湊(みなと)。彼女が引き取ることにしたのは、不登校児だった小学生の乙女。なかば強引な形で、二人の生活が始まります。

最初のうちは「親代わり」関係のはずだったのに、気がつけばお互い大切な、一緒にいたいと願う存在に。惹かれ合うのは必然。あっという間に恋に変わります。でも、法律的に小学生に手を出したらだめだよ! はやくはやくと求める乙女。必死に踏みとどまろうとしつつ、一回キスしちゃうとなだれ落ちちゃう湊。

ラブコメディとしてスタートしながら、どんどんリアルな問題にぶつかっていくのが玄鉄絢流。血の繋がらない同士が一緒に暮らし続けることはそもそも可能なのか、養子として法的に受け入れられるのか? 学校は? 勉強は? 将来一緒にいたいのなら今するべきことは?

年の差恋愛はとかく壁だらけ。「乙女が恋をしてどこかいってしまうのではないか」と考える湊の気持ちはもっとも。それを見ていらだつ乙女の感情もしかり。下巻からは、二人が将来を見据えて、共に生涯を歩むことに目を向けていきます。

身近なスキンシップ(多少行き過ぎちゃうのも含めて)を描きつつ、社会の中で自分たちはどう生きるべきか、というマクロな視点も持ち続けています。「少女セクト」など、玄鉄絢作品はここがしっかりしているから、読み応えがある。ただ好きなだけじゃだめ。でも、ちゃんと1つずつこなしていけば問題は乗り超えられる。百合マンガ史上に残る傑作です。ぜひ。

ギャルは明るく元気に照らしてくれる太陽、かも

ギャルと付き合っちゃった アンソロジー (角川コミックス・エース)

少年エース編集部 (編集)
価格:324円 50%OFF

性格は正反対、派手でクラスの人気者…普段は縁がないはずのあの娘が僕の恋人になったら!? 妄想をかきたてる、涎垂必死なシチュエーション満載!16人の作家陣によるギャルとのラブコメアンソロジー!

今はマンガ好き向け・オタク向けのギャルマンガ(少女漫画ではない)がもりもり増加中。前期のアニメ「初めてのギャル」はその最たるもの。また「おしえて!ギャル子ちゃん」もブームを牽引する作品のひとつ。ブームの火付けになったのは「アイドルマスターシンデレラガールズ」の城ヶ崎美嘉なんじゃないかと思っています。

今回フェア対象の「ギャルと付き合っちゃったアンソロジー」は、よく考えたらタイトルがおかしい。あれ、つまりギャルが上で、ぼくらが下々のものだ、ってこと? はいそうです。ギャルは太陽。明るく照らしてくれる存在……という概念です。

クラスの話しかけづらいギャル、たまたま付き合うことになったけど、からかわれているだけなんじゃないかだろうか。いや。彼女も緊張しておどけちゃってるだけなのだ。化粧に露出の多いギャル衣装。風紀委員として注意をするけれども、正直エロい。彼女は「そーいう一生懸命なアンタが好きなのはマジだから」とガチ告白。

元気な笑顔で爆走。なかなかできないことを平気でやっちゃう。ギャルは、若い力の塊。見ていて幸せな気持ちになります。しかも見た目がエロい。その上で「実は純情」というオプションを添えると破壊力バツグン。ここはファンタジーとか言わないで、夢見させて。

ちなみに一迅社からは「ひょっとしてギャルは俺らに優しいのでは?アンソロジー」が2巻まで発売中。 またヤングアニマルコミックスでは、イケイケ度と子供らしさのアンバランスが魅力的な「ギャルごはん」も発売中。セール対象外ですが、オススメします。

じっくり歩いて答えを探すフィールドワークコミック

かりん歩 1 (コミックフラッパー)

柳原 望 (著)
価格:324円 50%OFF
★★★★★ 5件のレビュー

忙しい両親に代わって、幼い頃から妹・くるみの世話をしてきた姉の市井・かりんは、妹の手がかからなくなると同時に自分のすべきことを見失ってしまう。さらに、喫茶店のマスターでもある理解者の祖父が倒れ…!?

妹が好きすぎて、それ以外のことがなんにもできない、就活迷走組の市井かりん。彼女が選んだのは、祖父の後をついで喫茶店を経営する、という困難極まる道。店を盛り上げるためにどうすればいいのか。と言ってもバリバリ計算できるタイプじゃないかりんは、町の周囲をじっくり歩いて調べながら、方法を考えることに。

自分の脚で歩き、地域の空気と文化に触れ、本質を探していく。フィールドワークが題材の作品。やっていることは、ものすごーーーく地味。地図を作ってお店の位置をマークしたり、周囲を歩いている人を観察してメモをとったり。ところがそのパーツを組み合わせていくと、一気に町の全体像が見えてくる。鳥になって眺めているような解放感に襲われます。

パズルのピースを丁寧に、ゆっくり散歩しながら拾い集め、組み立てていった時に答えが見えてくる展開は、推理小説の謎解きのごとく爽快。ミクロな視点を組み合わせればマクロになる。人とふれあいつつ、上から俯瞰で見られれば、経営方針も見えてきます。

高杉さん家のおべんとう 1 (コミックフラッパー)

柳原 望 (著)
価格:319円 50%OFF
★★★★☆ 52件のレビュー

オーバードクターの温巳は、従妹で12歳の美少女、久留里を引き取る事になった。何事にも遠慮がちで自分を他人に開かない久留里と、何事にも要領の悪い温巳。ふたりは共同生活の中で、おべんとうを通じて心を通わせていく。バリエーション豊かなおべんとうのレシピと、不器用な30男と12歳少女と彼らを取り巻く人々のちょっとラブありコメディです。

同じく地理学をテーマにした同作者の「高杉さん家のおべんとう」の続編的立ち位置の作品。とはいえストーリーは直接つながっていないので、読んでいなくても大丈夫。もっとも、読んでいるとニヤニヤできるシーンは山盛り。
そちらは迷えるアラサー男子と中学生女子という、なんとも魅力的なストーリーなので、セール対象な今、ぜひ読んでほしい作品。12歳のヒロイン久留里が、激かわいいです

おわりに

半額セールの利点の一つが、作者の過去作品をまとめ買いできること。好きな作品があっても、なかなか関連作品は手に取りづらい。セールのときだと思い切って買えるのは大きいですね。まとめ買いじゃなくて、一巻だけ買って試し読み、というのが一番いいかも。それこそ期間無料本が多く出ていますし、気軽に手を出してみるチャンス。

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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ニコカド祭り2017 第5週のオススメ 女子小学生がトリガーハッピー「メガロポリスノックダウン」ほか

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第5週もライターのたまごまごさんから紹介いただきます。

今回は『メガロポリスノックダウン』『ブラック彼女』『ライラと死にたがりの獣』の3作品。それぞれ最近の作品ですね。共通するテーマはバイオレンス。萌えや異世界ファンタジーだけじゃない、俺たちのカドカワの幅広さを見せつけてくれますね。


ニコカド祭り2017 第5週のオススメ!

ニコカド祭り2017第5週目です。KADOKAWAの電子書籍は、もうセールなのも違うのもモリモリ安くなっていて、区別がつかなくなってきました。いいぞ、もっとやれ。

Z指定暴力ゲーでヘッドショットを決める女子小学生「メガロポリスノックダウン」

メガロポリス・ノックダウン 1 (MFC)

田澤 類 (著)
価格:234円 64%OFF

強盗、殺人、警官隊との銃撃戦までなんでもアリの18禁“クライムアクション”ゲーム、『メガロポリス・ノックダウン』。そんなバイオレンスなゲームに挑む女子小学生・鋭美の、波乱万丈ゲーマーライフ!

クライムアクションゲーム「メガロポリスノックダウン」を見て、魂を撃ち抜かれた小学生の鋭美。貯めていたお年玉貯金を使い、こっそりゲーム機を買って、親に隠れてプレイ。悪人になり、町の中を駆け回る。人を銃で撃ち殺し、ナイフで突き刺し、警察から逃げる。今まで感じたことのなかった、しびれるほどの快感!

NPCではなく人を撃ってみたくなった彼女は、オンライン対戦に乱入。しかしプレイヤーの初心者殺しでボコボコに。悔しくなった鋭美、たまたま見つけた男性・瀬戸口守を相棒に、この世界で生き残ることを誓う。

いわば「グランドセフトオート」みたいな、暴力バンザイなゲーム。マンガ連載当時も子供のレーティング破りネタが話題になりました。

もちろん法的にはダメ。とはいえ鋭美がこのゲームを全力で楽しむために、きっちり現実の生活を頑張るのを見ると、どう解釈すればいいのかわからなくなってきます。むしろプレイしている大人にダメ人間が多いんだもの。

鋭美はリアルで見つかったら、一発アウト。それ以上に30歳の守は、鋭美が小学生女子だと知って焦ります。早く縁を切らなければ、人生がやばい。

クライムアクションゲームをするために、リアルでクライムするはめに。善良な二人がそれでもやめられないのは、なんでもできちゃうオープンワールドゲームをしたことが有る人なら、痛いほどわかるはず。全力でめちゃくちゃできるゲームの世界は、あまりにも魅力的。

倫理やルールについて色々考えさせられる部分も多い作品。ですが鋭美が感じている快楽を見ているだけでテンションがあがります。悪いことをするのって、楽しいのです。ただし人に迷惑のかからない範囲で。

ヤンデレのオンパレード「ブラック彼女」はかなりの純愛

ブラック彼女 全4巻 (コミックアライブ)

吉原 雅彦 (著)
価格:295〜円 50%OFF

背が低く学校でもいじめられてばかりのごく平凡な中学2年生・星野テルは、巨乳でクラスでも人気者の幼馴染み、天宮マヒルに思い切って告白しちゃった!? けどなんだか不穏な気配がして──…。

ブラック企業ではなく「ブラック彼女」。まともなヒロインが出てこない。主人公の星野は、クラスの元気な女の子・天宮が好き。ところが彼女は人格が変わると、平気で人を拳銃で撃ったり、バットで頭をフルスイングしたり、相手の関節を壊したりできちゃう、頭のネジがぶっ飛んだ「ミッちゃん」になってしまう。

あることが原因で星野のことが好きになり、追いかけてくる後輩の火鳥リリ。彼に振り向いてもらうために、頭から漂白剤をかぶったり、裸にして首輪をつけて監禁したり、放火をしたりと、これまたものすごい病みっぷり。他にも事故や怪我が大好きな女性刑事や、ドライバーで人の目をえぐる男性教師など、近寄りたくない人だらけ。

星野は、天宮からミッちゃんが生まれた理由を探すため、奔走します。ぶっ壊れた人たちが起こす行動は、なにもかもが迷惑。命の危機スレスレ。罪の意識がなく、常識を持っていない人ばかりなので、話しても理解してもらえない。

ところが時間が経つにつれて、みんなが自然体で星野と接するように見えてます。行動がおかしいだけで、根がピュアな人間ばかり。特にリリなんかは、まっすぐに星野に好意を寄せ続けており、いつしか一緒に行動するように、手助けしてくれるようにすらなっています。かなりひどいことしてきたのに、すごくかわいいって錯覚させられてしまう。

この「ブラック」さがどんどん「普通」になっていくのが、楽しく恐ろしい。4巻で完結です。ヤンデレな女の子たちがヤバイことするマンガを読みたい人に、ぜひともオススメしたい

ぼくを殺しててんごくへつれてって「ライラと死にたがりの獣」

ライラと死にたがりの獣(1) (角川コミックス・エース)

斉田えじわ (著), 斯波浅人 (その他)
価格:310円 50%OFF

亜人・アーロンに与えられた、ただ一つの生きる目的、それは「他者の死」。そしていつしか抱くようになった、ただ一つの願い、それは「自身の死」。一人の少女との出会いが、アーロンを「死に至る旅路」へと誘う…。

貧しい生活を送っているライラの両親は、マフィアが雇っている亜人のアーロンに惨殺された。怒りの中アーロンを殺そうとするライラ。ところがアーロンはライラを見て言った。「ぼくを殺して、てんごくへつれてって」

朴訥としていて、でも簡単に人を殺しちゃうアーロンのキャラがいい。彼は幼いときから虐げられていたため、感情がありません。唯一、自分が持っていた絵本に出てくる、青い瞳の天使が天国に連れて行ってくれる、という文言だけを信じていました。この純真さがたまらなく、かわいらしい。

ぶっちゃけ、アーロンが天国に行くのは無理でしょうよ。殺しすぎたよ。しかし彼、経験を積んでいくと徐々に、思考するようになります。生き延びるためにアーロンから殺し方を教えてもらっていたライラは、彼と話すうちに哀れすぎる境遇を理解じて決意します。「あんたが私に殺しを教えるなら、私があんたに……心を教えてやる!」

心を持つことは、時として残酷です。アーロンは感情がないからモリモリ人を殺せたけれども、心が芽生えたら苦しみに押しつぶされるんじゃないだろうか。それ自体が、ライラによる「殺し」なんじゃないか。

いい人も悪い人も死んでいく中、黙々と旅をする二人のロードムービー。でっかいのとちっちゃいのの組み合わせって、「魔法使いの嫁」もそうですが、ものすごく見栄えが良い。でっかい方は素朴だとなおいい。二人には幸せになってほしいのは山々ですが、マフィア絡みで今のところ地獄しか見えないバイオレンスコミックです。

あとがき

「最新巻だけまだ半額じゃないです」というのは、歯がゆいような気持ちに。でも買ったばっかりで半額になるのもやりきれないので、なかなか難しい。

にしても新刊が半額になるなんて、電子書籍でしかできない……すごい時代です。来週のラインナップも楽しみ。

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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ニコカド祭り2017 第6週のオススメ ぶっ壊れ女剣士から、最強のゴブリンまで

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こんにちは、きんどるどうでしょうです。11月30日まで毎週更新のニコニコカドカワ祭りにあわせてご縁のあるライターさんにオススメ作品をいただく企画。第6週もライターのたまごまごさんから紹介いただきます。

とはいえ、今週は公式ニコニコカドカワ祭りにこだわらず他ストア対抗も含めて”現時点”で半額セールを実施中の作品から『「剣姫、咲く」』『また、片想う。』『ゴブリンはもう十分に強い』の3作をご紹介いただきました。

Kindle公式のニコニコカドカワ祭りは11月30日まで毎週更新なのであわせて是非。


ニコカド祭り2017 第6週のオススメ!

ニコカド祭り2017第6週目です。今回はKindle公式のカドカワセールじゃないけど半額な作品からオススメ。どうも油断できなくなってきました。

剣道大好きサイコパス少女「剣姫、咲く」

剣姫、咲く(1) (角川コミックス・エース)

山高 守人 (著)
価格:313円 50%OFF

「私の 敵 になってくれない――?」高校一年生・草薙諸葉は入部したての剣道部で、圧倒的な剣道の実力を持つ少女・戸狩姫咲に出逢う。二人の正反対の少女は、剣道を以て、惹かれあう――。本格剣道青春譚!

ヒロインの一人・戸狩姫咲(とがり・きさき)がだいぶヤバイ。正直サイコパス

姫咲は剣道がとても好きな女の子。全中大会であっさり優勝するくらいの腕前の持ち主。問題は強すぎるがゆえに、他人の剣道をけちょんけちょんにけなし、ボコボコにした上に、剣道をやる必要がないとまで言い捨ててしまうこと。

「質の低い練習、手入れのなっていない防具、剣道愛が足りないよ。愛の無い人は弱い人だし、いらない。私が欲しいのは愛のある人……強い人」「ここにはいなかったけど、全国に行けば見つかると思うの」「だから剣道部ちょうだい」

前半はわかんでもないが、その結論はおかしい。

剣道が好きと言う割に礼儀がなっていない(対戦相手をばかにすると、現実の試合では負けになります)にもほどがある子。彼女の厄介なところは、見下してるとかの意識が全くなく、言葉通り純粋に自分の強い天敵がほしいとしか考えていない。雑魚のこだわりなんて邪魔だから、完膚なきまでに砕いてしまう。

めちゃくちゃな姫咲に、小さくて努力家な諸葉(もろは)が食って掛かる。彼女自体はまだ強くはないけれども、姫咲のいう剣道愛の権化みたいな子。姫咲は彼女をすっかり気に入って、強くするための餌(つまり諸葉が倒す他人)を探して回ることに。ひどい話だ。

横暴な姫咲と、まっすぐで頑固な諸葉の響き合いで、もりもり少女たちが強くなる作品。どえらい変化球のスタートが、2巻で直球剣道マンガになっていく様子は必見。あるいはみんな一線を越えたってことかしら。
あと剣道の時はぱんつはかないんだって、やったね!(実際にはほとんどの人が履いてます)

取り返しのつかないことってあるんだよ「また、片想う。」

また、片想う。(1) (角川コミックス・エース)

タチバナ ロク (著)
価格:313円 50%OFF

幼稚園からの幼馴染み・野方司と中学校時代からのツレになった金井元明と3人でいつも行動している少女・清瀬詩帆。毎日、ギャグっぽく、また日課のように告白してくる司を鬱陶しく思っている詩帆だったが、同じ部活動でもある3人での学生生活を楽しんでいた。ただ彼女は、今の3人での関係を心地よく思っていて、その関係性が崩れることを心のどこかで恐れていた。

思いは、伝えようと感じた時すぐに言わないと、取り返しがつかなくなってしまう。清瀬詩帆(きよせ・しほ)の幼馴染・野方は、日常的に「好きだ」と言ってくる。だからまともに受け止めようがない。もう一人の友人・元明と三人でドタバタする日々が続いていた。

野方は本当に詩帆のことが好きだった。なのに、詩帆は答えられないまま。そして、彼女は答えるタイミングを失ってしまった……。できればネタバレを踏まないで読んでほしい作品。

寝取られっぽい展開があるので、そこは苦手な人は注意。いや実際には全然違うんだけど! とある事情で……! 出て来る登場人物はみんないい子ばっかりだし、誠実。なのに取り返しのつかないことってやっぱりあるわけで。

純恋愛物語なんだけれども、ものすごく厄介で、どうころんでも幸せになれない人が出そうで胃が痛い。二巻はさらに輪をかけて人間関係がこじれていくので、読むのをやめられなくなります。

さてとても大事なことをひとつ。作者タチバナロクの描くヒロインはものすごくムチムチしている。エロいシーンはないのですが、特に下半身の肉付きが素晴らしくて、大変興奮します。もし気に入った方がいたら、現在並行して連載中の『可愛い上司を困らせたい』もオススメします。こちらは安心のラブコメディ。

育ちすぎたゴブリンは人間を何度も殺す「ゴブリンはもう十分に強い」

ゴブリンはもう十分に強い(1) (電撃コミックスNEXT)

サラマンダ (著)
価格:331円 46%OFF

剣と魔法と魔王と勇者(多数)にその他な世界――、やたらと強いLv99(カンスト)ゴブリンのホンワサビと召喚勇者のアキ、魔法使いのグラニテ、悪魔属のミミットたちが入り乱れる愉快でちょっぴり残酷なファンタジーコメディ、はじまりはじまり♪

ゴブリンといえば初期モンスターの筆頭。正直狩ってもうまみがない。逆に考えてみよう。ゴブリンが勇者たちを倒せたら、その分経験値がゴブリンに入る。だったらゴブリンだってレベルカンストするのでは?

かくしてゴブリンのホンワサビは、LV99に。冒険者どころか魔王とも互角な強さになったのでした。

強すぎて敵なしのゴブリンと、駆け出し女子中学生勇者のアキなど個性的な面々による、ドタバタコメディ。この世界ファンタジーなので、死んでも復活ポイントで生き返る。ホンワサビいわく「人間10回や100回死ぬけどなー」

一応敵なので、アキや他の冒険者たちを一撃殺しまくり。「逆ワンパンマン」と言ったおもむき。

どうあがいてもホンワサビに勝てないのが面白い作品なのだけれども、冷静に考えるとこの世界は残酷。アキたちはあっさり復活するのでいいけれど、ホンワサビはいくら強くてもただの魔物。死んだ後時間がたつと消滅し、それまで。

ホンワサビとアキは、友人であり敵として一緒に過ごしているけれども、アキがホンワサビを殺してしまう日が来てもおかしくない。願わくば、魔物にも幸せあらんことを。

今ホットなゴブリンものといえば『ゴブリンスレイヤー』。ゴブリンの真の怖さは、弱いと思って油断すると群れなして人を蹂躙すること。多くの冒険者がドラゴンなどの敵に挑む中、世界の平和より村の命を守るため、ゴブリンだけを狩り続ける男を描いた、ダークファンタジー。残忍な冒険が見たい人は是非。

ライター紹介:たまごまご

tamagomago
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ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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たまごまご推薦!格ゲー少女からふともも写真まで、この機会にオススメしたい一迅社作品

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ライターのたまごまごです。一迅社が、コミックスを中心に50%還元の大セールをしています。ものすごい数の対象冊数の中から、この機会に買っておきたいオススメをいくつかご紹介します。 *2018年2月2日:セールは終了していま […]

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